当サイトはアフィリエイトサイトであるため広告を掲載しています。

薬局ウラ事情

処方箋をだすと医薬品を郵送してくれる薬局が登場。零売薬局に続いてまたしても新しいビジネスモデル誕生。

処方箋だけだして医薬品はのちほど郵送してもらうサービスってありですか?

これできたら薬局におけるメリットは大きいと思いませんか?時間がかかるものは処方箋だけもらってヒマな時間に準備してできたら郵送です。患者は待たずにすむし、薬局は混雑時の重たい処方を回避することができるので、まさにwin-winだから需要はありそうです。

実は、医薬品の配送サービスって「あり」なんですよ。ちょっと前までは「郵送はグレーゾーンで違法なのでは?」といわれて率先してはできなかったけど、いまはグレーゾーンが解消されて郵送は違法ではないとう解釈が経済産業省がでたので大々的にできるようになりました。

もうねぇ、「処方箋のおくすり郵送します」って店頭にデカデカと広告してもいいし、外に「配達はじめました」ってのぼり旗をたててもかまいません。ドラッグストアなんて「のぼり旗」たてるの得意でしょ?

調剤薬局もAmazonで売ってますよwこんなのたててもいいんですよw

もちろん、いくつか守らなければいけないルールは存在します。

今回は医薬品郵送のメリット・デメリットを考えます。郵送薬局を作るのもいいとおもいますが、普通の薬局が要所で郵送をつかうのもとっても効果的だとおもいます。

スポンサーリンク

経済産業省の医薬品郵送の見解

2017年9月15日経済産業省は薬剤師が薬剤調製前に患者に必要な確認や服薬指導を行った後であれば、調剤した薬剤を配送するサービスを行っても医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触しないと明示した。

「グレーゾーン解消制度」は、事業に対する規制の適用の有無を、事業者が照会することができる制度です。おそらく郵送を主とする薬局を展開したいという事業者がいてこれを問合せたのでしょう。

経産省の回答ページはこちらです。

参照薬局における待ち時間を短縮する薬剤の販売方法の導入に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の取り扱いが明確になりました~産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」の活用~(経済産業省)

これによると「薬剤の調製を行う前に、薬局において薬剤師が対面で指導等を行うとしていることから、医薬品医療機器等法律第9条の3第1項の規定に抵触しない」と回答したそうです。

これで薬局における患者の待ち時間短縮のための新たなビジネスモデルの確立が期待されます。

患者は、処方箋を薬局にあずけて薬の準備を待たずして帰れるというメリットがあります。

でもね、患者の時短を目的とするなら「病院 → 薬局へFAX」で事前に準備してもらって薬局ですぐに受け取って帰ったほうがたぶん時短だとおもう。処方箋を提出しにどうせ薬局によるなら、そのついでにもらうのが一番早いに決まってますよね。

おくすり郵送の具体的な流れ

上記でフローチャートのせたけど、それよりもリアルな状況を想定してみる。

現行モデル

処方箋を預かる → 入力&薬剤準備 → 服薬指導 → 会計

新モデル

処方箋を預かる → 入力 → 服薬指導 → 会計

比較してみると「現行モデル」と「新モデル」もたいして変わらないのがわかりますね。違いは薬剤の準備があるかどうかなんだけど、薬剤の準備って処方箋の情報を入力している間にほとんど終わっています。

つまり、ほとんどの人は郵送の手続きをとる時間でもう準備が完了しています。郵送でメリットのある人は入力時間のあいだに準備が終わらないような人たちです。

たとえば長期の一包化大量の粉薬などです。こういった人たちに関してはメリットがあるでしょう。

郵送を選んでもさほど時短にならない要因は”会計”にあります。処方箋をポンとおいてそれで帰宅なら簡単なんだけど郵送する前にお代をもらわないといけない。お代は、処方箋の内容を入力しないとわからないので、どうしても省略することができない。会計はあとにするWEB決済って手もあるけど、ここまで導入する店舗はすくないとおもう。

郵送するにしても服薬指導は省略できません。調剤薬局の一番の仕事は薬の説明なんだからこれ省略したら調剤薬局の存在意義を否定することになりますよね。

よって、待ち時間短縮するにしても限度があり、郵送をえらんでも待ち時間は発生します。

薬局が郵送を提案するメリット

  • 忙しい時間帯の業務の収集を分散できる
  • ヒマな時間帯に作成できる
  • 落ち着いて作成できる
  • 予製しなくて済みつくり直しやロスがなくなる

郵送もしくは配送も可能です。郵送だけでなく人員に余裕があれば自社で配送してもかまいません。

配送を提案する薬局のメリットは忙しい時間帯の業務負荷の分散が一番の目的になります。

薬局の忙しさは、近隣の病院の営業時間によりますが概ねピークは10時~12時、15時~18時といったところでしょう。

この時間帯に重たい処方箋持ってこられると、いま待っている人たちすべての人に待ち時間に延長が生じます。この重たい処方箋1枚だけあとにずらすことができたら、薬局の人・待ってる人みんながハッピーになれるわけです。

待ち時間が長いと患者の満足度低下&リピート率の低下につながります。また薬局スタッフも忙しくなるとミスが増える傾向にあります。とくに重たい処方箋は落ち着いて調剤する必要があります。

でも、せっかくもってきてくれた重たい処方箋の人を無下にする訳にはいきません。重たい処方箋の人は「高単価」&「リピーター」だからです。そこで、満足度を低下させることなく、逆にアップさせることができるのが郵送です。

ピーク時間の作成は外せたとしてもいずれにせよ作らないといけない。

パートのおばちゃんってやることないとおしゃべりがうるさかったりボーっとしてたりします。時間給ですからね。ボーッとしてても給料は同じです。

こういうムダな時間にピーク時にうけながした重たい処方箋の調剤をしてもらえばムダな時間を有効活用できます。

重たい処方への対応というと「予製」があります。この「予製」というシステムは患者の処方が次回も変わらないであろうという前提のもと先に準備してしまうことです。場合によっては先に一包化調剤までしてしまいます。ずっと同じ人だって病状の変化でちょいちょい内容がかわるんです。

作り直しになるのでバラした錠剤がでてきてしまいます。だいたいは使い道ないので破棄することになります。

予製をする理由はもちろん患者を待たせないようにするためです。もし、予製の人と郵送契約を結ぶことができれば、もう予製する必要がなくなります。

もしご近所さんであれば「配達」してもいいですよね。ちなみに、配達する場合は薬剤師でなくても事務員でも行うことができます。だって、郵便屋さんも薬剤師じゃないでしょ。

処方箋薬を郵送するための条件

  • 薬剤の緊急性がないこと
  • 安定性が担保されていること
  • 疑義が解消していること
  • 患者の同意がえられること
  • 服薬指導が完了していること
  • 上記を総合的に判断して薬剤師が問題ないと判断した場合

処方箋をうけとって郵送を希望された時点で、郵送の可否をまず判断することになりそうです。受付時に判断しないと薬の準備にとりかかってしまってますからね。

その判断基準でもっともわかりやすいのが今使っている薬で「手持ちがあるかどうか」です。郵送すると手元に薬が届くまでに時間がかかるので緊急性があるものは受けることができません。

いろんな条件があるけど郵送が想定される一番のケースは一包化の定期処方でしょう。毎回同じだけど、待ち時間がどうしても長くなってしまうものです。

ということで、郵送が想定されるケースは常連さんがほとんどになります。

服薬指導は先にします。現物がないので「薬情」をベースに説明することになるでしょう。従来の投薬では、現物を患者とくらべながら間違いがないことを確認しながらわたします。あれが足りないとか、あれが余ってるとかの気づきにつながりますが、現物がないぶんこういった気づきは減ります。

患者と現物を見比べることができないのがデメリットですね。

ただ、郵送の条件を「DO処方のみ」と限定すれば処方箋内容が前回と同じであることさえ確認すればいいのでミスはへります。患者にも医師との話で変更する話がなかったかどうかはよく確認するといいでしょう。

配送コストはだれが負担するの?

近隣なら配達してしまったほうが楽だし低コストの場合もありますね。配達に関しては薬剤師がする必要はないので事務員が複数いる薬局ならヒマな時間帯の事務員で配送を担当するということもできます。

原付バイクを会社で準備してくれると配達が捗りますよね。

配送コストは患者負担でもいいし、条件をつけてサービスにしてもいいとおもう。全部配達は無理なんで、いままで配達する必要がない人たちが配達を希望してきたら大変です。

配達条件を設定する例

  • 配達地区を近隣に限定する
  • 技術料が高単価な処方箋だけにする
  • 一包化調剤(粉砕・散剤)で長期日数だけにする

配達地区は限定してその地区を越えるぶんには郵送して着払いでいいでしょ。無料で配達するのであれば「高単価」なものに限定するべきでしょうね。

高単価というのは「技術料」をつかうのがより現実的です。「技術料400点以上に限り無料」みたいな感じです。薬剤料だけ高くても薬局のとりぶんがすくなければ意味がないですからね。

もしくは、無料配送するのは「一包化調剤」の30日以上に限定するとか。待ち時間がながくなるものに限定すべきだとは思う。すぐそろうものを配送希望されても大変だからこの辺は有料にでもしておきましょう。

大々的に「配送サービス」を売りにしていくなら有料にしないとたちいかなくなるでしょう。重たい人だけをターゲティングして薬局から提案するぶんには無料でもいいとおもう。ほぼ薬局都合による配送ですからね。

処方箋をわたせば郵送してくれる薬局の紹介

おくすりカウンター 神田店

これからこういう薬局増えていきそうですよね。店の外で「配達たまわります」ってデカデカと宣伝すれば、それ目当てで患者が増えるかもしれません。

上記の薬局は駅前で8:00~22:00で営業しています。出勤前もしくは仕事帰りに処方箋をだしてもらって郵送するのが狙いでしょう。

スマホの受付もしてるのが便利ですね。とにかく早くもらえるシステムが整っています。こちらの薬局は「郵送」と「スマホ受付」をアピールしてるので特殊な薬局のようにおもえますが、このシステムに関しては普通の調剤薬局でも導入できますよね?

普通の薬局でもあれば便利なので是非導入してみてはいかがでしょうか?

おすすめ記事処方箋なしで病院の薬が買える薬局を紹介するよ

-薬局ウラ事情

© 2024 調剤薬局事務の仕事 Powered by AFFINGER5