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自家製剤加算 調剤料

クラバモックスの調剤料と自家製剤加算

クラバモックスは自家製剤加算とれるんじゃないかって議論があったので、

こちらで考察していきたいと思う。

自家製剤加算がとれるのは、錠剤→粉砕して散剤にしたり、カプセルを脱カプセルして散剤にしたり、剤形の変更を伴う調剤をした時に算定できる点数だ。

クラバモックスは最初は粉だけど水に溶かして調剤したら、

散剤→液剤になり剤形変更をともなうので自家製剤加算の摘要になるんじゃないかって話ですね。

そもそもクラバモックスは添付文書をみるとわかるけど水に溶いて使用することを前提としている薬です。

水にといて使うのが前提にあるんだから自家製剤なんてとれるはずない。

議論の余地なく無理なんだけど、とにかく作るのがめんどくさいからそれに対する手間賃が欲しいってことで勃発した議論だと思う。

結果から言うと無理なのですが、かわりにとれる点数があるので是非最後まで読んで下さい。

ひとまず、無理な理由も考察したので順を追って説明していきます。

自家製剤の定義

自家製剤とは、個々の患者に対し市販されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫(安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等必要と認められる添加剤の使用、ろ過、加温、滅菌等)を行った次のような場合であり、既製剤を単に小分けする場合は該当しない。

自家製剤加算が取れない場合の規定

薬価基準に収載されている医薬品に溶媒、基剤等の賦形剤を加え、当該医薬品と異なる剤形の医薬品を自家製剤の上調剤した場合に、次の場合を除き自家製剤加算を算定できる。

  • (イ) 調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合
  • (ロ) 液剤を調剤する場合であって、薬事法上の承認事項において用時溶解して使用することとされている医薬品を交付時に溶解した場合

そもそも名前がドライシロップなんだから特殊な技術工夫はなく水で溶くだけだ。

だからこれは自家製剤とは言わない。

そういえば分包品もあるけど、これは粉を粉のままわたすのだから自家製剤の検討の余地なく算定不可ですね。

取れない場合の(ロ)に明確に書いてありますね。「液剤を調剤する場合であって、薬事法上の承認事項において用時溶解して使用することとされている医薬品を交付時に溶解した場合」はとれません。

クラバモックスは添付文書にも用時懸濁の調整方法まで乗っているからまさにこれです。

余談ですが、これと同様にエコリシン点眼液、ベストロン点眼液、カタリン点眼液もこちらに該当するから自家製剤とはいえませんね。

せっかくなのでドライシロップについてもう少し深く考察してみる。

ドライシロップの調剤料は以下のとおりに規定されている。

調剤報酬点数表に関する事項より抜粋

ドライシロップ剤を投与する場合において、調剤の際に溶解し、液剤(シロップ剤)にして患者に投与するときは内服用液剤として算定し、散剤としてそのまま投与するときは内服用固形剤として算定する。また、ドライシロップ剤を水に溶かして同時服用の他の液剤と一緒に投与する場合は1剤として算定し、ドライシロップ剤を散剤として、同時服用の他の固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)と一緒に投与する場合も1剤として算定する。

ここにドライシロップの剤形が明確に規定されていますね。

そのままなら内服用固形剤で、溶解したら内服用液剤です。

ドライシロップは特別な加工をしなくても、もともと水剤でもあるし散剤でもあるんです。

クラバモックスの調剤料算定上の注意

ここで注意したいのが調剤料の取り逃しだ。

さっきの調剤報酬点数表に関する事項には▼調剤料の算定ルールとしてこのような内容も規定されている。

(イ)及び(ロ)にかかわらず、次の場合は、それぞれを別剤として算定できる。
① 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合

(イ)及び(ロ)とは、同じ用法は「1剤」にまとめるという内容だけど、
これの例外が①②ですね。

②をみると液剤と散剤は別剤で算定してい構わないという規定になっている。

どういうことかというと、

次の処方を見てみよう

処方例

クラバモックスDS 1.5g
ビオフェルミンR 1g
朝夕食直前 5日分

ぱっとみは飲み方1種類だから「1剤」の様におもえるが、

クラバモックスを溶解して水剤にしたら別剤としてもう1剤算定できるんです。

なぜなら、内服用固形剤と内服用液剤の組み合わせになるからです。

入力例

クラバモックスDS 1.5g
朝夕食直前 5日分
(コメント:溶解してわたし)

ビオフェルミンR 1g
朝夕食直前 5日分

このように入力して「2剤」算定することができます。

レセコン上は内服用固形剤2種類の認識になってしまうので自動では算定してくれません。

手動でとってあげましょう。返戻にならないように念のため摘要コメントを入れておくといいでしょう。

つまり

クラバモックスを溶解して出したときはだいたい別剤で調剤料を算定できるんです

自家製剤加算はとれないけど、調剤料をとれるのでこちらを調剤の手間賃だと思って調剤してみてはどうだろうか。

おまけ

クラバモックスの食前投与の理由

薬剤師に聞いて教えてもらった。

添付文書はこんな感じ

通常小児は、クラバモックスとして1日量96.4mg(力価)/kg(クラブラン酸カリウムとして6.4mg(力価)/kg、アモキシシリン水和物として90mg(力価)/kg)を2回に分けて12時間ごとに食直前に経口投与する。

食事の影響についても書いてある

薬物動態への食事の影響を検討した結果、AMPCは影響を受けにくいが、CVAは食直前の投与が良好なバイオアベイラビリティを示した。

クラバモックスはアモキシシリンとクラブラン酸カリウムの合剤なんだけど、クラブラン酸カリウムが食事の影響をうけるのでしっかりとした効き目をださせるためには食前がいいそうです。

もし食前で飲み忘れたら食後でいいので飲みます。

飲まないよりは飲んだ方がマシってこと。

クラバモックスと同じ成分が錠剤になったオーグメンチン錠ってのがあるんだけど、

こちらは同じ成分なのに食前という規定はなく毎食後に使われることが多い。

だから、

食前の方がよく効くんだろうけど、食後でも効き目がないわけじゃないから飲まないくらいなら飲んだほうがいい。

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