平成28年度診療報酬改定

疑義解釈その4が公開~分割調剤と調剤料との関係について~

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H28年度の診療報酬改定で医師の指示による分割調剤が可能になったことで、医師が処方箋に分割指示を記載した場合は薬局は分割して患者にお薬をお渡ししなければいけなくなりました。

その際の調剤料の計算で曖昧な点があったので今回の疑義解釈資料はそれを明確にしたものです。

疑義解釈を見る前に分割調剤についてちょっとだけおさらいしておきます。

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調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤

患者の服薬管理が困難である等の理由により、医師が処方時に指示した場合には、薬局で分割調剤を実施する。その際、処方医は、処方せんの備考欄に分割日数及び分割回数を記載する。2回目以降の調剤時は患者の服薬状況等を確認し、処方医に対して情報提供を行う。

〈上記分割調剤の算定例〉
90日分の処方を30日ごとに3回分割調剤を指示の場合
●薬剤料 ⇒ 分割調剤ごとに30日分の薬剤料
●調剤基本料、調剤料、薬学管理料
分割調剤しない場合(90日分調剤した場合)の点数 A点 ⇒ 分割調剤ごとにA/3点
※2回の分割指示の場合は分割調剤ごとにA/2点、3回以上の分割指示の場合は分割調剤ごとにA/3点

従来の分割調剤と調剤報酬の計算方法が全然違います。

従来の分割調剤は分割した2回目以降の調剤では薬剤服用歴管理指導料や調剤基本料はとれずに代わりに5点がとれるのですが、今回の分割では3回の場合は1/3ずつに分けるから、3回交付して従来の点数をフルで回収できます

【具体例】

(90日分処方→ 30日×3回の分割指示、調剤時には一包化を行う)
※薬剤料は調剤した分を算定

 〈1回目〉
※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料41点
・基準調剤加算32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算220点(90日分)
・時間外加算160点
・薬剤服用歴管理指導料50点
計590点× 1/3 = 196.66・・≑196点+薬剤料(30日分)

〈2回目〉
・調剤基本料41点
・基準調剤加算32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算220点(90日分)
・薬剤服用歴管理指導料38点
・服薬情報等提供料20点
計438点× 1/3 = 146点+薬剤料(30日分)

〈3回目〉
※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料41点
・基準調剤加算32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算220点(90日分)
・時間外加算160点
・薬剤服用歴管理指導料38点
・服薬情報等提供料20点
計598点× 1/3 = 199.33・・≑199点+薬剤料(30日分)

手間は3倍かかるのに点数は従来の点数です。

そして、今回でた疑義照会がこちらです。

【分割調剤】
(問1)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、処方せんに分割指示がある薬剤と分割指示のない薬剤の両方が含まれている場合、調剤料はどのように算定したらよいか。

(答)分割指示の有無にかかわらず、処方された薬剤について、「1剤」又は「1調剤」として扱われるものは、それぞれ調剤料を算定できる。この際、分割指示がある薬剤に係る調剤料は、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法にしたがって算定すること。なお、医師の指示に伴う分割指示がある処方せんの場合は、調剤基本料、薬学管理料等は、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法にしたがって算定すること。

【具体例1】
A剤とB剤が別剤であり、A剤のみが分割指示されている場合

Rp1 A剤30日分(分割指示あり)
Rp2 B剤5日分(分割指示なし)→別剤

(初回の調剤時の調剤料)
Rp1については、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法で算定
Rp2については、内服薬の5日分の調剤料を算定

(分割調剤2回目以降の調剤料)
Rp1の調剤料として、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法で算定

【具体例2】
A剤とB剤が「1剤」の範囲であり、A剤のみが分割指示されている場合

Rp1 A剤30日分(分割指示あり)
Rp2 B剤5日分(分割指示なし)→AとBは同じ剤
Rp3 C剤5日分(分割指示なし)→別剤

(初回の調剤時の調剤料)
Rp1とRp2については、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法で算定
Rp3については、内服薬の5日分の調剤料を算定

(分割調剤2回目以降の調剤料)
Rp1の調剤料として、医師の指示に伴う分割調剤に規定する算定方法で算定

必ずしも処方箋に記載されたすべての薬剤が分割指示にかかるものではないので、分割にかからないものの調剤料はどのように計算すればいいのかという疑問を解決したものです。

分割にかかる薬剤と同じ「剤」なら分割調剤料で、別剤であれば通常通りの調剤料ということですね。当然といえば当然のことです。

調剤基本料、薬学管理料等については分割して算定することになります。

ついでなので、他の薬学管理料についても載せておきます。

H28年の疑義解釈抜粋

(問14)同一医療機関で複数の診療科から発行された処方せんを同時に受け付けた際に、ある診療科からの処方せんは分割指示があり、他の診療科の処方せんでは分割指示がない場合、調剤報酬の算定はどのように取り扱うべきか。

(答)通常、同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合は受付回数を1回とするが、分割指示の処方せんが含まれる場合に限っては、同時に受け付けた場合であっても、分割指示の処方せんとして1回、分割指示のない処方せんとして1回のように、処方せんごとに別で取り扱い、それぞれの受付ごとに調剤報酬を算定して差し支えない。
なお、このような事例については、特定の診療科の処方せんのみ分割調剤することが妥当かどうか確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うこと。

(問15)上記の際に、分割指示の処方せんが複数あり、分割指示の方法(分割回数や期間)が異なる場合、どのように取り扱うべきか。

(答)分割指示が異なる場合は、分割調剤の方法が異なることにより、患者が適切に服薬できるか等の妥当性を確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うべきである。

(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。

(答)貴見のとおり。
なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3分の1の点数を算定する。

(問17)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。

(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方せんについて分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。

単純に加算はすべて1/2や1/3になるってことですね。

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