調剤薬局には処方箋の応需義務というのが存在します。
薬剤師法
つまり、
処方箋をもってこられた場合は、受付で拒否することは出来ないのです。
といっても、もってこられた処方箋に書かれている薬を在庫していない場合もありますよね。
ジェネリック医薬品が普及しつつある昨今でジェネリック医薬品のメーカー指定なんか来た日には、ほぼ在庫していることはありません。
ただ、応需義務の縛りがあるから在庫なしを理由で処方箋を断ることは出来ないので、薬をお渡しする努力をしなくてはなりません。
土曜の午後なんて、卸やってないから頑張ってもできることはたかが知れてますよね。
この時は、今直ぐにはお薬は渡せないけど、受け付けて後日にお渡しすることを提案します。
こちらから、拒否はしないかわりに、患者に他へ行くのか、待つかの選択を提案するわけです。
面倒な薬がきたら拒否すれば簡単なんだけど、それは法律違反なのです。
もし在庫なしで拒否されたらとんでもない薬局なので法律違反を指摘しましょう。
~追記~2015年3月28日
ちょっとひらめいたので追加で書いてみます。
タイトルに「調剤薬局は処方箋の受付を拒否できない」と書いてしまったのですが、その根拠が薬剤師法だけであれば、拒否できないのは薬剤師であって、調剤薬局ではないのかもしれない。
つまり、事務員であれば拒否できるのではないでしょうか?薬剤師法に事務員は関係ないですからね。
そう思って、薬事法で「処方箋」の語句の記載がある条文さらってみたのですが、応需義務の記載はなさそうです。
政令や施行規則までは読んでないからわからないんだけど、もしかすると事務員だったら拒否できるのかもしれない。別に拒否するつもりはないんだけど、気づいてしまったので書いてみた。実際のところはどうなんだろ?
~追記~
2014年6月12日改正薬事法施行
情報の提供又は指導ができないとき、その他同項に規定する薬剤の適正な使用を確保することができないと認められるときは、当該薬剤を販売し、又は授与してはならない。
2014年に改正薬事法が施行されて追加になった項目があります。それが上記に示した、薬事法第9条の3です。
この条項には薬を適正使用が確保できない時にはわたしてはならない旨が記載されている。法律にわたしては行けないと書いてあるので、これは当然、処方箋応需を断る正当な理由に該当するのです。
つまり、
安全な薬の使用ができない時は処方箋応需を断ることができる。
例えば、飲んでいる薬がわからないとか、アレルギー歴がわからないとか、本人じゃないとか、このあたりの理由で拒否できることになる。
ただ、拒否するときは、最低限度の努力はしたあとでないとならない。たとえば、患者宅に電話するとか、処方元に問い合わせるなどはできるはずである。
安易な理由で調剤拒否できるようになると、薬局が患者を選ぶことになりかねない。そうすると、すべての人に平等に医療が提供でいないことになってしまう。
ここで問題になっているのが、
お薬手帳だ。お薬手帳がないと理由で調剤拒否する薬局があるそうです。
これは「薬剤の適正な使用を確保すること」という理由で拒否しているのでしょう。
もしかすると、薬剤服用歴管理指導料(手帳あり):41点が取りたいがために拒否しているのかもしれません。
一度、手帳がないという理由で断れば次回から必ず手帳を持ってきてくれるだろうという計略です。
ただ、自分であれば、こんな理由で拒否された薬局にはきっと二度と行きたくない思います。
経営者の考えか、現場の考えかはわからないが、どちらにしろ浅はかである。
目先の利益だけを追求した結果もっと大きなものを失っていることに気づくべきである。
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