処方箋

調剤済みの処方箋の取り扱いについて

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調剤済みの処方箋って邪魔で邪魔で仕方ないと思うのですが、みなさんどのように処理されていますか?

店それぞれで全然違うのとおもうので、参考までにうちでやってる方法を紹介します。ちなみに、最近レセコンを変えてスキャナーを導入したので保管方法が変わってしまったのでスキャナー導入の前後2パターンで説明します。

スキャナーなしパターン

たぶん、うちの薬局はわりとめんどくさい部類になるとおもう。

①調剤録と処方箋をホチキスでとめる
②受付番号順にならびかえる
③抜けがないかチェックして抜けてるとこに付箋をつける
④束ねて日付ごとに保管

めんどうなのが受付番号順に並び替えです。複数薬剤師が処方箋を抱えているので順番がめちゃくちゃなのです。日々、並び替えで毎日30分くらい時間を浪費しています。

この並び替えをやっとかないと返戻や患者や病院からの問い合わせが来た時に原本を確認しようと思ってもすぐに見つけることができない。

原本の確認が必要な時は病院や患者からの問合せなど緊急を要することが多いので、いざってときにすぐに見つけ出せるように受付番号順にしています。

患者名をがわかればレセコンで受付番号を検索して、そこからすぐに探すことができます。

受付番号順にならべるもうひとつのメリットとしては、連番になっていないとおかしいので処方箋の抜けにも気づくことができます。ただ、抜けてると探すのがすごく大変なので、いっそ気づかなければよかったとおもうことの方が多い。

あと、処方箋だけおいて何日も薬を取りに来ないことってよくあると思うのですが、後日、投薬がおわったあとに、すでにしまった処方箋の束に受付番号順になるように戻すのは超めんどくさい。

スキャナー導入後のパターン

レセコン新しいのに変えたらスキャン機能がついたのでスキャナーで処方箋と裏打ちを取り込むようになりました。

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スキャナーを導入する最大のメリットは、処方箋の画像が薬歴から簡単に見れるようになることです。処方せん画像が簡単に検索してみられるのでいちいち処方箋の原本を取り出してみる必要がなくなります。原本を確認する必要がなくなるので、いちいち原本を探しやすくするために並び替える必要がなくなります。

完全に日付毎に分ける必要もないとおもいます。ちょっとくらい他の日付のが混ざってても束ねてしまって大丈夫です。だって、画像にしたら原本探す機会はほとんどないですから。

原本が必要になるのは、厚生局にお呼び出しされたときにもっていくくらいです。他はスキャンした画像で事足ります。

並び替えがなくなったぶん仕事は楽になったかのように思えますが、意外とスキャンも時間かかるからそこまで楽になったって感じはしません。処方箋って紙のサイズが決まってないのが厄介で用紙のサイズがでかいときは設定変えてスキャンしないといけない。

受付日ごとに取り込むので受付日が違ってるものは別けないとダメ、処方箋や調剤録が2枚組になってるのもわけとかないとスキャンできない。つまり、条件が多すぎてスキャンがめんどい。

ってことでスキャンもイライラするし手間は並び替えとたいして変わらない。ただ、取り込むことによって原本確認が簡単になるので導入価値は十分にあります。

そして、スキャンしてしまえば大量の処方箋を薬局内に保管しておく必要もなくなります。

新患アンケートの保管について

処方箋は薬剤師法に保管義務の条文があるので最低でも3年は保管しなくてはなりませんが、新患アンケートは法的に規定されたものではなく、便利なので書いてもらっているというものなので保管義務はありません。

スキャナーがなかったときは心配なので半年くらい保管していましたが、どうしても場所をとるので長期に保管することはできません。レセコンにアンケート情報をすべて入力するのですが、やはり何かあった時のために原本は確認できるようにして置きたいものです。個人的には半年保管だと短すぎると思います。

新患情報が入力したデータではダメな理由として、もしも医薬品の使用において患者に健康被害が出てしまった場合においては、患者自身が副作用歴や併用薬をどのように自己申告していたのかがポイントになってきます。薬剤師が薬歴にいれたことがホントに患者が言ったことなのかどうかは言った言わないでもめても結論はでません。その点アンケートは患者自身が記載するものなのでもっとも信ぴょう性の高い証拠となる。

やっぱり、患者アンケートこそスキャナーで取り込むべきだとおもいます。取り込んだらその場でシュレッダーしていいので場所をとることもありません。

調剤済み処方箋の保管に関して

処方箋の保管は3年と決まっていますが3年分の処方箋を店舗内に保存するのは大変です。月2000枚の処方箋応需だとしたら、年間で16000枚ですね。調剤録と合わせると32000枚です。3年にすると約百万枚になります。高さにして100mです。100mの処方せんとか超邪魔ですねよね。

原本はすぐに見ることができる状態が望ましいので原則は薬局内保存なのですが、無理なときは外部保存して構いません。その外部保存について厚生労働省からの通知がでているので参照しておきます。

「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について
厚生労働省通知(薬食発0325 第9号)

原則

調剤済み処方箋の保存については、電子媒体により、薬局以外の場所で行うことを可能としたこと。また、基準を満たす場合には、紙媒体の調剤済み処方せんの保存についても、薬局以外の場所で行うことを可能としたこと。

ということで、電子媒体でも紙媒体でもどちらでも外部保存することができます。

紙媒体のままで外部保存を行う場合

(1) 第1に掲げる記録が診療の用に供するものであることにかんがみ、必要に応じて直ちに利用できる体制を確保しておくこと。
(2) 個人情報保護法等を遵守する等により、患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護が担保されること。
(3) 外部保存は、診療録等の保存の義務を有する病院、診療所等の責任において行うこと。また、事故等が発生した場合における責任の所在を明確にしておくこと。

ということで、薬局の外で保管することは可能なのですが「直ちに利用できる体制の確保」が必要です。この「直ちに利用」が何を指すの分かりませんが、近くに置いといてすぐとりに行ける状態を意味するなら厳しいですよね。近隣のアパートの一室を借りるとか?でもセキュリティーが心配です。

思うに、スキャンしていつでも画像を確認できる状態にしておけば「直ちに利用」でいいと思うのですがあいまいです。

電子媒体により外部保存を行う場合

  • (1) 記録の真正性、見読性及び保存性の確保を満たさなければならないこと。
  • (2) 電気通信回線を通じて外部保存を行う場合にあっては、保存に係るホストコンピュータ、サーバ等の情報処理機器が安全な場所に置かれるものであること。
  • (3) 個人情報の保護に関する法律等を遵守する等により、患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護が担保されること。
  • (4) 外部保存は、診療録等の保存の義務を有する病院、診療所等の責任において行うこと。また、事故等が発生した場合における責任の所在を明確にしておくこと。



電子媒体により外部保存を行う際の留意事項

  1. 外部保存を行う病院、診療所等の管理者は運用管理規程を定め、これに従い実施すること。
  2. 1の運用管理規程の作成にあたっては、「民間事業者が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」の第三に掲げられている事項を定めること。

難しいことがたくさん書いてありますね。事前に運用規定をつくってから運用をスタートしないといけないので簡単に始められるようなものではないです。少なくともいまある処方箋を買ってきたスキャナーで取り込んだからといって要件を満たすことはできません。

よくわかんないけど、要件を満たせば3年未満であっても処方箋を破棄して画像で保管してもいいってことですよね。

ただ、薬局個人の判断で行うのはあまりにも危険なのでレセコンに機能が備わっていてレセコン会社主導でやるのがいいとおもう。破棄したら厚生局とかの呼び出しのときに持っていけないけどいいのかな。

一応ガイドラインのQ&Aもみておく

Q-59
① 診療録等をスキャナで電子化した場合、原本の取扱いはどのようにすべきか。
② 電子化された場合、法定保存年限を経過した文書も保存すべきと考えるべきか。

A 「9.1 共通の要件」の記載にしたがって電子化し、電子化されたものを保存義務のある対象とする場合は、スキャンされた原本は個人情報保護の観点に注意して廃棄しても構いません。しかし、電子化した上で、元の媒体も保存することは真正性・保存性の確保の観点からきわめて有効であり、破棄を義務付けるものではありません。また、法定保存年限を経過した文書の保存期限は、各医療機関で規定することとなります。
参照:「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.1版」に関するQ&Aより

破棄しても構わないと書いてありますが、やっぱ3年くらいなら保管しとくのが安心だと思う。

おまけ

処方箋は3年保管のものと5年保管のものがある

処方箋の保存期間は原則3年なのですが、他に関連する法律がある場合はそちらにも従う必要があります。

薬剤師法

(処方せんの保存)
第27条 薬局開設者は、当該薬局で調剤済みとなつた処方せんを、調剤済みとなつた日から3年間、保存しなければならない。
(調剤録)
第28条 薬局開設者は、薬局に調剤録を備えなければならない。
2 薬剤師は、薬局で調剤したときは、調剤録に厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。ただし、その調剤により当該処方せんが調剤済みとなつたときは、この限りでない。
3 薬局開設者は、第1項の調剤録を、最終の記入の日から3年間、保存しなければならない。

その関連する法律というのが生活保護法と自立支援法です。どちらも5年間は帳簿や請求に関する書類を保管する必要があります。

生活保護法:指定医療機関医療担当規程

(診療録)
第8条 指定医療機関は、患者に関する診療録に、国民健康保険の例によって医療の担当に関し必要な
事項を記載し、これを他の診療録と区別して整備しなければならない。
(帳簿)
第9条 指定医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及び書類を完結の日から5年間保存しなければならない。

自立支援法:指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)療養担当規程

(帳簿)
第8条 指定自立支援医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及びその他の物件をその完結の日から5年間保存しなければならない。

自立支援法:指定自立支援医療機関(精神通院医療)療養担当規程

(帳簿)
第六条 指定自立支援医療機関は、診療及び診療報酬の請求に関する帳簿及びその他の物件をその完結の日から五年間保存しなければならない。

生活保護法、自立支援法(育成医療・構成医療・精神通院医療)にかかるものに関しては5年保管しなければならないので、他の処方箋と一緒に保管してしまうと、3年経過したときに他の処方せんをシュレッダーしようとしたときにこれらを除外しなければならないのでものすごく大変です。

事前にわけて保存関しておくことをおすすめします。そもそも生活保護法の場合は「他の診療録と区別して整備しなければならない。」と規定されています。

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