薬局ウラ事情

湿布薬や漢方薬や目薬の保険が外れたら薬局はウハウハなの?

いよいよ診療報酬改定の議論も煮詰まりつつあります。

今回は、あんまり話題になってないけどシップ薬、漢方薬、目薬の一部を保険から外してしまおうという議論があります。

けっこう本気みたいで2018年までには必ず実施されると、どこかの偉い人がいってました。

で、まず着手するのが湿布薬からだそうです。まずは1回の処方を70枚に制限したらとかウダウダと細かいことをやっておりますがすべて自費にしてしまえば簡単でいいと思う。

湿布薬はいろいろな製薬会社が分散してつくっているから製薬会社が均等にダメージを受けます。で、一番最後に外されるのが漢方薬です。漢方薬のほとんどをツムラさんが引き受けてるいるのでいきなり漢方薬の保険がはずれたらツムラさん潰れちゃいますから、こちは一番最後に着手されます。

でも結局は2018年までには全て外すと偉い人がいってました。

ツムラさんの株価をみてみると今年はすごく順調そうですが、保険外しの話がでたらどうなるかわからないですね。

ちなみに、テレビの偉い人が漢方薬は安いから西洋薬からどんどん切り替えたら医療費削減なるよっていってたけど、そんな議論は必要ない。いっそ保険外してしまったほうが削減効果はでかい。

安い安い言う割には、そんなに安くないのが漢方薬です。

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さて、私が高齢になった時にはどうせ保険が外れていることは明らかなので、早い段階でさっさとハズしれくれてかまわない。

湿布薬も、目薬も、漢方薬も必要ならOTC購入するからそれで構わない。この政策で医療費削減のターゲットにしているのは高齢者ですね。高齢者の反発があるからなかなか取り掛かれないようでシルバー民主主義いい加減にしてほしい。

医療費の多くは高齢者がしめているのは明らかなのに1割でどうせ安いからとジェネリックは拒否する。1割でどうせ安いからと大量に湿布をもらったり、コンビニみたいに整形外科に足を運んでは井戸端会議。

で、こんど3万円もばらまくんだからいいでしょ。ホントにいい加減にしてほしい。

湿布や漢方とか自費でいいよ。

さて、なるならないは置いておいて、なったら困るのは誰でしょう?

まず、患者さんですね。

これは言うまでもない、いままで山のようにシップもらっていた人が自費で購入しないといけなくなるのだから負担が増します。財源がないんだからしょうがないです。必要なら自費で処方してもらうか、OTC薬を購入するかで高くなるだけで別に使えなくなるわけではない。

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保険使ってるから湿布は安いけど保険使わないとけっこう高いですよ。いままでゴミみたいに使用していた人が、高いからという理由で使う量が減るかもしれないし、やたらに湿布を欲しがる湿布頂戴星人もいなくなる。

でも、別にもらえないわけではないです。逆に保険請求の制限がはずれるので欲しければ欲しいだけ処方してもらえるようになるかもしれない。

次は、病院ね。

整形外科でシップしか処方してない病院は、シップの処方箋がだせなくなると処方箋の発行料がとれなくなってしまいます。あと、シップが自費なら病院へいかずにOTCですませればいいので病院へいかなくなる患者も多いでしょう。

整形外科の入り口で井戸端会議している高齢者が減るのはいいことだと思います。

そういえば、私の知っている整形外科はシップは最大で3パックしかださないという院内ルールをもう
けている。また他のクリニックでは意思薄弱な人には1回2パック程度しかださず頻回投与するクリニックも知っている。どちらも患者さんが度々愚痴をいうのを聞いたことがある。1回量を減らすことで何度も足を運んでもらって診察料や処方料を稼ぐ作戦なんだけど、この場合は70枚制限はまったくもって医療費の削減に寄与しない。大学病院の場合は逆です、長期処方したくても70枚処方制限が足かせになって頻回投薬になりかねない。ということで、全部自費にしてしまうのが一番。

さて、横道にそれたけど、ここからがメインです。

薬局についてですね。

処方箋の絶対数が減ってしまうかもしれないけど、薬局は影響を受けないと思います。というのも、保険で湿布がもらえなくなってしまった人に直接医療用医薬品を販売してあげればいいからです。いわゆる零売ってやつですね。

約12000ある医薬品のうち約6000品目が「処方せん医薬品以外の医薬品」なので処方箋がなくても売ることが出来ます。つまり、困っている方には売って差し上げればいいんです。

病院にいっても自費なら薬局で直接購入したいという人は多いはずです。そんなときは通常はOTC医薬品を販売するんだけど、それよりももっといい方法が医療用医薬品の販売ですね。ドラッグストアは調剤併設店でないかぎりは医療用医薬品の販売はできません。

だから、調剤薬局はこれを強みとして全面的に湿布薬の販売に乗り出せばいい。

もちろん、現行制度でも零売は問題なくできるのだが、零売するよりは処方箋を応需したほうが利益が出るので積極的には取り入れていないというのが現状です。

あと、法律の合間を縫っての販売でグレーゾーンとされているから後ろめたい気持ちがあってほとんどの薬局が零売はしていません。

一部の特殊な薬局だけがしているのですが私の調べた限りでは全国に3店舗しかありません。

関連記事処方箋なしで病院の薬が買える薬局を紹介するよ

いろんなものが保険外しになったら零売しても問題ないような環境になるとおもいます。だって、国の言い分としては「市販薬で購入できるものを保険でわざわざ出すのはいかがなものか、では、保険を外しって市販薬を買ってもらおう。そうしたら医療費の削減になる。」というものだから零売こそが国がすすめていくべき政策ではないでしょうか。

ちなみに、医療用医薬品を販売するときには処方箋みたいに手数料がとれないから、その分を湿布代に上乗せして請求する。保険を外したら薬価という概念はなくなるけど、湿布であれば薬価の倍くらいは請求したいですよね。

こんな調子でヒルドイドや風邪薬や漢方薬も零売して差し上げることができる。これからの薬局は調剤報酬が減ってしまうぶん第3の収入源として零売に力をいれていくことになるかもしれない。

湿布や漢方や目薬の保険外しはいかがなものかと騒いでいるが調剤薬局はあわてることないです。「えー」「そんなー」とかいいながら見守っとけばいいのです。

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なんで勉強しないといけないのか?

それは、

次回の調剤報酬改定が間違いなく業界のターニングポイントなるからです。

医療保険も、介護保険も、すでに財源はパンク寸前で、このままでは破綻してしまうのはあきらかです。制度を維持していくために、限られた財源をどう使っていくか過激な議論がとびかっています。

これから薬局業界で生きていくならしっかり情報収集して、今やるべきことを見極めていく必要があります。

たとえば、いま注目されているのは「リフィル処方箋」です。このリフィルを実行するための要件を「かかりつけ薬剤師」にしたいという話がでているのはご存知でしょうか?

つまり、いま薬局がやっておくべきことは「かかりつけ」を増やしてフォローしていくことです。

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