調剤薬局事務の資格って具体的に何の勉強をするのかを説明していきたいと思います。
調剤薬局事務の資格にはいろんな種類がありますが、勉強する範囲はどれもほぼ同じです。いろんな種類がある中で今回は代表して調剤報酬請求事務の試験範囲について見ていきたいとおもう。
教育項目 | 教育内容 |
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1.医療保険制度 ・健康保険 ・船員保険 ・各種共済組合 ・国民健康保険 ・退職者医療制度 |
各法の目的とその沿革 制度について 保険者と被保険者 療養の給付のしくみ 保険料と保険給付・給付率 療養の給付・療養費の支給 家族療養費 保険診療の範囲 入院時食事療養費および入院時生活療養費 保険外併用療養費 高額療養費 訪問看護療養費 |
2.高齢者医療制度 ・制度の概要 ・特定健康診査 ・後期高齢者医療給付 |
目的とその沿革 特定健康診査と特定保健指導 後期高齢者医療制度 保険者と被保険者 療養の給付と一部負担金 高額医療費および高額介護合算療養費 |
3.公費負担医療制度 ・感染症法 ・生活保護法 ・学校保健安全法 ・戦傷病者特別援護法 ・精神保健福祉法 ・身体障害者福祉法 ・障害者総合支援法 ・児童福祉法 ・母子保健法 ・原子爆弾被爆者援護法 ・特定疾患治療研究事業 |
医療給付の種類と給付内容 結核患者の適正医療 結核患者の入院 新感染症の入院 1類感染症等の入院 医療扶助 療養の給付 更生医療 措置入院 更生医療 育成医療 精神通院医療 療養介護医療および基準該当療養介護 療育の給付 養育医療 認定疾病医療 一般疾病医療 治療研究 公費負担医療と法別番号 受給証明書 医療保険制度との関係 公費制度と費用負担 対象者と対象疾患 申請手続きと請求 指定医療機関 |
4.医事法規一 | 保障制度の基礎用語 医療法 医療保険各法 保険者の種類、被保険者の種類 被保険者資格の取得・喪失 保険医療機関の指定・保険医の登録 その他各法に係る事項 療養担当規則 関連法規 医師法 等 |
5.薬学一 | 医薬品の種類と薬効分類 各器官系に作用する薬物 医薬品の一般名 |
6.保険薬局業 | 保険薬局の受付担当者の心得 (個人情報の適切な取扱いを含む) 心構え、話し方、身だしなみ 患者との対応、職場の人間関係 受付業務の流れ 初・再診受付、処方せん確認業務、薬歴簿の作成 等 医療制度に関する諸手続き、連絡、記録 調剤報酬請求業務(一般・後期高齢者) 薬価基準(規格・単位・薬価)・力価 窓口会計業 |
調剤報酬請求事務技能認定申請資格に関する教育訓練ガイドラインより
ここから先は私なりにまとめてみましたがかなり長くなります。調剤薬局事務についてより詳しい内容を知りたい方には、資格のパンフレットが一番わかりやすいです。いろんなとこがパンフレットだしているので、一括で資料請求できるサイトを使うのがおすすめです。
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①医療保険制度
ここを理解しないと病院や薬局の受付はできません。
日本の医療制度は世界にほこれる国民皆保険制度です。国民のみんなが保険証をもっており、病院や薬局へいくときに保険証を持参することで医療費の自己負担がやすくなります。
医療機関は一部負担金だけを患者に請求して、残りを保険者に請求します。
この保険者にお金を請求する作業をレセプト請求といいます。
保険証は種類によって健康保険被保険者証や国民健康保険被保険者証などにわかれます。レセプト請求は保険証の種類によって請求先が異なるのでこの違いを把握するためにも医療制度を知っておく必要があります。
また、患者に保険証の提示をもとめるので制度趣旨をしらないと、なぜ提示しなければいけないのか説明することができない。
本格的に勉強すると大変だけど、薬局事務の資格に関してはほんのさわり部分だけなので、保険者と薬局と審査支払機関の関係がわかってればいいのかなとおもいます。薬局は直接保険者にお金お請求するわけではなくって支払代行機関を経由して行います。
保険者はたくさんいるのでそれぞれに請求先をわけて請求するのは大変です。だから、代行機関へ一括して請求します。代行機関は2つです。それが国保と社保です。正確にいうと社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会です。
社保、国保という言葉は薬局内では当たり前のように使う言葉なので知っとくとイイです。
船員保険だの、共済保険だのいろんな種類がありますが、現場の業務としては保険証の記号番号がかいてあるからそれをパソコンに入力するだけです。
②高齢者医療制度
65歳以上75歳未満は今まで加入していた医療保険制度に前期高齢者として加入するから変わりないけど、75歳以上で後期高齢者になると加入する医療保険制度がかわる。それが後期高齢者医療制度です。加入後は国民健康保険、被用者保険の被保険者とか、被扶養者とかの概念がなくなる。あの1割負担とか2割負担とか現役並み所得者は3割とかいうルールの保険です。
レセプトはとりあえず国保連合会におくって保険者(後期高齢者医療広域連合)に請求します。
③公費負担医療制度
医療保険制度以外にも医療費の一部を負担してくれる制度です。
特定の疾病に対する補填と経済的弱者の救済とで大別される。
子供の医療費がタダになるというのは公費併用しているからです。特定の難病は月ごとに支払額の上限が決まっていてそれを超えたぶんは無料になるなんて制度もあります。また生活保護受給者は医療費が原則無料ですがこれも公費のおかげです。
公費負担医療制度は公費ごとに各種法律で規定されており、細かく見ていくとすごく大変。正直、ほとんどわかりません。
保険証と同じで公費ごとに個別番号が交付される。それをメモすればレセプト請求できるので、どの病気でどの公費が適用になるとか細かいことは知らなくて大丈夫。
概ねパソコンが判断してくれる。
よく登場する公費は、
88:マル乳
81:ひとり親
12:生活保護
21:精神通院
54:難病指定
めったにこない公費とかもうレセコン任せですね。レセコンに番号打ってから考えます。ダメならサポセンって感じですね。
調剤報酬の計算
調剤報酬の計算とは、処方箋1枚あたりの会計を計算することです。これが事務員の一番の仕事です。
会計は調剤報酬点数表に基づいて計算されます。
この計算のルールを勉強することが調剤薬局事務の資格の勉強でもっとも力を入れなければならないところです。
たとえば、処方箋を持ってきたとします。まず、最低でも4つの料金を算定します。
①調剤基本料
②薬剤服用歴管理指導料
③調剤料
④薬剤料
上から順番に、
①調剤基本料は基本料だからもうすべての処方箋に対してとりますね。受付料です。
②薬剤服用歴管理指導料は患者一人一人の薬の服用歴を記録保管するための手数料です。お薬手帳のあるなしで点数が異なります。
③調剤料は薬を準備する手数料です。錠剤を30錠準備したとか、目薬を3本準備したとか。薬の種類や処方日数が多くなるほど準備の手間がかかるので点数が高くなる。
④薬剤料はお薬の値段です。薬は1つずつ国が定めた価格(薬価)があるのでそれにもとずいて計算します。
まず、基本でとるのがこの4つで、この他にも加算といって追加サービスした場合に様々な点数が算定できます。
たとえば、軟膏を2種類混合したら計量混合加算、時間外に処方箋を受けたら夜間休日等加算、乳幼児に詳しい指導をしたら乳幼児指導加算、錠剤を半分に割ったら自家製剤加算、毒薬を調剤したら毒薬加算、薬を一包化したら一包化加算などなど、
全部で30種類くらいの点数がある。この点数をすべて把握した、調剤報酬の計算のプロフェッショナルが調剤薬局事務です。
試験ではすべて手計算でできるようにしないといけないからすごく大変なんだけど、実際働いてみると処方箋をパソコンに入力するれば全自動でお会計を計算してくれます。
薬学
薬の効果効能とかを学んだらきりがないし、それを学ぶのは薬剤師であって薬のプロでない事務員が学ぶことではない。
ただ、調剤報酬を算定する上で知らないといけないお薬用語がいくつかあるので、それは試験範囲にはいります。
たとえば、散剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、トローチ剤、リニメント剤、パップ剤、軟膏剤とか。
薬の分類ごとに調剤料の計算も違ってくるので、どういう薬なのかイメージできるようにはしときたい。
力価計算
シロップや粉薬の%計算が試験範囲に入っています。
たとえば、医師が薬の成分の量で薬を処方してきたとします。
アセトアミノフェン 10mg
これを既製製品の量に変換します。たとえば、カロナール20%細粒の量に変換します。
アセトアミノフェン 100mg → カロナール20%細粒 (?g)
こんな計算をしないといけません。
10 ÷ 20/100 ÷ 1000 =0.5gです。
簡単な比例計算ですね。
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調剤薬局事務の資格はさまざまな団体が違う名前で発行しているので比較するのも一苦労です。
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