薬局内はかかりつけ薬剤師にならないとヤバイという話題でもちきりです。
ということで、かかりつけ薬剤師にならないとどうなるのかを考えてみます。
考える前提ですが、患者サイドではなく薬局の経営サイドからみていきます。たぶんなんだけど、かかりつけ薬剤師がいないときの患者のデメリットはほとんどないとおもう。
かかりつけ薬剤師制度は有料で薬剤師を強制指名できる制度なんだけど、かかりつけ薬剤師になってもらわなくても相談に乗ってもらいたい薬剤師に声をかければいいだけだし、指名したくなければいままでとかわらないので、現状のサービスに満足しているのであれば患者サイドのデメリットはありません。
では、このかかりつけ薬剤師にならないと薬局はどうなってしまうのでしょうか?
まずかかりつけ薬剤師になるかならないかの判断は薬剤師個人各々で判断すべきことなんだけど、会社側としてはなってもらわないと運営がこまるのでなってほしいわけです。
かかりつけ薬剤師をしないことによる薬剤師のデメリット
おそらく、会社からなるよう圧力がかかるので、ならないと会社からの評価が著しく下がります。
また転職する時に絶対に不利になります。
薬剤師のデメリットはこれくらいだから、おおもとの会社が被るデメリットを見ていく。
かかりつけ薬剤師(かかりつけ薬局)業務をしないことによる会社のデメリット
デメリットというよりはやる気のない薬剤師による会社への被害ともいえるでしょう。
調剤基本料の減算
調剤基本料はすべての処方せんの受付について算定できる、いわば処方せん受付料のことです。
薬局の収益のもっとも基礎となる点数なのですが、かかりつけ薬剤師業務をまったくしないと、こちらの点数が1/2に減額されてしまいます。
つまり、41点が20点(21点?)になってしまうのです。
もし月1500枚ほど処方せんを応需しているなら月額30万円の減収です。やばいでしょ?働いている人たちみんなお給料減らされちゃいますよ。
月30万円の減収なら、かかりつけ薬剤師とるつもりない人やめさせて、かかりつけ薬剤師を雇ったほうがいいかもなんて思われちゃうかもよ。さっき、ならないと会社からの評価が著しく下がるといったのはこういうことです。
大手チェーンの基本料減算
特定医療機関の集中率の高い薬局や大手チェーン薬局は、調剤基本料2や3といった低い点数になるけど、かかりつ薬剤師業務を率先して取り組んでいる薬局は特例除外といって、通常の薬局(調剤基本料1)と同じ点数を算定できるようになる。
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具体的には、薬局の勤務薬剤師の50%以上がかかりつけ薬剤師に適合・かかりつけ薬剤師等の実績が相当数あれば、集中率とかで引っかかっても免除されて調剤基本料1の高い点数がとれる。
つまり、
大手チェーンの生き残りのキーワードが"かかりつけ薬剤師"なんです。
かかりつけ薬剤師にならない薬剤師の評価を下げるのか、かかりつけ薬剤師の評価を上げるのかは会社によって対応は違うとおもいますが、どちらにせよこれからの薬局薬剤師は、かかりつけ薬剤師をもつものともたざるもので待遇が異なってくるのは間違いないでしょう。
基準調剤加算の算定要件にもかかりつけ薬剤師
施設基準の算定要件にもかかり薬剤師がはいりました。
基準調剤加算の届出をしようと思ったのなら、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準の届出を行っていることが要件になります。
また、調剤基本料1を算定していることも要件になるので前述したような大手チェーン薬局の大型門前薬局はかかりつけ薬剤師に力をいれないと、基本料も低いだけでなく基準加算もとれないのです。
だから、さっきも言ったけど大手ほどかかりつけ薬剤師になるように圧力がかかるでしょう。会社も死活問題だから率先して薬剤師が認定薬剤師になれるよう補助や福利厚生を整えるはずです。
かかりつけ薬剤師になるにはどうすればいいの?
- 薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週32時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に半年年以上在籍していること。
- 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
- 医療に係る地域活動の取組に参画していること。
とりあえず、この3つの要件をクリアすることですが、ここでネックになるのが研修認定薬剤師です。これを取得するためには膨大な時間の研修が必要で今年4月からスタートするにあたってすぐに取得できるようなシロモノではありません。
だから、この研修認定薬剤師をもっている人がこれからとても重宝され転職でも有利になります。
しかし、安心して下さいいま焦っているあなたへ、やっぱり今年の4月からというのは時期尚早でお国の方もわかっているみたいです。
おそらく、
研修認定の取得に関する規定について厚労省は、一定の準備期間が必要だと判断し、2017年4月1日から実施することになるそうです。
>>参照:https://www.mp-learning.com/pdf/information/TOP000065.pdf
1年の準備期間をもうけるのです。そうでもないと、該当する薬剤師がほとんどいないことになってしまいますからね。
研修認定薬剤師を取得するための方法はこちらの記事でどうぞ