ドラッグストアに眼軟膏が売られていないのはご存知でしょうか?
ドラッグストアで働いていたとき「眼軟膏ありますか?」の質問をなんども受けてきましたが、その度に「ありません」とお答えしています。
繰り返します。ドラッグストアに「眼軟膏」はありません。
でもね、よくよくお客さんの話をきいてみると、お客さんが求めている商品ってホントの意味の眼軟膏ではないケースがほとんどです。欲しいのは目の周りに塗れる軟膏なんです。そう考えると必ずしも「眼軟膏」である必要はありませんよね。
お客さんは「目の周りに使う軟膏」=「眼軟膏」という前提で質問してくるので、こちらの想像する眼軟膏とちょっと認識が違ってきます。真に受けないで一歩突っ込んで話を聞いてみましょう。
目の中に入れることができる軟膏が「眼軟膏」なんです。
流石にドラッグストアにはないでしょ。清潔にして慎重に使うべきだし、目に軟膏が必要なケースは眼科を受診するべきだからです。
でもねドラッグストアでは「目に入れる軟膏」はありませんが「目の周りに塗れる軟膏」はあるんです。お客さんが欲しいのは十中八九後者の「目の周りに塗れる軟膏」です。
ということで目の周りぬれる市販薬を紹介します。
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目の周りに塗れる市販薬
ちょっとまえまではなかったのですが、ちょっと前に発売になりました。
むかしは会社の勉強会では"目の周りの塗り薬"をきかれたときには受診勧告って言われているので無条件でパスしてけど、満をじして目の周りにぬってもいいですよってパッケージに書いてある商品が小林製薬から発売されたのでこれからはこちらを勧めます。
商品パッケージに目の周りのイラストが書かれていますね。そこに"目の周りにも使える"ってしっかりと書いてありますね。amazonの商品ページなら画像拡大してみることができます。
眼軟膏をお買い求めになりたい方は、目の周りの"かゆみ""かぶれ"を改善したい方がほとんどなのでこちらの商品でかゆみ・かぶれどちらにも対応できます。
花粉症の時期になったら"目の周りのかゆみ止め"っていうキャッチフレーズで花粉症のインプロに組み込めば売れることまちがいなしですね。だって、いままで花粉症のときに目の周りのかゆみ止めで販売できるもの無かったんだから完全にプラスワン商材です。
有効成分
ウフェナマート
ジフェンヒドラミン
グリチルレチン酸
ウフェナマートという成分が一番上に記載されているので主となる成分なのでしょう。ウフェナマートは非ステロイド性抗炎症薬といってステロイドが入っていない炎症やかぶれに使える成分です。
ステロイドが使えない症状やステロイド嫌いな方によく登場する成分ですね。医療用だとフエナゾールクリームやコンベッククリームなんかに使用されいている成分です。
ジフェンヒドラミンはかゆみ止めの成分です。眼の周りのかぶれは、かゆみでこすってしまったことによって起こる場合がほとんどなので、かぶれの元になる痒みを断ち切るために配合されています。ステロイドであれば炎症と痒みを同時に改善しますが、ノンステロイドなので別々に配合されています。
ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬というカテゴリーの薬でアレルギーによって引き起こされる症状を楽にしてくれます。これで効き目が見られないようならステロイド使ったほうがいいかもしれませんが、市販薬では目の周りに使えるステロイドないので眼科か皮膚科受診してください。もしくはかゆみ止めの飲み薬なんて選択肢もあります。
飲み薬なら目の周りだけでなく全身の痒みを改善してくれます。かゆみが広範囲の方にはおすすめですね。
ムヒAZ錠は有効成分がアゼラスチンなので医療用でいうところのアゼプチン錠と同じ成分のものが使われています。
ちなみに花粉症にはこちらのアレルビナ錠がすごくオススメです。有効成分はフェキソフェナジン錠なので医療用のアレグラ錠と同じ成分が同量配合されていてお値段がとてもリーズナブル。
56錠で1300円(税込み・送料込み)なので、もうフェキソフェナジンの価格破壊です。同成分同量配合なのにアレグラの1/4程度の価格しかしません。
もし花粉症で目がかゆくてこすってしまうことで目の周囲がかぶれてしまうなら、簡単に予防する方法がある。
それがこちらです。
半信半疑で買ったんだけど、お出かけ前に顔にシュッとするだけで、その日の症状が全然違います。お値段と使い勝手がともにお手軽なので紹介しておきます。
グリチルレチン酸もウフェナマート同様に炎症や赤みを改善してくれます。医療用で言うところのデルマクリン軟膏やデルマクリンクリームに使われているものと同じ成分です。
キュアレアで注意しておきたいのが、いくら目の周りに使えると言っても眼軟膏ではないので目の中に使うのは絶対にやめましょう。
目の周りに市販薬をむやみに使わないほうがいい理由としては目の周りって皮膚がすごく薄くて薬の吸収がとてもよいので注意して薬を使わないといけないからです。それでも使えるということはやはり効き目が緩やかなものになります。もっと効き目がしっかりとしたものが使いたい場合はステロイドの塗り薬なってくるので眼科や皮膚科を受診しましょう。
眼科や皮膚科では眼の周囲にステロイドの塗り薬を使用することがありますが、この場合は比較的弱いランクのものが選択されます。というか最弱ランクですね。
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キュアレアaの効能効果
キュアレアaの添付文書によると「湿疹、皮ふ炎、かゆみ、かぶれ、ただれ、あせも、おむつかぶれ」に使用することができるようです。
パッケージからは目の周り専用薬のイメージを受けますが弱めの痒みや炎症をとる薬だと考えると"あせも"や"おむつかぶれ"にも使えます。使い勝手の良い薬なので常備薬としてもっておいてもいいかもしれないですね。
他にもある顔に使えるかゆみ止め
目の周りにつける商品がキュアレアにつづいて続々登場しています。ちょっとずつ成分が違うみたいなので紹介しておきます。
勝手な想像ですが商品名がかゆみに効きそうな名前してますね。たまたま想像しただけでメーカーは意図していないのかもしれませんが。
有効成分
- ジフェンヒドラミン塩酸塩:かゆみの原因に作用
- リドカイン:かゆみを鎮める
- アラントイン:赤み・炎症を抑え、皮ふの修復促進
- グリチルリチン酸二カリウム:赤み・炎症を抑える
以外なことにキュアレアaと違ってNSAIDS(ウフェナマート)入ってないんですね。その代わりリドカインが入っています。うーん、どっちがいいんでしょう。判断に悩むところなので明言は避けておきます。ちなみに、リドカインというのは局所麻酔薬です。痛覚を麻痺させるんだけど、かゆみと痛みは似たものがあって、リドカインは痛みだけでなくかゆみも和らげてくれるんです。
カユピットはリドカイン濃度がうすいので痛みにまで効くかはわかりませんが、成分的にはそういう成分になります。
まだまだある顔に使えるかゆみ止め
IHADAシリーズは資生堂の薬品部門である資生堂薬品から発売されている医薬品です。
こちらも目の周囲に使うことができます。有効成分は3種類です。
- ウフェナマート:非ステロイド性の抗炎症成分。肌の表面と内部の炎症部位に直接作用し、原因物質を抑え、炎症を鎮めます。
- ビタミンA油(レチノールパルチミン酸エステル):皮膚の代謝を高めて、なめらかな肌にします。
- トコフェロール酢酸エステル:ビタミンE誘導体。血行を促進し、患部の修復を助けます。
他のと比較するとなんか微妙に違うんですよね。ウフェナマート入ってるけどジフェンヒドラミンが入ってないですね。その代わりにビタミンAとEが配合されています。
IHADAシリーズにはヘパリン類似物質とかゆみ止め配合の乳液もあります。
商品紹介
4つの医薬品有効成分が肌に浸透します。
(1)ヘパリン類似物質:保湿
(2)ジフェンヒドラミン:かゆみ抑制
(3)アラントイン:組織修復
(4)トコフェロール酢酸エステル:血行促進
乳液だから保湿効果がないと困りますよね。だからヒルドイドローションに使われている成分と同じヘパリン類似物質が保湿剤として配合されています。さらに、かゆみを止めるために抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンも配合です。もちろんステロイドははいっていません。
顔に使えるヘパリン類似物質の乳液ということで重宝できますね。冬場はとにかく保湿してかゆみがでないように予防していくのが大切です。
1番のおすすめ
個人的に1番は決まってるんだけど、明言は避けますね。
どれもステロイドは入っていません。OTC薬では目の周りのステロイド薬の販売は禁止されているので、目の周りにつかえるステロイド薬とでかでかと書いてある商品はありません。
顔用のステロイドがないだけで体用のものは沢山種類がありますね。
ネオメドロールEE軟膏・サンテゾーン軟膏・タリビット眼軟膏と同じ市販薬はないのか?
よくきかれる質問なのであえて個別に書きました。結論から言うと市販薬に眼軟膏はありません。
ネオメドロールEE軟膏はウィークランクのステロイドと抗生物質の合剤です。サンテゾーン眼軟膏もウィークランクのステロイドですが抗生物質は配合されていません。
タリビット眼軟膏はステロイドではなく抗生物質です。そうそうリンデロンシリーズの中にも眼に使える軟膏があります。眼・耳科用リンデロンA軟膏は"眼"って書いてあるので眼軟膏なんですかね?
これはステロイドと抗生物質の配合剤です。
キュアレアは眼軟膏ではありませんが目の周りのかゆみやかぶれに使えます。抗ヒスタミン薬と非ステロイド性抗炎症薬の合剤なのでどの眼軟膏とも違った成分になりますね。ステロイドか抗生物質の眼軟膏がほしければ受診しましょう。
また点入したければ受診して専用の薬をもらいましょう。
顔に使うことがあるステロイドの薬
顔用のステロイドは市販薬にはありませんので探してもムダです。医療用で一般的に使われている顔のステロイドを紹介しておきます。
ロコイド軟膏、アボコート軟膏、レダコート軟膏、キンダベート軟膏、アルメタ軟膏
こんなとこですかね?
ステロイドのランクのウィークからマイルドが使われます。これよりも強いものとしてリドメックス軟膏も使われることがあります。リドメックスになってくるとストロングになってきます。顔に使うなら医師の指示のもとに使う必要があります。
ちなみにリドメックスの成分であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは市販薬にあるけど、もっぱら虫刺されようですね。顔用というのはありません。
ロコイド軟膏のヒドロコルチゾン酪酸エステルも同様です。市販薬にありますが、用途はもっぱら虫刺されですね。
ロコイド軟膏と同じ成分の市販薬
せっかくなのでロコイド軟膏と同じ成分の市販薬を紹介しておきます。
商品の特徴
・ロコダイン軟膏は,抗炎症作用をもつヒドロコルチゾン酪酸エステルを主成分とする外用副腎皮質ホルモン剤で,皮膚の炎症を抑え,腫れ,かゆみなどに効果があります。
・ロコイダン軟膏は,湿疹,皮膚炎,かぶれ,かゆみ,虫さされ,じんましん,あせもに効果があります。
医療用のものと比較すると有効成分の濃度が半分ですね。同じ成分でもあくまでも違うものなので、こちらは顔NGです。アトピー性皮膚炎も書いてないのでNGですね。
ちょっと前は、キンダベート軟膏と同じ成分の市販薬にキンダロン軟膏ってのがあったんだけど、薬事法の改正でOTCでは販売できなくなってしまったので、現在キンダロン軟膏はドラッグストアで購入することはできません。
使いやすい薬だったのに残念です。
キンダベートもロコイドも同じようなものだと思うのに市販になるかどうかの境界はむずかしい。強さじゃないんですよね。強さだけ見たらリンデロンVやリドメックスの方がよほど強いのに同じ市販薬ありますからね。