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公費医療 薬局ウラ事情

風邪の医療費は1回6000円。診療報酬と調剤報酬を計算してみた。

風邪引いたので、病院に行ってかぜ薬をだしてもらうことにしました。

さて、これっていくら掛かるのでしょうか?

病院で処方箋だしてもらって薬局で薬をだしてもらったときの値段を計算してみました。

病院の会計(診療報酬)

病院の会計はすごく大雑把に表すと、

基本料 + 指導料

この合計で計算できる。

基本料:診察を受ければ必ず請求される料金で初診料や再診料がこちらに該当します。
指導料:診察を受けて検査や処置や指導受けると追加でかかるオプション料金です。

今回は風邪の診察なので聴診器当てて、舌ベラ見せて、問診で終わりと仮定します。

簡単な検査や処置は基本診療料(初診料や再診料)に含まれます。つまり、聴診器当てて、舌ベラをみるだけなら全て基本料に含まれており追加の指導料は発生しません。

ただし、今回は、処方箋を発行してもらい調剤薬局に持っていくので処方箋の発行料は別途かかります。

では、

細かい点数を見て行きましょう。

初診料

診療所・病院:282点

最初に診察してもらうときは初診料をとられます。同じ病気で2回め以降の診察を受けるときには再診料をとられます。

当然両方を同時にとられることはありません。

再診料

診療所:72点
病院200床未満:72点
病院200床以上:73点

ちなみに、小児だったり、夜間や早朝だったりすると割増の加算があるけど、ここでは細かいことは考えずに風邪の初診ってことで282点で計算する。

処方せん料

通常68点
7種類以上の内服薬のとき40点

処方せん料も小児や抗癌剤なんかで加算があるんだけど、今回は大人の一般的な風邪薬です。風邪薬なのでよっぽどの風邪じゃない限りは7種類以上にはならないですね。

ということで、一般的な68点で計算します。

それでは、病院の会計を計算します。

初診料(282点) + 処方せん料(68点)= 350点

とても、簡単ですね。病院の会計は、なんら処置や検査をしなければ、だいたい350点です。

さぁ、処方箋をもらったので薬局へ行きましょう。

調剤薬局の会計(調剤報酬)

調剤薬局の会計は処方箋の内容によってかわるので、一般的なかぜ薬の処方箋(架空)で計算します。

かぜ薬だから、せき、鼻水、のどの痛みってとこかな。必要かどうかはわからないが抗生剤もいれときます。

処方例

PL顆粒 3g
メジコン 6錠
毎食後 5日分

クラリス 2錠
朝夕食後 5日分

薬局の会計を大雑把に言うと、

基本料 + 技術料 + 薬剤料

この3つの合計で計算できます。

基本料:病院と同じで処方箋を受け付けたら必ずとられる受付料金です。
技術料:薬の作成、薬の説明、薬の管理なんかに基づいて請求される点数。
薬剤料:それぞれの薬の値段です。当然、安いクリスもあれば高い薬もあります。

では、順番に見ていきます。

まずは基本料から、基本料は薬局の設備によって異なります。

ジェネリック医薬品を沢山備蓄して沢山使用して、ジェネリック医薬品の推進に貢献している薬局は基本料が高いです。

また、24時間体制や夜間の電話対応や備蓄品目数なんかの一定の要件を満たしている薬局は基本料が高いです。

これらの要件をなんら満たしていないごくごく普通の薬局の基本料は41点です。

基本料:41点

次は、技術料です。

技術料には、薬を管理する薬剤服用歴管理指導料というのがあり、これは絶対にとるので計算に入れます。

薬局では医師のカルテに相当するものとして薬歴という患者それぞれの情報をまとめた帳簿をつけています。

これに基づいて患者さんに薬を渡すわけです。

その管理料は、お薬手帳をつかって管理している場合は41点、お薬手帳なしの場合は34点です。

薬剤服用歴管理指導料(手帳あり):41点
薬剤服用歴管理指導料(手帳なし):34点

この他に、薬を準備するための調剤料もかかります。

調剤料は、服用時点ごとに日数に応じた点数を算定するので、

毎食後の薬5日分で、25点
朝夕食後の薬5日分で、25点

薬の数は関係ありません、飲み方と日数に応じて点数が決まります。

最後に薬剤料ですね。

今回の薬の値段はPL顆粒15gとメジコン30錠とクラリス10錠の合計で110点です。
(所定単位ごとに1日分を5捨5超入して5倍)

さぁ、これで今回のかぜ薬の会計が計算できます。

基本料(41点) + 薬剤服用歴管理指導料(41点) + 調剤料(25点)×2 + 薬剤料(110点)= 242点

まとめ

病院の会計:350点
薬局の会計:242点
合計592点

保険請求は点数で計算するのですが患者に請求するときは円に直します。

1点10円なので、

今回の風邪の治療には5920円の医療費が発生したことになります。

ちなみに、成人で健康保険を使用した場合は3割の負担ですむので、自己負担額は1776円。端数は四捨五入するので負担額は1780円です。

自己負担額で計算すると大したことあませんね。残りの7割は国からお金が出ているのです。でも、実際は簡単な風邪であっても約6000円もの費用が発生しているのです。

これでは、医療費が国の財政を圧迫するのもわかりますよね。

国が市販薬やジェネリックを推奨しているのもこのためです。

もし、患者さんが病院へ行かないで市販薬で済ませてくれたら、国は一切お金を払うことなく風邪を直してもらえるわけですから国はOTC薬(セルフメディケーション)に力をいれるわけです。

ちなみに、

市販薬のかぜ薬なら1500円くらいで購入できます。病院の自己負担1780円とたいしてかわりません。

だとすると、時間がある人は病院へいってしまうのかなと思います。

生活保護の人なんか会計かからないから市販薬で治そうなんて毛頭思わないんじゃないでしょうか?病院行けば6000円がただですからね。

と、関係ないことをつぶやいてしまいました。

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