調剤薬局では、高額療養費制度と関わることはほとんどないのですが、今回は患者側としてお世話になったので紹介したいと思う。
まず、
高額療養費制度というのは、毎月の医療費が一定額を超えると払い戻しを受けられる制度です。専門でないのであまり詳しいことはわからないのですが、詳しく知りたい人はこちらをみてください。
外部リンク(PDF):高額療養費制度を利用される皆さまへ
薬局で扱う機会が少ないのは、高額療養制度の支払いは、医療機関では普通に支払いを済ませてから後日に担当部署に申請して払い戻しを受けるので、薬局で特別な手続きが必要ないからです。
しかし、
数年前から、制度がかわって高額療養認定制度ってのが利用できるようになって、これを利用すると薬局での支払いが認定額まででよくなったので、その分薬局で手続が必要になった。
「限度額認定証」とは
限度額認定証の提示により、医療費の支払が高額になっても一定額(法定の自己負担限度額まで)にとどめられ、予め多くのお金を準備するなどの経済的負担を軽減することが出来ます。
JFE健康保険組合のHPより引用
この限度額適用認定証をお持ちになられた場合は、レセコンに区分を入力して支払額を認定上限額までになるように調整してあげる必要がある。
この制度のおかげで一時的とはいえ多大な出費を窓口でしなくてよくなるのだ。
「限度額適用認定証」の取得は、各自で保険者に申請書を提出することで行います。通常、入院するときに病院から案内があるみたいですね。
さて、制度の紹介をしたところでここからはわたしの話です。
ちょっと長く入院することになってしまい、支払額が高額になるため高額療養認定制度を利用しました。
最初の支払い請求が終わったのでちょっと報告したいと思う。
保険適用後の支払額がざっくりだけど90万円です。これが認定を受けることで7万円程度になりました。
戻ってくるとはいえ1回に90万円なんて支払えません。またこれが1回ではなく3回ほど続く予定なので、3ヶ月で合計で270万円もの現金が必要になります。
払い戻し申請して直ぐに返金されるのならいいけど、いろいろと手続きが大変で、通常払い戻しを受けるまで3ヶ月以上かかるそうです。
もし、認定制度がなかったら、3ヶ月で270万円も現金を準備していないとタイトルに書いたように一撃で家計崩壊です。
しかし、認定制度を受けたことによって7万×3回で21万円ほどの出費で済むことになって大変助かりました。
事前に認定を受ける必要があるんだけど、入院中にその手続も合わせてすることができる。入院と同時に申請書を組合に提出すれば1~2週間程度で自宅に認定証が送付されてくる。それを病院に提出すれば会計は上限額でストップするのだ。
この認定証を取得するかどうかは個人で決めることであり、認定を受けなくても後日担当部署に申請することで上限を超過した分は返金される。
さて、
認定証を取得すると大変負担が減るのですが、同室の方は認定を受けないというではないですか、あえて全額支払いをしてから返金を選ぶのになにか理由があるのでしょうか?
詳しく聞いてきました。
高額療養制度を利用するに当たって上限認定を受けないメリット
入院してると時間を持て余すから同室の人からいろんな話を聞くんですよね。そこで教えてもらったのがクレジットカードで医療費を支払うとポイントやマイルがつくという話でした。
ネタ元は忘れたけど「妊娠出産はクレジット払いがお得」という記事をどこかで読んだことがある。これと同じ考えですね。
クレジットカードで支払うと、カード会社によるのだが1%ほどのポイントやマイルがつくなどの特典がある。
たとえば、わたし愛用の楽天カードで支払いを済ませたとしよう。
すると、270万で1%のポイントをもらえるので27000円分の楽天ポイントがつくのだ。現金に換算すると27000円だから、なかなか馬鹿にできないポイントです。
このポイントをもらうためには窓口で一度すべての会計を支払う必要があるから、あえて上限認定を受けないのだ。
注意したいのが、クレジットカードの支払上限額です。私のカードなんかだと上限10万円くらいに設定してあるから、こんな金額支払えませんね。
もしどうしても、カードで支払いたいならカード会社に申請して臨時で利用限度額を拡大してもらいます。入院で多額の出費があるなどの理由があれば拡大してくれるそうです。結局は、高額療養でもどってくるので支払いは滞るリスクは少ないだろうという判断で拡大してくれるのです。
もちろん、この方法でポイントをゲットするためには銀行口座に270万円の現金が入ってなければならない。
当然入ってないので、私には選択できない方法だったわけです。
出産一時金も病院へ直接支払ってもらうことができる
余談ですが、出産一時金の42万円も自分の口座へ直接支払われるパターンと病院へ直接支払われて差額分だけ自分で支払うパターンと二つある。
出産って一時的だが高額の支払いがあり、後日補助金がでる的な考えが一般的だと思うけど、事前に手続しとけば、出産一時金は病院へ直接振り込まれるので患者へ請求される額は42万円を超過したぶんだけになる。
一般的な出産であれば42万円を引けばさほど高額になることはないだろう。
ただ、これもやっぱりクレジットカードで支払いたい人がいて42万円ぶんの支払いだと1%で4200円分のポイントが入りますね。
このため一時的にあえて高額な出産費用を支払う人もいるそうです。
高額療養費制度があるから医療保険なんて入る必要なくない?
個人的な感想だけど、民間の医療保険ってあんまり必要ないのかもとか思った。ちなみに生命保険じゃないですよ。入院や手術のときにお金がもらえる医療保険のことね。生命保険に付帯させて一緒に加入していることが多いです。
保険って、突然の高額な出費に家計が崩壊しないように備えるものなんだけど、入院や手術って高額の出費といっても高額療養制度のおかげで月の上限が決まってます。
年収によりますが、とりあえず上限8万に設定しときますね。
この8万円を突然の出費として家計が耐えられるかどうかが大事で、もし8万円が突然出費されるときついということであれば、毎月保険料を支払うことでこの8万円の出費に対してリスクを分散することができる。
うちの医療保険は月々2000円だから1年で24000円ですね。で、いまのとこ6年支払ってるから14万2000円です。
医療保険は大半掛け捨てだから6年の間に14万2000円は掛け捨てですね。
そして、この6年の間に怪我で5日間の入院をしたとします。だいたい2.5万円支払ってくれます。
8万円の支払いに対して2.5万円の補助が出ます。補償なんてこの程度なんです?
だから、医療保険に過度に期待したらダメです。ましてや入院や手術を受けたら保険代でもうかるなんて考えちゃだめですよ。
今回私の場合は、5000円×90日で45万円の計算になり医療保険はプラス収支ですが、90日も入院することなんて普通ないですよね。最近は、入院期間ってどんどん短くなってるから特殊なケースですね。
いちおう高額療養費制度があるにも関わらず、医療保険を勧める理由を調べてみました。
「医療保険 + 高額療養費制度」でググってみると、大手医療保険販売会社のホームページにその理由が載ってます。
入る入らないは別として、民間の医療保険を検討しているのであれば高額療養費制度だけはしっかり把握しておいたほうが良さそうですね。
高額療養費制度つかったけど医療費控除も一緒に受けられる?
あたりまえだけど、全く別の制度だからね。医療費控除は確定申告で今年度支払った医療費を申告することで税金が安くなる。
大雑把に計算すると、今回の入院で21万払ったから、そこから10万引いた額の1割が控除額ですね。えーと、1万1千円の払い過ぎた税金が返ってきますね。
待てよ、もしかしたら医療保険で補てんされた分は引かないといけないかもしれない。となると、控除は0かもしれない。