小児の処方を多く受け持っているので、分包紙とインクリボンカセットの交換が頻発する。
薬局の備品って、医薬品と一緒に卸さんに発注してしまうからあんまり価格見ないんだけど、
先日ふと気になって、計算して見たらこれがなかなかいいお値段なんです。
容器代であれば、患者様に請求することもできるのだが、分包紙代は請求するわけにはいかないですよね。
ちょっとまとめてみました
某メーカー品の分包紙6巻で48000円くらいします。
1巻だと8000円
1巻で300mぶんを分包することができるので、
1包70mmで分包して、MAX4285包 1包単価 1.87円
1包80mmで分包して、MAX3750包 1包単価 2.13円
営業日25日、1日5人、1人2剤、分3で5日分を分包するとして、
月に3750包になります。更に、空包1回6包を加算すると、月に1500包の空包が出るので、
合計で月に5250包を使用することになります。
70mmだと月に9818円、年に117816円
80mmだと月に11183円、年に134196円
もちろん使用頻度によりますが、年間で10万円くらいかかりますね。
この他にも分包すればするほどインクリボンも消費されます。
インクリボンはうまく計算できなかったので大雑把ですが、
1個3000円くらいで、
分包紙1巻につきインクリボンも1個消費るとして、
上記と同じ計算で、
70mmだと月に3675円、年に44100円
80mmだと月に4200円、年に50400円
これもなかなか馬鹿にならない金額。
なので、極力節約するのであれば60mmでの使用がオススメ、
80mmから60mmに設定を変更するだけで年間約46000円の節約になります。
またインターネットで検索すると格安品も購入することができます、
純正品にこだわりさえしなければ、純正品の7割くらいの値段で購入することができます。
~追記~
忘れてました。
散剤を量りとった時は監査用ジャーナルってのが出ますね。
秤量した量がメモされた紙です。
粉薬を作るたびに消費されるので微々たるものですが、こちらも計算しとく。
10巻セットで4000円だから、1巻400円で67mです。
ということで、
10cm使用するごとに0.6円です。
分包紙に比べたら微々たる額ですね。
この調子で、今回の趣旨からずれるけどお薬手帳シールもいくらか計算してみた。
アスクルで価格見たら3巻で6000円で1巻50m。
よって、
10cm使用するごとに4円ですね。あれ?けっこう高いですね(笑)
小児科で患者一人分の分包コスト
計算には70mmを使用するとして、インクリボンのコストまで含めた分包紙の1包単価2.57円/包です。
ムコダインDS 0.6g
毎食後 5日分ビオフェルミン 1g
毎食後 5日分
さぁ、分包してみよう。
この場合は、ムコダインで15包+空包6包、同様にビオフェルミンで15包+空包6包で、
合計42包
なんと108円!!
どうですか?実はこんなにかかるんです。
ちなみに、この場合でとれるのは、内服調剤料5日分「1剤」で25点です。
25点のみですよ!!
メチコバール30日なら89点なのに時間もお金もかけて25点しか取れないんです。
このように計量混合加算もとれないし、飲み方同じで調剤料も取れない処方はコストだけがかさむ。
シロップの方が容器代がかかるから敬遠しがちですが、もしかすると散剤の方がコストがかかっているのかもしれない。
ちなみに、
水剤の容器代は患者さんに負担してもらうことができるけど分包紙代を請求することはできません。
容器代について
さっき分包紙代を請求できないと説明したが、根拠を説明する。
厚生労働省が発表している
調剤報酬点数表に関する事項より抜粋
(1)投薬時における薬剤の容器は、原則として保険薬局から患者へ貸与する。ただし、患者が希望する場合には、患者から実費を徴収して容器を交付しても差し支えないが、患者が当該容器を返還した場合は、当該容器本体部が再使用できるものについては当該実費を返還する。なお、患者に直接投薬する目的で製品化されている薬剤入りチューブ及び薬剤入り使い捨て容器のように再使用できない薬剤の容器については、患者に容器代金を負担させることはできない。
(2)保険薬局が患者に喘息治療剤の施用のため小型吸入器及び鼻腔・口腔内治療剤の施用のため噴霧・吸入用器具(散粉器)を交付した場合は、患者にその実費を負担させて差し支えないが、患者が当該吸入器を返還した場合は当該実費を返還する。
(3)被保険者が保険薬局より薬剤の交付を受け、持ち帰りの途中又は自宅において薬品を紛失したため(天災地変その他やむを得ない場合を除く。)再交付された処方せんに基づいて、保険薬局が調剤した場合は、当該薬剤の費用は、被保険者の負担とする。
(4)内服用液剤を投与する際には常水(水道水、自然水)を使用するが、特に蒸留水を使用しなければならない理由があれば使用して差し支えない。
(5)薬包紙、薬袋の費用は、別に徴収又は請求することはできない。
(5)に書いてありますね。薬包紙は請求できない。
この通知が出たのが古いから薬包紙って記載なんだけど、昔は粉薬は薬包紙で包んでいたんだ。
この薬包紙代が請求できないのであれば、その代わりでもちいている分包紙代も請求できないですよね(たぶん)。
ついでに、
面白い規定が、水剤容器は「貸与する」と規定されています。だから、患者に容器代請求してとった場合は、もしそれを返却されたら代金を返却しなければならないのだ。
いちおう条件で「容器が再使用できるものについては」とあるが、破損してない限りは再使用できるものとして返金しないといけない。
ただ、返却された容器を再使用することはまずない。滅菌とか面倒だからね。でも再利用しない理由は薬局側の都合だから、決して再利用できないわけではないのでやっぱり、返金しないといけない。
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