平成30年度診療報酬改定

「医師の指示による分割調剤」の処方箋を受付たときの対応

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こんにちは、ジム子の調剤報酬解説です。今回は「分割調剤」の解説をしていきます。

分割調剤はややこしいので敬遠されがちですが、H30年調剤報酬改定では処方箋様式まで追加されてさらにややこしくなりました。

以前の分割調剤は、薬局主導で患者さんに提供していくシステムでしたが、今後の分割調剤は病院主導で患者さんに分割調剤を提供していくシステムにシフトしていきます。

分割調剤って、患者希望で無制限にできるわけではなく、3つのパターンに限定されています。

分割調剤ができる3つのパターン

  • 長期保存が困難な薬剤を交付する場合
  • ジェネリックを初めて使用する場合
  • 医師の指示による分割

従来の「長期保存困難」「お試しジェネリック」の2つのパターンの分割については、過去の記事で詳しく解説しています。

分割調剤を学ぶ8個のポイント

今回はH30年調剤報酬改定でルールが追加になった「医師の指示による分割」についてみていきます。

医師の指示による分割

分割チャート国としては分割調剤をもっと勧めていきたいんでしょうね。そのために処方箋をより「分割」しやすくするための制度を整えています。リフィル処方箋の導入への布石ともいわれています。

分割するメリットは不必要な投薬を減らして無駄な薬剤を削減することです。

大学病院の外来はとても忙しいので来院する頻度を減らすために処方が長期になります。はじめて使う薬も90日処方なんて当たり前なので、90日で処方されると薬局は90日分まるまる調剤せざるを得ない。もし1回のんで副作用で使えなかったとしたら残りの89日分がムダになってしまいます。

そのダメージを減らすのが分割調剤です。「30日×3回」でもらえるとしたら、もし初回で副作用がでても、30日分しかもらってないので、のこりの60日分はもらわなくて済みます。60日分の薬剤費をムダしなくてすみます。

複数処方箋をあずかっても1件目の薬局は処方箋を回収したらダメ

「医師の指示による分割」は最大で3回までとされています。医者が分割処方箋を発行しやすいように新規フォーマットが作られたので、医者は処方箋に「_分割の_枚目」と記載し、さらに「別紙」もつけて発行されます。

もし3回分割の指示で処方箋を発行したとしたら「3分割の1枚目」「3分割の2枚目」「3分割の3枚目」と「別紙」で合計4枚を一組とした処方箋が発行されます。薬局はこれら一式がすべてそろった状態でないと受付けることができません。

1つでも破り取られているようならその処方箋は無効になるので、医療機関に戻ってもらい再発行してもらいましょう。

薬局も気をつけないといけないのが分割の処方箋を受けて1枚目を調剤したらかと言って1枚目を回収してはいけません。法令上は「複数処方箋と別紙」これらセットで1枚の処方箋とみなします

1回目調剤した薬局は「別紙」に薬局の情報を記入して返却します。分割処方箋別紙

分割調剤に係る処方箋の記入例

医師の指示による分割

1枚目処方箋の記入例を拡大してみる▼
分割調剤の処方箋

上記の記入例で説明すると28日分(総投与日数56日分)とこんな感じで、1枚目の処方せんには調剤すべき日数が記載されます。この1枚目が調剤完了しても回収しないで必ず患者に返却しましょう。

分割調剤で薬剤師が患者にしないといけないこと

医師の分割指示に係る処方箋受付を受付た場合に基本料等を算定するときには、1回目の調剤は、医師の指示に基づき分割して調剤を行った場合に、2回目以降は投薬中の患者の服薬状況等を確認し、処方箋を交付した保険医に対して情報提供を行った場合に算定できる。この場合において、調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料は、それぞれの所定点数を分割回数で除した点数を1分割調剤につき算定する。

保険薬局の保険薬剤師は、以下を実施する。

  • 処方箋を受付前に、継続的な薬学的管理及び指導のため1回目の調剤から全ての調剤が完了するまで、同一の保険薬局に処方箋を持参するべきである旨を説明すること
  • 患者に対し、次回の自局への処方箋持参の意向の有無及び予定時期を確認するとともに、予定時期に患者が来局しない場合は、必要に応じ、電話等で服薬状況を確認し来局を促すこと。
  • 患者から次回は別の保険薬局に処方箋を持参する旨の申し出があった場合は、患者の了解を得た上で、次回の円滑な薬剤交付に資するよう、調剤後遅滞なく、患者が次回処方箋を持参しようとする保険薬局に対し、調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供すること。

分割調剤で算定する点数の計算方法

医師の指示による分割の点数計算はとても簡単です。

調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料については、分割調剤を実施しない場合に算定する点数をそれぞれ合算し、分割回数で除した点数を調剤時に算定する。小数点以下第一位を四捨五入して計算する。

つまり、いつもの点数を分割回数で割った点数を来局ごとに算定します。

もし、3回の分割指示であれば、3回全て来てもらって、普段の1回分の点数が回収できる「均等割り」という考え方が採用されています。

薬局としてはキツイ条件です。分割処方箋は患者のメリット重視のシステムなので薬局はなんら恩恵をうけません。

「1回90日の処方箋」と「1回30日×3枚の処方箋」の合計点数は同じなので、分割処方箋の場合は、3回入力をして、3回調剤して、3回服薬状況を確認して、2回医師に情報提供をして、ようやく同じ点数です。3倍の労力をかけても追加でもらえる点数は何一つない。もう笑えませんね。

分割調剤関連の疑義解釈

(問14)同一医療機関で複数の診療科から発行された処方せんを同時に受け付けた際に、ある診療科からの処方せんは分割指示があり、他の診療科の処方せんでは分割指示がない場合、調剤報酬の算定はどのように取り扱うべきか。

(答)通常、同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合は受付回数を1回とするが、分割指示の処方せんが含まれる場合に限っては、同時に受け付けた場合であっても、分割指示の処方せんとして1回、分割指示のない処方せんとして1回のように、処方せんごとに別で取り扱い、それぞれの受付ごとに調剤報酬を算定して差し支えない。
なお、このような事例については、特定の診療科の処方せんのみ分割調剤することが妥当かどうか確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うこと。

(問15)上記の際に、分割指示の処方せんが複数あり、分割指示の方法(分割回数や期間)が異なる場合、どのように取り扱うべきか。

(答)分割指示が異なる場合は、分割調剤の方法が異なることにより、患者が適切に服薬できるか等の妥当性を確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うべきである。

(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。

(答)貴見のとおり。
なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3分の1の点数を算定する。

問3 調剤基本料の「注9」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。
(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方箋について分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。
【具体例】(90 日分処方 → 30 日×3 回の分割指示、調剤時には一包化を行う)
※薬剤料は調剤した分を算定
〈1回目〉
・調剤基本料 41 点
・地域支援体制加算 35 点
・調剤料(2剤の場合) 172 点(90 日分)
・一包化加算 220 点(90 日分)
・時間外加算 248 点
・薬剤服用歴管理指導料 41 点


計 757点 × 1/3 = 252.333≒252 点+薬剤料(30日分)
〈2回目〉
・調剤基本料 41 点
・地域支援体制加算 35 点
・調剤料(2剤の場合) 172 点(90 日分)
・一包化加算 220 点(90 日分)
・薬剤服用歴管理指導料 41 点
・服薬情報等提供料1 30 点


計 539 点 × 1/3 = 179.666≒180 点+薬剤料(30 日分)
〈3回目〉※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料 41 点
・地域支援体制加算 35 点
・調剤料(2剤の場合) 172 点(90 日分)
・一包化加算 220 点(90 日分)
・時間外加算 248 点
・薬剤服用歴管理指導料 41 点
・服薬情報等提供料1 30 点


計 787 点 × 1/3 = 262.333≒262 点+薬剤料(30 日分)

問6分割指示に係る処方箋について、何回目の分割調剤であるかにかかわらず、別紙を含む全ての処方箋が提出されない場合は、処方箋を受け付けられないという理解でよいか。
(答)貴見のとおり。

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