加算

重複投薬・相互作用等防止加算が算定できるパターン

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重複投薬・相互作用等防止加算について解説していきます。この加算はH28年どの調剤報酬改定で名前が変わり点数が見直されることになりました。

重複投薬・相互作用防止加算(旧)→重複投薬・相互作用防止加算(新)

1回につき30点を算定することができます。

重複投薬・相互作用防止加算(旧)

変更あり:20点
変更なし:10点
・併用薬との重複投薬及び併用薬、飲食物等との相互作用を防止するための疑義照会
・残薬の確認の結果、処方の変更が行われた場合
(*薬剤の追加、投与期間の延長の場合は算定対象にならない。)


重複投薬・相互作用防止加算(新)

変更あり:30点
以下の疑義照会を行い処方内容に変更があった場合
・併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
・併用薬、飲食物等との相互作用
・残薬
・その他薬学的観点から必要と認められる事項

一番の大きな違いは「その他薬学的観点から必要と認められる事項」が追加されたことです。従来の要件では限られた条件でしか算定できなかったので算定の可否がハッキリとしています。それが薬学的観点という抽象的な要件が加わったことで、どんな些細な疑義照会であっても処方変更があった場合には、個人の解釈によっては算定できる余地があるということです。

この「その他薬学的観点」って解釈が未だにはっきりしていないのでとるとらないは個人の考えに委ねられていると言ってもいいでしょう。

後ほど具体的な例をあげながら見ていきますが、その前に定義と疑義解釈資料を参考にして理解を深めましょう。

重複投薬・相互作用等防止加算とは

【定義】

薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止の目的で、処方せんを交付した保険医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は30点を所定点数に加算する。

【補足】

ア 重複投薬・相互作用等防止加算(「注4」に規定する加算をいう。以下同じ。)は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、次の内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。
なお、薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。

  • (イ) 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
  • (ロ) 併用薬、飲食物等との相互作用
  • (ハ) 残薬
  • (ニ) そのほか薬学的観点から必要と認める事項

イ 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載すること。
ウ 同時に複数の処方せんを受け付け、複数の処方せんについて薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。

疑義解釈資料(その1)

(問30)重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定対象の範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

(答)薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。

(問31)これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、同一医療機関の同一診療科の処方せんについて処方変更があったとしても算定できないとされていたが、平成28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、同一医療機関の同一診療科から発行された処方せんであっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

(答)「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。

一か八かとれるかもしれない可能性を秘めている具体的な例

とれるかどうかの判断基準は疑義解釈に少しだけ書いてありますね。

アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となります。

ただし、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。これは当たり前ですよね。薬局都合で変更しておいて都合よく点数がもらえるわけないです。

これしかわからないんです。でも、まだまだとれそうなパターンっていっぱい考えられますよね。疑義照会の数だけとれるかどうかの判断があります。

薬局でよくある疑義照会No1といえば処方箋の記載ミスとかどうでしょうか?普通はとらないと思うんだけど、とってしまう人もいるようです。そしてそれが必ずしもダメだということもないのです。

平成28年日経DI12号に重複投薬・相互作用等防止加算の特集が組まれていたので読んでみると、記載ミスのようなパターンでも算定する薬局は一定数いることがわかります。

ケース①
医師の日数間違い

他の薬は30日分ですが1つだけ3日分でした。これは恐らく30日の入力間違いが推察できます。

案の定、疑義照会して30日分になったとします。従来の旧重複投薬・相互作用等防止加算ではできなですが、追加になった「薬学的観点」からってところでいけるかもしれない。

3日しかなかったら患者は治療の機会をのがしてしまうし、それが足りなくなることによって3日で再受診が必要になり余計な手間と費用が重なります。

それを未然に防ぐことができたということで評価すべきなのでしょうか。

いける気がしなくもないが、ダメだろうという思いのほうが強い。

ケース②
医師による投与量の間違い

粉薬でよくあるのが1.5gのところが5gとか一つ数字が飛ぶとか桁が違うとか。これって何とも相互作用や重複投薬が考えられるわけではないんだけど、まぁ、量が多いとか少ないとかの気づきって薬学的観点からの提案であることは間違いないわけです。これならいける気がしなくもない。

ケース③
医者はこの薬だすって言ってたのに処方箋に記載されていない

よくありますよね。医者は湿布をだすって言ってたのに処方箋には記載されていないってよくありますよね。多くの場合で疑義照会すると処方が追加になります。

ケース④
この薬もっと欲しいんだけど

年末年始で日数が足りなくなるとか、塗り薬1本のところ2本ほしいとか。患者希望の変更的なやつね。患者希望であったとしても患者の利益になっているのであれば算定できないとはいいきれません。

ケース⑤
日数制限で処方できないのに処方されたケース

デパスやアモバンで多いのではないでしょう。30日しか処方できない薬が60日で出ていた場合は疑義照会の対象になります。十中八九内容が変更されるでしょう。
医師のケアレスミスですがそれを是正するために薬局があるので仕事をしたということで算定できる可能性は0ではありません。

ケース⑥
前回残薬がありパスした薬が今回は欲しいのに処方されていなかった

薬剤師の薬学的観点というか患者側からの指摘によって疑義照会となるケースもある。これも十中八九追加になるが、原因は医師のケアレスミスです。といっても、絶対に算定できないとはいいきれません。

ということで、明確な回答はないのですがすごく幅広く解釈できますね。

10点、20点ならスルーしてもいいのですが30点となると欲が出ますよね。また、これからの薬局は「かかりつけ機能に係る業務を行っていない薬局」にペナルティーが課されることになってるので、このペナルティーをかせられないよう一定数の重複投薬・相互作用等防止加算の算定が欲しいところなんです。

グレーゾーンはたくさんあるけどこれは算定でOKってパターンも紹介しておきます。

算定可能パターン

  • 胃潰瘍の既往歴あり:ボルタレンが胃潰瘍の既往歴に禁忌のため疑義照会し削除
  • 卵アレルギー:アクディームは卵アレルギー禁忌のため疑義照会し削除
  • ペニシリン系禁忌:サワシリンはペニシリン系のため疑義照会し削除
  • A病院でもらったムコスタ使用中にB病院からムコスタ処方:疑義照会によりB病院からのムコスタ処方削除
  • A病院でもらったムコスタ使用中にB病院からセルベックス処方:疑義照会によりB病院からのセルベックス処方削除
  • A病院からメチコバールの処方があるがメチコバールは手持があるからいらない:疑義照会によりメチコバール処方削除
  • 市販薬でアレグラFX錠を服用中の患者に、アレジオン錠が処方:疑義照会により処方削除
  • 食べ物との相互作用で処方削除になった場合も算定可能
  • アルコールを毎日欠かすことができない→睡眠薬の処方

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