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調剤料

オテズラ錠スターターパックの入力方法

最近、調剤薬局事務の記事が減ってきているので、ひさしぶりに調剤料について説明していきたいと思う。

ちょっと特殊な入力の薬が発売されるみたいなので、そちらを例に説明します。

それがオテズラス錠スターターパックです。調剤薬局事務としては、このスターターパックってくると入力身構えてしまいます。似たような入力例としてチャンピックスがありますが、あれも処方がくると一旦思考が停止しますよね。

スターターキットは入力に慣れていたとしても時間がかかってしまうのでレセコンにセット処方として登録しておくといいです。むしろレセコン会社がマスターにしてくれればいいのにとも思うが、まぁ、セット処方は薬局毎に使い勝手があるので、自分でつくるのが妥当だろう。

では、オテズラスターターパックの入力について見ていきます。

オテズラ錠スターターパックの内容

10mg× 4 錠
20mg× 4 錠
30mg×19錠
合計27錠

みるからに複雑そうでしょ?

オテズラ錠は、服用の開始日から6日間かけて毎日10mgずつお薬の量を増やしていきます。このように少しずつ量を増やすことで、飲み始めの頃に起こりやすいとされる吐き気や下痢、頭痛などの副作用の発現を抑えることができます。

1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目以降
10mg 10mg 10mg 10mg 20mg 20mg 20mg 20mg 30mg 30mg 30mg

オテズラ錠をはじめて服用する方には、この6日分を含む2週間分のお薬があらかじめセットされたスターターパックが処方されます。

患者さん的には簡便ですよね。でも、入力するときにはそう簡単にはいきません。スターターパックはあくまでも薬価収載された錠剤をひとつにまとめただけであって、実際に請求するときは内容物である錠剤を1つずつ用法毎に入力します。

ちなみにこれを処方箋に書き起こすとこうなる。結構ヤバイけど、こんなの医者も入力するのかな?

処方箋の書き方の例

(1日目)
オテズラ錠10㎎ 1T 1日分
朝食後(2日目)
オテズラ錠10㎎ 2T 1日分
朝夕食後

(3日目)
オテズラ錠10㎎ 1T 1日分
朝食後
オテズラ錠20㎎ 1T 1日分
夕食後

(4日目)
オテズラ錠20㎎ 2T 1日分
朝夕食後

(5日目)
オテズラ錠20㎎ 1T 1日分
朝食後
オテズラ錠30㎎ 1T 1日分
夕食後

(6日目以降)
オテズラ錠30㎎ 2T 9日分
朝夕食後

やばくないですか?意味不明ですよね。漸減の入力ですね。とりあえず処方箋通りに全部入力します。

やっかいなのが3日目と5日目です。朝と夕で服用量が変わります。

(5日目)
オテズラ錠20㎎ 1T 1日分
朝食後
オテズラ錠30㎎ 1T 1日分
夕食後

これを漸減でやってしまうと2日分カウントされてしまいますが、実際は1日分なので、先に1剤にまとめてしまいます。

ホントは分2の使い方だけど朝と夕で用量がかわるから分けて書かれています。請求するときはこれをまとめて1剤としてカウントします。

イメージはこんな感じ。

オテズラ錠 2T 1日分
朝夕食後(20㎎-30㎎)

ということで、3日目と5日目はまとめて1日分ずつになります。

まとめ終わったら全体を漸減で一括りにします。これで全部で14日分になるはずです。

よって調剤料も14日分ですね。

わたしなら、めんどくさいから調剤料は6日目以降の9日分だけ請求するかもしれない。少なく請求するぶんには薬局が損するだけであって支払基金からうるさく言われることはないとおもう。

もしくは、セット処方で作ってしまうのもいいとおもう。請求云々よりもまず処方を入力するだけでも相当時間かかる。さっき、処方箋例として書き出しただけで15分くらいかかってます。

もしくは、セット処方で作ってしまうのもいいとおもう。請求云々よりもまず処方を入力するだけでも相当時間かかる。処方箋例として書き出しただけで15分くらいかかってます。

そもそもスターターキット自体を薬価収載してくれれば簡単に済むことなんだけど。

スターターキットを薬価収載してくれたときの処方例。

処方例

オテズラスターターキット 1キット 1日分

ほら、簡単でしょ。

オテズラ錠(アプレミラスト)の値段は?

セルジーンから発売される乾癬の治療薬です。2017年3月に発売予定の新薬だそうですね。維持量での薬価は1日2000円ほどなので安くはないです。

商品名 薬価基準収載医薬品コード 薬価
オテズラ錠10mg 3999042F1025 324.2
オテズラ錠20mg 3999042F2021 648.4
オテズラ錠30mg 3999042F3028 972.6

1日薬価は2000円なので1ヶ月60000円です。3割負担18000円のプラス診察料で、月に20000円くらいってとこでしょう。

オテズラ錠ってなに?

乾癬の治療薬としていままでにないあたらしい作用機序のお薬だそうです。乾癬って塗り薬での治療がメインだで使いやすい飲み薬があまりないみたいで、新しくでた飲み薬は期待されています。従来の治療では、ステロイドの塗り薬やビタミンD3の塗り薬の塗布が主流なんだけど、それでも効果が不十分の場合に使えます。

ステロイド外用薬の例

  • アンテベート軟膏
  • デルモベート軟膏
  • フルメタ軟膏
  • リンデロンDP軟膏

ビタミンD3軟膏の例

  • ボンアルファ軟膏
  • オキサロール軟膏
  • ドボネックス軟膏

ステロイド+ビタミンD3の配合剤の例

  • ドボベット軟膏
  • マーデュオックス軟膏

こういったものを使っていても効果が不十分な場合は内服薬を使用します。

オテズラ添付文章より

効能・効果
局所療法で効果不十分な尋常性乾癬
関節症性乾癬効能又は効果に関連する使用上の注意
以下のいずれかを満たす尋常性乾癬又は関節症性乾癬患者に投与すること。
(1)ステロイド外用剤等で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者
(2)難治性の皮疹又は関節症状を有する患者

 オテズラ錠の作用機序

カテゴリーはPDE4阻害薬です。作用機序はPDE4を阻害します。

PDE4(ホスホジエステラーゼ4)は、主に体の炎症や免疫にかかわる細胞に多く存在する酵素です。PDE4は、cAMPと呼ばれる細胞内の情報伝達を担う物質をAMPという物質に分解することで、細胞内の情報伝達を調節しています。

cAMPは、免疫細胞で炎症反応にかかわるさまざまな化学伝達物質やサイトカインなどのメディエーターの産生を抑えています。乾癬を発症した皮膚ではPDE4が過剰に発現しており、cAMPの分解が亢進しているので細胞の中のcAMPの量が少なくなり、cAMPによって抑制されていた炎症性メディエーターの産生が亢進し、過剰な炎症反応が起こる結果、皮膚の症状があらわれると考えられています。

そこで、PDE4を阻害することでcAMPが分解されることを抑制して炎症メディエーターの産生を抑制します。

オテズラ錠の主な副作用

オテズラ錠では、吐き気や下痢、嘔吐などの消化器症状や、頭痛、鼻咽頭炎(鼻と喉で起こる炎症)や上気道感染(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛みなどの風邪症状)などの感染症が副作用としてあらわれることがあるそうです。

特に、飲み始めの頃には、吐き気や下痢、頭痛などが発現することがあります。これらの症状がでたら医師・薬剤師に相談しましょう。

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