薬局内からJANコードがなくなって徐々にGS1コード(GS1-RSS)に切り替わっています。
コードを切り替える背景としては、医薬品の取り違え事故の防止や、トレーサビリティの確保、医薬品の流通の効率化のためとか言われてます。
このGS1コードを使用するメリットは、従来のJANコードよりもコード内に格納できるデータ量が多く、バーコード内にロットと有効期限まで格納できる。
GS1コードの構造から
通常薬局内で取り扱うGS1コードは箱とPTP単位での包装で使用される二種類です。あと、卸なんかでよく扱うダンボール単位での包装でもう1種類ある。
全部で7種類くらいあるみたいなんだけど薬局内でよく取り扱う2種類だけをみていく。
どちらもGS1-RSSってコード
・二次元バーコード(GS1データバー限定型合成シンボルCC-A)
この2種類です。
まずは基本になるのが一次元バーコード(GS1データバー限定型)です。これはJANコードとほとんど同じものだと思っていい。JANコードが13桁の数字の羅列なのに対してこのGS1データバー限定型は14桁の数字の羅列だから情報量としてはほとんど変わらないのだ。
で、情報量が多いのは二次元バーコード(GS1データバー限定型合成シンボルCC-A)ですね。これはさっきの一次元バーコード(GS1データバー限定型)の上に更に二次元バーコードをのっけた二段階構造のバーコードです。のっけた分情報量が多くなってます。
多くなってる分に製造番号(ロット)と使用期限をいれたのだ。
2次元バーコードになるとアルファベットまで格納できるから製造番号のアルファベットを表現できるようになった。一次元だと数字のみが限度みたいですね。
では、今回はこの二次元バーコード(GS1データバー限定型合成シンボルCC-A)の読み方を説明したいと思う。
これリピトール錠のコードです。
JAN:4987233028543
GS1(1次元):(01)14987233028540
GS1(2次元):(17)171200(10)N002N01(01)14987233028540
ロットや期限が記載されているのはGS1データバー限定型合成シンボルCC-Aだから二次元バーコードの方ですね。
読み方は簡単です。
最初の(17)の後に期限が来ます。171200は17年12月までの意味です。最初の(17)は共通の数字です。
次に、(01)とくるがこの直後に来るのが製造番号(ロット)です。ここだけアルファベットが記載されているのでわかりやすいですね。
ってことで、大雑把にいうと「(17)期限(10)ロット(01)商品コード」このような作りになってるわけです。
これで、コードの下に書いてある数字だけで期限やロットを読み取れるようになりましたね。
簡単でしょ?
では、これでPTPに書いてあるバーコード(数字)から期限やロットを読み取ることができるのでしょうか?
これができたら患者がもってきたPTPをみて、この薬の使用期限はYYMMDDですなんてすぐに伝えられるので有用だと思います。
しかし、残念ながらそれはできません。
というのも、
PTPに使用されているGS1コードってGS1データバー限定型の一次元バーコードだからロットや製造番号が含まれていません。
だから、PTPをスキャンすることでわかるのは商品コードくらい。つまり、商品名くらいしかわからないのだ。
あんまりPTPのバーコードには期待できませんね。PTPのバーコード導入で期限やロット管理が楽になっていくとおもったら大間違えです。
繰り返すけど、PTPバーコードには期限も製造番号も入ってませんから。
だから、PTPバーコードの主な用途は調剤監査システムなのかなとかおもった。ミスゼロ子的なやつね。
レセコンで出力したエヌシップスの医薬品データとピッキングしたヒートの医薬品データが一致するかスキャンして確かめる用みたいな感じかな?
さてと、PTPはこんな感じだけど、箱のほうだとどうだろうか。
薬局内の箱見てもらえばわかるけど、
100錠とかの包装の箱にはGS1データバー限定型合成シンボルCC-Aが使われていることがあるが、まだまだGS1データバー限定型の方が多いみたいです。
まぁ、箱のバーコードで期限やロットわかるのはいいと思うけど、別に読み取らなくても箱に書いてあるからね。
手動で医薬品の期限を入れている薬局だと、スキャンで期限がはいるなら楽になるかもしれない。
でも、いまどきは卸からとんでくるメディコードってデータに期限もロットもはいってるから手動でいれることはほとんどないんだな。分割購入したものは手動で入れるけど、分割購入したPTPのバーコードはさっき述べたとおりで期限の記載はないものだから意味ない。