加算

重複投薬・相互作用等防止加算が算定できるパターン

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H30年度改定対応で「重複投薬・相互作用等防止加算」について解説していきます。この加算はH28年に名前がかわってさらにH30年度改定では残薬調整用の点数が新設されました。改定ごとにちょっとずつかわっていく加算です。

重複投薬・相互作用等防止加算とは

薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止の目的で、処方箋を交付した保険医に対して照会を行った場合は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

  • 残薬調整に係るもの以外の場合 40点
  • 残薬調整に係るものの場合 30点

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重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件

重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い処方の変更が行われた場合に算定できます。ただし、複数の項目に該当した場合は重複して算定することはできません。

算定できるパターン

  1. 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
  2. 併用薬、飲食物等との相互作用
  3. そのほか薬学的観点から必要と認める事項
  4. 残薬の調節

この4つの中で疑義照会して処方変更があった場合に算定することができます。④の残薬調整だけは「30点」で他は「40点」も算定することができます。「40点」は大きいので、次回先生に言って「残薬調整してもらって下さい」とドクターに丸投げはしにくくなります。

ポイント

  • 処方変更なしの場合は算定できない
  • 薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は算定できない
  • 薬剤が追加になった場合や、服用期間が延長した場合であっても算定できる
  • 院内処方と院外処方で重複があった場合でも算定できる
  • 同一医療機関の処方箋内で重複があった場合でも算定できる

注意点はこんなところでしょう。算定できるパターンで「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」で疑義し変更があった場合に算定できるので、拡大解釈すれば変更があればいくらでも算定できてしまいます。

算定した場合は、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載することになっているのでお忘れなく。

この「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」というのはH28年度の改定で追加になった項目です。いままではこの項目がなかったので食べ物アレルギーや持病による禁忌とかで処方変更があったとしても取れなかったのですが、そこを補填するために追加になりました。

H28年改定で「重複投薬・相互作用防止加算」が「重複投薬・相互作用防止加算」に名称変更されました。「」がついたので対象が拡大されたということです。

関連する疑義解釈資料

(問30)重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定対象の範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

(答)薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。

そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とは何かという疑義解釈ですね。アレルギー歴や副作用歴による変更は対象になることがハッキリと明言されています。在庫がないから変更してもらったという薬局都合の変更はもろんダメですよ。

(問31)これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、同一医療機関の同一診療科の処方せんについて処方変更があったとしても算定できないとされていたが、平成28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、同一医療機関の同一診療科から発行された処方せんであっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

(答)「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。

「同一医療機関の同一診療科から発行された処方せんであっても」疑義があって変更があれば算定することができます。例えば、同じ処方箋に「ワーファリン」があって「フロリードゲル」が追加になってた場合なんかが該当します。定期処方になんか追加したら禁忌になってしまったパターンですね。

一か八かとれるかもしれない可能性を秘めている具体的な例

とれるかどうかの判断基準は疑義解釈に少しだけ書いてありますね。

アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となります。

ただし、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。これは当たり前ですよね。薬局都合で変更しておいて都合よく点数がもらえるわけないです。

これしかわからないけど、まだまだとれそうなパターンっていっぱい考えられますよね。疑義照会の数だけとれるかどうかの判断があります。

薬局でよくある疑義照会No1といえば処方箋の記載ミスとかどうでしょうか?普通はとらないと思うんだけど、とってしまう人もいるようです。そしてそれが必ずしもダメだということもないのです。

平成28年日経DI12号に重複投薬・相互作用等防止加算の特集が組まれていたので読んでみると、記載ミスのようなパターンでも算定する薬局は一定数いることがわかります。

ケース①医師の日数間違い

他の薬は30日分ですが1つだけ3日分でした。これは恐らく30日の入力間違いが推察できます。

案の定、疑義照会して30日分になったとします。従来の旧重複投薬・相互作用等防止加算ではできなですが、追加になった「薬学的観点」からってところでいけるかもしれない。

3日しかなかったら患者は治療の機会をのがしてしまうし、それが足りなくなることによって3日で再受診が必要になり余計な手間と費用が重なります。

それを未然に防ぐことができたということで評価すべきなのでしょうか。

いける気がしなくもないが、ダメだろうという思いのほうが強い。

ケース②医師による投与量の間違い

粉薬でよくあるのが1.5gのところが5gとか一つ数字が飛ぶとか桁が違うとか。これって何とも相互作用や重複投薬が考えられるわけではないんだけど、重大なミスですよね。

気づいて医師に訂正してもらった場合の功績は大きい。逆に、気づかずに一桁ズレた量で作ってしまった場合の功罪ははかりしれない。医師の入力ミスだけど体重などで考えて過量と判断して疑義し変更であれば、薬学的観点からの提案であることは間違いないわけです。これならいける気がしなくもない。

ケース③医者はこの薬だすって言ってたのに処方箋に記載されていない

よくありますよね。医者は湿布をだすって言ってたのに処方箋には記載されていないってよくありますよね。多くの場合で疑義照会すると処方が追加になります。

薬学的観点ははいってないですし、ただの医師のミスだし、患者にいわれたまま疑義しただけなのですが、ひと手間かけたぶん点数が欲しいって人いますよね。

そうなるとこじつけです、薬が足りなくて治療機会を逃してしまうところを救ってあげたんだから、算定してもいいのでは?と考えて取る人もいるかもしれない。

ケース④この薬もっと欲しいんだけど

年末年始で日数が足りなくなるとか、塗り薬1本のところ2本ほしいとか。患者希望の変更的なやつね。患者希望であったとしても患者の利益になっているのであれば算定できないとはいいきれません。

ケース⑤日数制限で処方できないのに処方されたケース

デパスやアモバンで多いのではないでしょう。30日しか処方できない薬が60日で出ていた場合は疑義照会の対象になります。十中八九内容が変更されるでしょう。

医師のケアレスミスですがそれを是正するために薬局があるので仕事をしたということで算定できる可能性は0ではありません。

ケース⑥前回残薬がありパスした薬が今回は欲しいのに処方されていなかった

薬剤師の薬学的観点というか患者側からの指摘によって疑義照会となるケースもある。これも十中八九追加になるが、原因は医師のケアレスミスです。といっても、絶対に算定できないとはいいきれません。

ということで、明確な回答はないのですがすごく幅広く解釈できますね。

10点、20点ならスルーしてもいいのですが30点となると欲が出ますよね。また、これからの薬局は「かかりつけ機能に係る業務を行っていない薬局」にペナルティーが課されることになってるので、このペナルティーをかせられないよう一定数の重複投薬・相互作用等防止加算の算定が欲しいところなんです。

グレーゾーンはたくさんあるけどこれは算定でOKってパターンも紹介しておきます。

算定可能なパターン

  • 胃潰瘍の既往歴あり:ボルタレンが胃潰瘍の既往歴に禁忌のため疑義照会し削除
  • 卵アレルギー:アクディームは卵アレルギー禁忌のため疑義照会し削除
  • ペニシリン系禁忌:サワシリンはペニシリン系のため疑義照会し削除
  • A病院でもらったムコスタ使用中にB病院からムコスタ処方:疑義照会によりB病院からのムコスタ処方削除
  • A病院でもらったムコスタ使用中にB病院からセルベックス処方:疑義照会によりB病院からのセルベックス処方削除
  • A病院からメチコバールの処方があるがメチコバールは手持があるからいらない:疑義照会によりメチコバール処方削除
  • 市販薬でアレグラFX錠を服用中の患者に、アレジオン錠が処方:疑義照会により処方削除
  • 食べ物との相互作用で処方削除になった場合も算定可能
  • アルコールを毎日欠かすことができない→睡眠薬の処方

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