薬局がジェネリック医薬品を勧める理由の背景としては、国がジェネリック医薬品を推奨しているということがあります。
患者が薬局で薬をもらうときには健康保険を利用するので医薬品代の一部は国が負担しています。ジェネリックに変えると患者の負担が減るだけじゃなく、国の医療費負担分も減るわけです。
患者も嬉しいし、国も嬉しいってことで、国の方針として率先してジェネリックを推奨に舵を切る事になりました。そして、ジェネリックの普及には医療機関の協力がかかせません。
そこで医療機関がジェネリックをたくさん使ってもらうために様々なルールが作られました。
薬局側に求められたルールは、最初は軽いルールで、ジェネリック医薬品を渡したらご褒美として、多めに基本料を請求できるっていう薬局にとって嬉しいルールだったんだけど、2年に1回の診療報酬改定でルールが改定されるごとにだんだんと厳しいルールに変わっていきました。
どのような変更かというと、基本料部分を下げて、ご褒美部分の割合を大きくしたのです。結果として、合計は同じくらいなんだけど、こうなるとニュアンスが違ってきて、いままではご褒美としてもらっていたものが、これからはもらわないとやって行けなくなりました。
努力義務だったのが、なかば義務になってしまったのです。
ということで、薬局はジェネリック医薬品を勧めないと経営が苦しくなる時代に突入したわけです。
薬局がジェネリック医薬品を勧めた時のメリット
メリット①
薬局がジェネリック医薬品をいっぱい使ってジェネリックの使用割合が一定数を超えると加算といって追加で、患者さんから料金を徴収できるようになるんです。
具体的に言うと、
後発医薬品調剤体制加算という加算で3段階あります。
細かい計算はあるんだけど大雑把にいうと、薬局が渡した薬の全量のうちジェネリック医薬品で渡した割合が22%以上、30%以上、35%以上になっていると各段階で加算がとれるんです。
この加算の凄いところは、ジェネリック医薬品に変更した人だけじゃなくて全ての受付た処方せんに加算をとれることです。
つまり、
処方箋の1枚あたりの利益が底上げされるのです。加算は元手がかかるものではないので、加算はまるまる純利益になるわけだ。
メリット②
ジェネリックは薬価差益が大きい。薬局の第2の収入である薬価差益。
薬価差益とは、
仕入れた値段と渡した値段の差のことで、渡す値段は薬価といって国が決めています。先発品(ジェネリックではない医薬品)は、薬価差益が少なく薬価の10%くらいだとする。
ジェネリックはだいぶばらつきがあるんだけど安い値段で入ってくるものが多く、やすい原価のものを選べば30%くらいとれたりする。
薬価は国が決めていて2年に1回見直すのですが、その時に、先発品の薬価を下げることで、先発品の薬価差益を出づらいように調整して、逆に、後発医薬品を優遇することで後発品は薬価差益が出るようになった。
薬局の利益の大半は調剤報酬なんだけど、調剤報酬が改定ごとに切り詰められるので薬の売買でも利益をだすためにジェネリック医薬品を推奨するわけだ。