軟膏のミックスってタダじゃないのご存知ですか?
小さい頃からアトピー体質なので皮膚科にはよくお世話になるんだけど、個人的に軟膏をミックスしてもらうのってあんまり好きじゃないです。ミックスの手数料をとられるくらいなら、その分おおく薬をもらいたいとおもってしまいます。
で、思ったんです。軟膏ミックスの手数料分でどれくらいの薬が追加できるんだろうかって?下手にワセリン加えてかさ増しするよりもチューブで沢山もらったほうが安いんじゃないかって思ってしまったわけです。
そこでワセリンかさ増し調剤したときと価格比べてみようとおもう。
軟膏を混合するときの手数料ですが、こちらは計量混合加算が該当するので1回80点です。
つまり、混ぜなければ80点うくのでその点数分でどれくらい軟膏が追加できるかを計算します。ちなみに80点は800円分のことですね。
いっくよー。
薬品名 | 1g | 800円相当 |
---|---|---|
アンテベート軟膏0.05% | 28.7 | 5.6本 |
アンフラベート0.05%軟膏 | 13.8 | 11.6本 |
リンデロン-V軟膏0.12% | 27.4 | 5.8本 |
ベトノバールG軟膏0.12% | 17.3 | 9.2本 |
キンダベート軟膏0.05% | 31.7 | 5.0本 |
デルモベート軟膏0.05% | 28.7 | 5.6本 |
マイアロン軟膏0.05% | 10.9 | 14.7本 |
マイザー軟膏0.05% | 20.8 | 7.7本 |
アルメタ軟膏 | 36.4 | 4.4本 |
フルメタ軟膏 | 36.4 | 4.4本 |
ロコイド軟膏0.1% | 15 | 10.7本 |
アボコート軟膏0.1% | 8.9 | 18.0本 |
ずべて1本5g
軟膏の本数ベースで考えると1混合はアンテベート5.6本相当になるようですね。つまり、ワセリン混ぜてかさ増しするならアンテベート軟膏5.6本よりも多い量でかさ増ししないと、価格的にはお得感はない。
ちなみに、ロコイドのジェネリックであるアボコートなんかすごいですよ。1混合が18本分に相当します。
これはかさ増し程度では割に合わないですね。チューブでもらいたいものです。
もちろん、軟膏をまぜる理由は、かさ増しだけじゃないとはおもいます。むしろかさ増しが理由で混ぜられても困るんですけどね。
そもそも、混合にかかるコストだけじゃなくって、混合してもらうこと自体が好きじゃないので、その理由も書いていく。
混合が嫌いな理由
・衛生的じゃない
・使用期限がわからない
・容器代がかかる
たとえば25g+25gで軟膏を混ぜたとします。全量が50gひとツボの調剤になるんだけど、これって5gチューブ10本分だからかなりの量になるのが想像できますか?
たぶんツボから直接指でとると思うのですが、雑菌とか入りそうじゃないですか?
私のようにひどくなったときだけときどきつける人だとなかなかなくなりません。久しぶりに使おうとすると表面が黄ばんで不安になることがあります。
ツボでもらった薬はチューブと比べたら不衛生で使用期限は短く設定した方がよさそうです。この使用期限というのも、分離してたら中止とか、黄ばんでたら中止とか、あいまいなものです。だって、安定性とか混ぜたもの同士の性質によってかわるからちゃんとしたダータなんてないんです。
メーカーもチューブからしぼってそのまま使うことが前提でつくってるから、他社製品とまぜられて効き目がどうなるとか、そんなの知ったこっちゃないですよね。たぶん、「混ぜずにつかえよ」って思ってると思います。
それに比べてチューブなら未開封のものに関してはチューブに記載されている期限まではメーカーがしっかりと保証してくれています。
もちろん開封後のものに関しては、なるべく早く使いましょうということは変わらないけど、指につけてとっても1本ごとにリセットされるからずっと同じものを50g使い続けるよりはずっと安心です。
もし、ミックスでこの指でとる不衛生さを解消したいのであれば、ヘラでとるようにして使う度にヘラを消毒するといいでしょう。さらに、ツボも50gと大きいものをつかうのではな10gとかで小分けしてもらえばより衛生的です。
そうなると、こんどは容器代が加算されます。
混合すると容器代がかかるのもなかなか馬鹿になりません。以前働いていた近隣の薬局はバカみたいに容器代が高くて1個80円とってました。しかも、皮膚科の軟膏の数が多いんです。
容器代とかで500円とかなので、わたしならキレそうになる。
皮膚科の門前薬局を3箇所担当しておもったこと
軟膏のミックスは、皮膚科の専門医ならかならずやるのかと思いきや、チューブだけで対処する医師も多い。
つまり、必ずしも混ぜなければ治療できないということはないんです。だったら、なぜ混ぜるのかって理由がきになりますよね。
悪意をもって推察していきます。もちろん治療上有益であろうというメリットから混ぜてるんだと思いますよ。でも、それ意外にもあわよくばって、おもってる裏の理由もあると思うんですよね。
あくまでも個人の予想ですよ。
医者が軟膏を混合する理由
・患者にオーダーメードのプレミアム感を提供する
・期限を短く設定してリピートを促す
チューブで1本もらうよりも2種類まざってる薬をもらったほうが、患者心理的にはちゃんと見てもらって症状にあった薬を調合してくれたんだと思いますよね。
医者も、やっぱり客商売みたいな一面もあるから評判って大切ですからね。皮膚科なんて治ったら次はしばらくこないんだから、口コミで名医感をアピールした方が集客につながります。
そのためのツールが、あなたのために「オーダーメイドで作りました軟膏」なんじゃないかなとおもいます。
本来なら、同じ症状を2種類よりも1種類で治す医者の方が名医だと言われるべきなんだろうけど、意外と、人気のクリニックっていうのは腕がいいとかじゃなくってい「親切」とか「薬をたくさんくれる」とか、そういうところだったりします。
とくに、日本人はお薬が大好きだし、プレミアム感に弱いですからね。
私が軟膏ミックスが嫌いな理由でのべましたが、ミックスした軟膏は使用期限が短いです。もし治っても次に症状がだたときには、もうその薬は使えないかもしれない。
また受診して同じ薬をもらいに行かなくてはならない。
これがチューブならどうだろう?未開封のチューブがあれば期限の心配なくとりあえずぬれますよね。ただのかぶれだったら前にもらったステロイドをぬっとけば概ね間違いない。
それで治らなければ受診しても、おそくないだろう。
ということで、沢山種類をまぜてプレミアム感をだしつつも、その期限は短く回転率がいいというのが、医師が好んで混合処方のメリットなんではないでしょうか。