今回は、処方箋がなくても病院の薬が購入できるという珍しい薬局を紹介します。
以前から処方箋なしでも病院の薬が買える薬局って存在してたんだけど、地方にしかなくって都内では買いに行くことができませんでした。しかし、満を持して、東京都にも「病院の薬が買える薬局」が登場したのでまとめて紹介したいと思います。
いまある、処方箋なしで医療用医薬品が買える薬局はたぶんこの3つだけです。*現在はもっとある。
病院の薬を処方箋なしで販売することについて調剤薬局の薬剤師らはかなり批判的なんだけど、わたしはすごくいいと思います。
だって、ここに買いに行く人はすべて自費だから国の社会保障費を消費することがないんです。国は医療費抑制のためにOTC医薬品(一般用医薬品)の使用を推進してるわけだから、それと同じで、むしろ推進すればいんじゃないのって思います。
「PL顆粒、リンデロンVG、プロペト、ヒルドイドソフト軟膏、シナール錠とか」このあたりを売ってあげたらムダな受診がなくなってガンガン医療費の削減になるとおもいます。
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批判する薬剤師や医師は処方権や調剤権とかの既得権益を侵害されるから、なにかと理由つけて反対しているだけです。
処方箋なしで薬を販売されたら患者の受診回数が減っちゃうから医者がこまります。それにともなって調剤薬局は処方箋の受付回数が減って減収しちゃいますね。
医師や調剤薬局の薬剤師はスゴく嫌がるけど、反面、患者側からの需要は高い。処方箋なしで薬が欲しいという問合せ3日に1回くらいのペースできますからね。
よく知っている薬であっても医療用医薬品が欲しい時には、必ず、診察代払って、薬局代払って、時間を使って、薬をもらわなくてはならない。よく知っている薬だけもらうなら馬鹿らしいですよね。
医療用医薬品はOTCよりも効果が強力だから安易に販売するべきではないなんて意見があるけど、医療用医薬品にだって効き目が強力なものもあれば、緩やかなものもあります。強力なものは販売ムリでも、OTC化しているような効き目が穏やかなものに関しては販売してあげても差し支えないとおもいます。
まして、販売するのは薬剤師です。それも薬局で患者情報を記録して、薬歴のような記録も作成して販売します。コンビニで登録販売者が接客するだけとはわけが違います。
個別販売できる医薬品って品目が決まっていてOTC医薬品として販売されている成分がそのほとんどを占めます。OTCを販売することとさほど変わりありません。なかには「ミドリンM」「リズミック」といった特殊なものもあるのですが、こんなの売らないし、誰も買う人いないでしょうね。
この「病院の薬が買える薬局」で、売れ筋になるであろう商品は「PL顆粒、リンデロンVG、プロペト、ヒルドイドソフト軟膏、シナール錠、ロキソニン錠、ケナログ軟膏、湿布類、ビタミン類、鼻炎薬」とかでしょうね。ほとんど同じような商品をOTCで購入できます。
上記であげたものがOTCよりも危険であると言えるものありますか?
「ロキソニン錠」がOTCのロキソニンSよりも危険ということはないとおもいます。モーラステープが光線過敏危険?でも、市販にもケトプロフェンのパップあるので、それと比べてモーラスの方が危険ということはありますか?
登録販売者が販売できるような製品を薬剤師が薬歴つけて売るのだから、問題ないはず。
同じようなもので、対応できるならOTCと思うかもしれないけど、わがままな患者は代替品では納得しないんですよね。もう完全に同じものがほしんです。医師が処方している薬というプレミアム感が欲しいんですよ。そんな理由でムダな受診が増えて医療費がかさむくらいなら診察なしで売ってあげることはむしろいいことだとおもう。
診察して「シナール + トランサミン + ヒルドイド」を美容に使ってる保険処方箋みると怒りを覚えます。こんなんで設けている医者もいるのだから、これはもう薬局に任せるべき案件だとおもう。何はともあれ患者も嬉しいし、受診回数が減って国も嬉しいしウィンウィンなのだから、もっと沢山出店できるように国で法整備をすればいい。
現行法律だとダメではないけどグレーな位置ずけなので率先して出店できない。もし、現状のグレーがブラックだったと判断されたら運営ができなくなってしまうから出店リスクが高い。
といっても、医療費を圧迫しない薬局なんだから、これから推進はあるにせよ規制されることはないと個人的にはおもう。
医療用医薬品の販売についてはこちらの記事でかなり詳しくまとめました。
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何がグレーゾーンなのか?
まず医療用医薬品って原則は処方箋でわたすことって行政通知が出ていて、やむおえない場合は必要最低量を販売できるみたいな規定になっています。
だから、やむおえない場合ではなく普段から業として販売するのはどうなの?ってのと、必要最低限の量の制限を無視して箱単位で販売してもいいのか?ってのがある。
ただ、これで規制しているのって行政通知なんです。だから、法律で規制されているわけではないんです。
通知に反したからといって直ちに違法となるわけではなくって、あくまでも行政はこのように解釈しているというだけであって、実際に違法かどうかは裁判所が決めることなのです。
医療用医薬品の広告していいの?
医療用医薬品は医療従事者(医師や薬剤師など)にしか広告してはいけなかったはずなのですが、ホームページみると商品名と写真だして値段までつけられるている。
これは広告に該当すると思うんだけど、いいの?
これもさっきのグレーゾンの話と同じです。
医薬品等適正広告基準(外部リンク:PDF)
医療用医薬品等の広告の制限
医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によつて使用することを目的として供給される医薬品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないものとする。
ただ、これも行政通知なので法律ではありません。薬事法では医薬品の誇大広告は禁止していますが、一般の人への広告を禁止する記載はありません。
ということで、これもグレーゾーンです。「通知」に反してもただちに違法とは言えないので、やっぱり違法かどうかは裁判所でしか判断できない。
調剤薬局が医療用医薬品の個別販売(零売)しない理由
零売専門店を特別な店として紹介したけど、じつは調剤薬局であれば、どこでもこの医療用医薬品を販売できる。
ただ、めんどくさいし、処方箋がくるなら処方箋の方が儲かるからです。医療用医薬品の販売がもうからないなら出店するとこなんてないはずですが、現に3店舗ほど出店しているので、利益はでるはずです。
だったら、なぜ既存薬局はやらないのって話になるんだけど、医療機関へのしがらみがありますよね。保険薬局は病院からくる処方箋によってなりたつので、医師の許可無く医療用医薬品を販売したことが医師の耳に入ったら医師はいい顔しないはずだ。営業妨害だと捉えられるかもしれない。それを考慮してOTCを置かない薬局さえもある。
最悪、もうあなたの薬局には処方箋だしませんよーなんてことになる。
だから、しがらみのある保険薬局ではできないんです。やるなら完全面分業の店か、もしくは保険薬局の指定はとらないで完全に零売にのみ専念するかです。
販売できる薬できない薬
原則、市販薬に使われている成分と同じ成分の医療用医薬品は販売可能です。
販売可能な医療用医薬品の例
PL顆粒
ピーエイ配合錠
ビタメジンカプセル
メチコバール錠
シナール錠
ノイロビタン錠
フラビタン錠
ピドキサール錠
ハイチオール錠
ロキソニン錠
カロナール錠
ポンタールカプセル
ツムラ漢方薬全般
クラシエ漢方薬全般
ヒルドイドシリーズ
ビーソフテンシリーズ
副腎皮質ステロイド軟膏全般
アンテベート軟膏
デルモベート軟膏
リンデロンVG軟膏
キンダベート軟膏
アルメタ軟膏
ロコイド軟膏
マイザー軟膏
ジフラール軟膏
テクスメテンユニバーサルクリーム
フロジン外用液
アズノール軟膏
ゲンタシン軟膏
風邪薬全般
リンコデ錠
メジコン錠
フスコデ錠
カフコデ錠
トランサミン錠
プロマックD錠
フルナーゼ点鼻薬
アレロック錠
アレグラ錠
ジルテック錠
ゼスラン錠
ポララミン錠
アストミン錠
ムコダイン錠
ムコサール錠
ムコソルバン錠
アスベリン錠
アズノールうがい液
ウルソ錠
グリチロン錠
プロヘパール錠
ルリコンクリーム
アスタットクリーム
ボレークリーム
ラミシールクリーム
ゼフナートクリーム
ヒアレイン点眼
ソフティア点眼
サンコバ点眼
ティアバランス点眼
パタノール点眼
フルメトロン点眼
オドメール点眼
カリーユニ点眼
ガスコン錠
ムコスタ錠
ガスモチン錠
ガスター錠
ナウゼリン錠
ブスコパン錠
プリンペラン錠
アローゼン顆粒
あげるとホントきりがない。これでもホンの一例です。ダメな薬の代表例も軽くあげときますね。
ノルバスク錠
アムロジン錠
ミカルディス錠
クレストール
リバロ
メバロチン
イグザレルト
アマリール
ジャヌビア
エクア
ザイロリック
クラビッド
フロモックス
メイアクト
クラリス
もう少し詳しく別の記事で一覧表にまとめてみました。