先日、ツイッターで塗擦と塗布をちゃんと区別しないとレセプトで切られるかもしれないという情報が拡散して話題になっていました。もとになったツイッターはこちらです。
「薬剤師会から、NSAIDの塗り薬の用法は『塗擦』なので、『塗布』では今後査定される可能性がある、といった趣旨の案内が届いた」と、門前さんに教えてもらったけど、クソどうでもいい。— リンコ (@manabunoda) 2017年5月31日
うちの薬局では塗り薬は一律で「塗布」にしているので、いい機会なのでちょっと見直して見ようと思う。
そもそも、塗擦と塗布って何がちがうの?
これは権威ありそうなところから引用しておきます。
Q6軟膏やクリームはどのように塗ればいいの?
軟膏やクリームは塗り方によっても効果に差がでることがあります。軟膏やクリームの塗り方は優しく伸ばして塗るだけの『塗布』と、『塗擦』と呼ばれて擦り込む方法があります。多くの軟膏やクリームではステロイド外用剤のように擦り込まず、『塗布』します。これに対し、スキンケアに使用する保湿剤や、筋肉痛に使用する消炎鎮痛剤では擦り込むように塗ります。筋肉痛に使用する消炎鎮痛薬では擦り込むことによって、体内に吸収されやすくなり、より高い効果が得られます。ただし、あまり強く擦り込むと皮膚にダメージを与えてしまうので、優しく繰り返し塗り込むようにして下さい。どのように塗ればいいのか解らない場合には医師や薬剤師に確認して下さい。
つまり、
塗擦:擦り込む
塗擦:保湿剤、消炎剤
と、こんな感じですね。
では、頑張って一覧表でもつくってみようかな。今回はけっこうな力技になりそうです。方法は、添付文書検索の効能効果検索で「塗擦」で絞り込みます。さらに「塗布」は除外します。
「塗布」を除外することで、効能効果で「塗布または塗擦する」みたいなどっちでもいいものを除外します。完全に塗擦しか適用がないものを抽出するのです。
まぁ、貼付はあってもいいかな、あえて除外しませんでした。たとえば、サトウザルベの「患部に塗擦又は貼布する。」とかですね。
塗擦「専用薬」 |
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インテバンクリーム/軟膏 |
オキサロール軟膏/ローション |
グリテール |
ケラチナミンコーワクリーム |
ザーネ軟膏 |
サトウザルベ軟膏 |
スチックゼノール |
スミルスチック |
セクタークリーム/ゲル |
ゼスタッククリーム |
ナパゲルンクリーム/軟膏 |
パスタロンクリーム/軟膏 |
ビーソフテンクリーム |
ヒルドイドゲル/クリーム/ソフト軟膏 |
フェンデル軟膏 |
ボルタレンゲル |
ロキソニンゲル |
亜鉛華単軟膏 |
亜鉛華軟膏 |
塗擦専用薬は意外とすくないもんですね。作ってみたはいいけど、とくに言及すべきことはないんだけど…。
無理矢理にでもなんかかいてみるか。まず、特筆すべきはヒルドイドソフト軟膏・ヒルドイドクリームですね。
まさか、これが「塗擦」だとは、いままでずっと塗布で入力してきました。たしかに、上記でかいた「塗擦:保湿剤、消炎剤」に該当していますよね。でも、ヒルドイドローションは塗布なんです、だから、ビーソフテンローションもリストにないですよね?あれも塗布だからです。
厳密にやるとヒルドイドクリームやヒルドイドソフト軟膏はちゃんと「塗布」できたら疑義照会しないといけないということになりますが、いまのところはレセプト引っかかったことないので大丈夫だとおもいます。引っかかったら、疑義していく他ないですよね。
だとすると、
アンテベート軟膏
混合 1日2回塗布
これもちょっと微妙になってきますよね。念のため問合せときますか?本当に塗布でいいんですか?塗擦じゃなくて?
いいんですか~?いんですか~?いいんですよ♪いんですよ♪
ステロイドはどれも塗布だから入っていませんが、オキサロール軟膏とローションが入っていますね。ローションは塗布だとおもったらものによっては塗擦の場合もあるってことですね。
ロキソニンゲルやボルタレンゲルは塗擦です。ドラッグストアで働いていたときはゲルはすり込むとボロボロ垢みたいになるから、すり込まないように指導するように習っていましたが、技術の進化ですりこめるゲルに進歩を遂げたのでしょうか。もしくは、教えが違っていたのでしょうか。よくわかりませんが、添付文章には塗擦とかいてあるということは事実です。