現在、棚卸しに向けて在庫を整理しているですが、改めて整理してみると続々と現れる不動在庫(通称:デッドストック)。
一人にしか使わない薬は、その人が来なくなったら残った薬は全部デットストックになってしまいます。こういったものはなるべく早く処理してかないと、忘れて期限切れになったら丸々損失です。
今回は、いっぱいあったデッドストックを処理したので処理方法についてまとめてみます。
手順
↓
②デットストック買取システム活用
↓
③デットストック引取掲示板へ掲示
3段階を経て7割のデットストックを消費または換金することができました。
①他店舗への店間移動
系列店舗があるのであれば、使えるものは系列店舗で消費するのが金額的に一番ロスが少ない。
他社の買取システムを活用すると購入価格の半分くらいの値段になっちゃうので、まずは自社で消費することを考えます。
レセコンに不動在庫一覧表の出力機能があるのでエクセルに出力して、FAXまたはメールで各店に送信してチェックしてもらいます。
自社で消費できればロス率は0なので、まずはここからとっかかる。
②デットストック買取システム活用
ネットで検索すると不動在庫を買い取ってくれるサービスがいくつか出てきますが、今回活用したのは医療用医薬品の買取り&販売ファルマーケットってところです。
ファルマーケットはオンラインで査定して郵送で簡単にデッドストックを買い取ってくれるサービス。
これのスゴいのがネット上でサービスが完結することです。買取り価格は検索すれば誰でも見ることができて、条件に合致したものは全てその価格で買い取ってもらうことができる。
先にものを郵送するような現物査定のサービスだと、これは買い取れるけど、これは買い取れないみたいな選りすぐりで返品されたらのちのち手間です。
とくに薬価が低いもので処理するのが手間だからと返品されたらたまっとものではない。ファルマーケットのサービスだと薬価の低いものも幅広くカバーされており選りすぐることなく一律でやってくれます。
正直、薬価低いものは捨てたくなるんだけど会社のものだから勝手に捨てられずに困っています。これが中古で販売していいという指示をいただければ二束三文であっても大義名分のもと処理できるのがありがたい。
デッドストックって薬局内でものすごい邪魔者あつかいされていて高額商品だとその本来の価値を考えるともう見てられない。また、高額商品ほどデッドにしてしまった罪悪感から奥へ奥へと追いやられていき、ひっそりと期限が切れていなくなるのを待つばかり。
うちに、ヴォリブリスとレバチオなる高額不動在庫があったので早速インターネットで査定して見たいと思う。
査定画面はこんな感じ。
合計(税込)
117210円
なんと約12万円になりました。静かに、期限を切れるのを待つにはあまりにも惜しい金額です。
もう、これはデッドストックは宝の山ですよ。これでうちにいた眠っていたヴォリブリスとレバチオはまた陽の目をみることになりそうです。
さて、
この売られていった医薬品はどうなるのでしょうか?
はい、こんな感じです。
なんともキレイに展示されて再販売されてますね。
先程はデッドストック買取サービスを見ましたが、こちらはデッドストックの販売サービスです。
当然、買うだけではなく同じサイトで販売もされているわけです。再販された医薬品の購入ってちょっと抵抗があるんだけど、このように実物を写真でとってくれていると安心しますよね。
この写真は共通の写真じゃなくって買い取った個々の医薬品の実物の写真なんです。だから、パリエットだけでもすごい数ありますね。
すごい手間だけど、こうしてもらえると包装変更までしっかり見てとれるから安心して購入できます。
買い取り条件
買い取り基準は厳しいけど条件に合致しているものは無条件で引き取ってくれるので是非試してみて下さい。
買い取り基準
②使用期限と製造番号が確認できること
③指定した品目であること
箱が開封されていてもかまわないのだが、箱がないものは買い取ってくれない。こういった時のため普段から箱は捨てないように心がけときたい。
また、切り込みのあるPTPは買い取り不可なのでPTP単位でしか買い取ってもらうことができない。
このシステムでは箱がないものや端数は残ってしまうので、これらを処理するのが次のステップです。
③デッドストック引取掲示板の活用
今回活用したのは、ENIF club DS掲示板ってとこです。
東邦薬品が運営する薬局間でのデットストックの直接的なやりとりを支援する場所です。
ENIFを利用していている薬局は完全無料で活用することができます。自身の売りたい医薬品を掲示板に書き込み引き取り手を公開で募集するシステムで、箱がなくても、切り取った半端なPTPとかでも引取手を募集できる。
さっきの②と違うところは、仲介会社が一律で買い上げてくれるのではなく、売りたい薬局と買いたい薬局が直接連絡をとりあって薬を売買できるような場を提供してくれているだけです。
だから、PTPがバラバラになってたり、箱がなかったとしても相互の同意があれば取引が成立する。
細かいルールは決まっていないのでより自由度が高い取引ができるのだが、薬品ごとに希望する薬局と取引しないといけないから、とにかくめんどくさい。
品物の移動や金銭の移動は東邦医薬品が代理でしてくれる。もちろん無料です。
②だと売値は買い手の言い値になってしまうのだが、こちらは「3割引でこの薬を売ります。」
みたいな感じで掲示するから売値は売り手の言い値になる。
②と③はどちらも一長一短あるので、合わせて使うとよりお互いのいいところを補ってより効率よく不動在庫が処理できるようになる。
関連記事薬局の勉強に超オススメのサイト