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調剤料

頓服薬の調剤料完全解説

こんにちは、ベテラン調剤薬局事務のジム子です。

今回は、頓服薬の調剤料についてまとめていきたいとおもいます。外用薬や内服薬は過去記事にまとめてあるので、そっちを読んでからの方がわかりやすいと思います。

調剤料は簡単なようでいて奥が深い。とくに内服調剤料は特殊なパターンがたくさんあるので、実例をまじえて説明している力作です。

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調剤報酬点数表の原文記載

調剤報酬点数表

屯服薬 21点
注 1回の処方せん受付において、屯服薬を調剤した場合は、剤数にかかわらず、所定点数を算定する。

調剤報酬点数表に関する事項

(2) 屯服薬
屯服薬の調剤料は、調剤した剤数、回数にかかわらず、1回の処方せん受付につき所定点数を算定する。

「頓」は「にわか」の意味で、継続的に飲むわけではなく必要に応じて1回分使うような使い方の飲み方です。たとえば、「疼痛時」「腹痛時」「頭痛時」「発作時」「胸痛時」「便秘時」「不眠時」などなど様々です。

処方箋には具体的な服用時間がかかれるべきなので「必要時」や「医師の指示どおり」など具体性にかける指示のものは疑義照会の対象になります。

処方箋には1回量と回数と服用時が必要です。できれば使用限度(1日3回まで)も医師が指示すべきなんだろうけど、ここまでは求められていないようです。

頓服薬の調剤料は、処方箋1枚につき1回しかとれないので頓服薬がいくら処方されようが1回21点のみになります。

処方例

ロキソニン錠 1錠
疼痛時 10回分

ナウゼリン錠 1錠
吐き気時 10回分

ブスコパン錠 2錠
腹痛時 10回分

頓服薬が1度に3つもでていますが、調剤料はやはり1回分で21点を算定することになります。一昔前は2剤までとれたんだけど度重なる調剤報酬改定で削られて1剤になってしまいました。

ちなみに、内服薬は3剤まで、外用薬も3剤まで算定できます。これらと相互に影響することはないので一緒に頓服の薬がでていれば別途21点を算定できます。

つづいて、こちらはどうでしょうか?

処方例

カロナール坐剤 10個
発熱時

発熱時とあるので一見して頓服薬のように思えますが、よくみると外用薬です。頓服薬の場合は処方箋に1回量が記載されますが、外用薬の場合は全量が記載されます。

頓服薬風に解釈すると1回に10個おしりに入れることになってしまうので苦しい状況が想像できる。

上記の処方例では外用調剤料10点です。カロナール坐剤を10個を入力して、コメント扱いで「発熱時」を記載します。

次の処方例はどうでしょうか?

処方例

アムロジン 1錠
朝食後 30日分

ハルシオン 1錠
不眠時 30回分

もし毎月この処方がきているのであれば、この場合のハルシオン錠は不眠時に飲んでいるわけではなく、きっと毎日服用していますよね。そうすると「頓服薬」という扱いではなく「内服薬」になりますよね。

しっかりと疑義照会をして「内服薬」にすれば30日分の調剤料だから80点になります。

頓服薬でとると21点だけど、内服でとれば80点なので正しく訂正することで正当な点数をとることができます。

ロキソニン錠をもちいて頓服薬と内服薬の調剤料を比較

ロキソニン錠を15錠処方してもらうときは頓服と内服どっちのほうがお得でしょうか?

処方例(内服)

ロキソニン 3錠
毎食後 5日分

調剤料 → 35点

処方例(頓服)

ロキソニン 1錠
頭痛時 15回分

調剤料 → 21点

薬は頓服と内服で同量をもらえるとしたなら頓服薬でもらった方が安くなる。ただ、頓服薬は必要最低限度の量しかもらえないので長期でもらうなら内服しか選択肢はない。そもそも医者が決めるんですけどね。

睡眠薬とか少しだけほしいという場合は頓服でもらったほうが確実にお得ですね。

マイスリー錠 1錠
10日分(47点)

マイスリー錠 1錠
10回分(21点)

おなじ10錠だけど全然違うでしょ。

頓服薬の処方限度は?

頓服薬の上限回数ってどれくらいなんだろうって調べてみたところ、意外なことに、単純な質問にもかかわらず明確な答えが存在しません。

内服薬の処方上限も規定がないので、それと同じですね。

投薬量の基準は「保険医療機関及び保険医療養担当規則」により規定されています。このうち、内服薬については平成14年3月までは原則として1回14回分を投与限度とされていましたが、平成14年4月の改定により一部特殊な薬を除いては長期投与制限は原則撤廃されました。

現行はこんな感じです。

保険医療機関及び保険医療養担当規則(第二十条)

ヘ 投薬量は、予見することができる必要期間に従つたものでなければならないこととし、厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬については当該厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬ごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする。

その一方で、頓服薬に関しては以前から投与制限は設けられていませんでした。平成14年の改定でも言及されませんでしたが、内服の投与日数が長くなったので頓服の必要量も必然と増えることが予測できます。

以前は、10回分や14回分が限度とかのウワサに基づいた独自ルールで疑義照会を行っていましたが、いまはそこまで厳しくないようにおもいます。

頓服の投与量が明らかに不自然な量でない限りは疑義照会をしていないようです。

当薬局で一番多い頓服量として「レルパックス錠 56回分」です。他の内服薬の処方日数が56日分なので、毎日飲んでいる計算になりますが、頭痛発現時に使うから内服薬にはできないとの話でした。ちなみに疑義照会済みだそうです。

このレセプトをなんどか流してますが、いまだに引っかかったことはないです。

頓服薬の投与上限については、内服薬の調剤日数とのバランスから適切な投与量であるかを検討して、判断すればいいそうです。厚生労働省側から一律でこれ以上はダメというルールはないようです。

ちなみに、厚労省が頓服薬の投与量について超昔にだした通知があります。あんまり参考にならないけど載せときます。

頓服薬の範囲

1.頓服薬は、1日2回程度を限度として臨時的に投与するものをいい、1日の服用回数が2回以上で、かつ、服用に時間的、量的に一定の方針のある場合は、内服薬とする。頓服薬は、症状に応じて臨時的服用を目的として投与するものをいう。(昭24.10.26.保険発第310号)

2.十二指腸虫駆除の際に使用される四塩化炭素、チモール等は、投与方法が1日2回以上にわたり、時間的、量的に一定方針ある場合は内服薬とし、1回の場合は頓用とする。(昭24.10.26.保険発第310号)

頓服薬の限度が1日2回ていどって(笑)

ロキソニンやカロナールの1日3回までってよくみるけど、この通知をまもるのであれば内服にするべきなんだろうなってなりますね。十二指腸虫駆除薬とか意味分からないし。

頓服薬の薬剤料の計算方法

頓服薬は全量の薬価に10円で除して、少数以下を5捨5超入して算出します。

ロキソニン錠が10回分でてたとしたら、

1錠15.9円 × 10回 ÷ 10 =15.9点

5捨5超入して16点ですね。

内服薬の場合は1日薬価を計算して5捨5超入したあとで日数倍するから、5捨5超入のタイミングが決定的に違いますね。

ここ要注意です!!

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