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平成30年度診療報酬改定

「服薬情報等提供料」の算定要件【2018年診療報酬改定】

以前は一つの区分しかなかった「服薬情報等提供料」はH30年度の調剤報酬改定では二つの区分に分かれました。今回の改定では医療機関との連携が評価される項目がおおく「服薬情報等提供料」もその一つです。

文章を持って医療機関に情報提供すると点数を算定することができます。

点数

点数

  • 服薬情報等提供料1 30点
  • 服薬情報等提供料2 20点

要件

服薬情報等提供料1 30点

保険医療機関の求めがあった場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、保険医療機関へ必要な情報を文書により提供等を行った場合に月に1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

服薬情報等提供料2 20点

患者又はその家族等の求めがあった場合又は薬剤師がその必要性を認めた場合において、患者の同意を得た上で、薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も患者の服用薬の情報等について把握し、患者、その家族等、又は保険医療機関へ必要な情報提供、指導等を行った場合に算定する。保険医療機関への情報提供については、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。これらの内容等については薬剤服用歴に記録すること。

どちらも情報提供を評価するものですが冒頭が違いますね。誰のもとめによって情報提供するかによって「1」と「2」を使い分けます。

「2」については現行の基準と同じものです。「1」が新設された項目です。病院は薬局と連携するととれる点数というのがあるので、こんご薬局に情報提供をもとめることは増えてくるかもしれません。

服薬情報提供書のテンプレートのダウンロード

病院にFAXもしくは来局もしくは持参します。提供する文章のフォーマットは厚生労働省の方で準備してくれているので、様式を埋めるだけです。

平成30年に公開された最新のフォーマットをダウンロードできるようにしておきます。

服薬情報等提供料に係る情報提供書(通称トレーシングレポート)のダウンロード先はこちら。

ダウンロード

遠方のクリニックならFAXや郵送しますが、門前クリニックなら持参してコミュニケーションを図るのもいいでしょう。

服薬情報等提供料を算定するタイミング

この提供料のめんどくさいのが提供したその場で算定できないことです。算定するタイミングは次回来局時です。

次回の来局までに医療機関に情報提供をすませておいて、つぎに処方箋を持参されたら算定できます。来局がなければ算定はできません。

次回の来局に備えて、情報提供はすませておいてトレーシングレポートもコピーして薬歴に記載できるようにしておきましょう。また算定漏れが内容にレセコンに次回「服薬情報等提供料」を算定する旨をしっかりと残しておきましょう。

せっかく提供しても「算定」わすれたらタダ働きですからね。評価されることをしたら、しっかりと対価をもらいましょう。

服薬情報等提供料を取りやすいケース

算定の具体例で、もっとも算定しやすい状況は「残薬の報告」です。

処方箋の様式変更で処方箋の一番下に「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」「保険医療機関へ情報提供」のチェック欄があります。

保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応(特に指示がある場合は「レ」又は「×」を記載すること。)
□保険医療機関へ疑義照会した上で調剤
□保険医療機関へ情報提供

「保険医療機関へ情報提供」にチェックがある場合は、医療機関側からの指示で残薬がある場合に情報提供したことになります。よって「残薬あり」と医療機関にFAXした場合は「医療機関の求めがあった場合」に該当すると解釈できるため「服薬情報等提供料1 30点」を算定することができます。

もし疑義照会による残薬の調整を行った場合は重複投薬・相互作用等防止加算によって対応します。

トレーシングレポートから一歩先へ

情報提供料はその名のとおりで情報を提供するだけです。

これより一歩すすんで不必要な薬の減薬を提案して、2種類以上の減薬に成功したら加算がとれるという「服用薬剤調整支援料」という加算がH30年改定で新設されました。

要件がとてもむずかしいので普段からのドクターとのコミュニケーションが大切です。普段から情報提供料で実績を作っておくと算定しやすくなるでしょう。

服用薬剤調整支援料の詳しい要件は別の記事で説明しています。

関連記事「服用薬剤調整支援料」の算定要件

関連する病院の点数

今回の改定では病院との連携が一つのテーマになっているので、それに関連する病院側の点数を紹介します。病院からの求めがあった場合は30点ですが、文章により提出だから手間がかかります。それで30点か「うーん」。

向精神薬調整連携加算

直近の処方時に、向精神薬の多剤処方の状態にあった患者又は不安の症状又は不眠の症状に対し、ベンゾジアゼピン系の薬剤を12月以上、連続して同一の用法・用量で処方されていた患者であって、減薬の上、薬剤師(処方料については薬剤師又は看護職員)に症状の変化等の確認を指示した場合

新設された加算です。薬局の薬剤師に症状変化の確認を指示してとれる点数です。もし薬局に指示がきたとしたら「保険医療機関の求めがあった場合」に外とするので「服薬情報等提供料1」を算定してさしつかえないでしょう。

関連記事「向精神薬調整連携加算」の算定要件

薬剤総合評価調整管理料&連携管理加算

薬剤総合評価調整管理料

保険医療機関が、入院中の患者以外の患者であって、6種類以上の内服薬(受診時において当該患者が処方されている内服薬のうち、頓用薬及び服用を開始して4週間以内の薬剤を除く。)が処方されていたものについて、処方内容を総合的に評価したうえで調整し、当該患者に処方される内服薬が2種類以上減少した場合は、所定点数を算定する。

連携管理加算

処方内容の調整に当たって、別の保険医療機関又は保険薬局との間で照会又は情報提供を行った場合は、連携管理加算として所定点数を加算する。

この「薬剤総合評価調整管理料」は一回で250点とかなり高額な点数が設定されています。さらに薬局と連携して調節することで「連携管理加算」も50点追加できます。

この連携にあたって病院が薬局に情報提供を求めた場合はもちろん「保険医療機関の求めがあった場合」に外とするので「服薬情報等提供料1」を算定してさしつかえないでしょう。

関連記事薬剤総合評価調整管理料と薬剤総合評価調整加算の算定要件

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