医療従事者ならわかるとおもうけど、ボールペンと付箋って自分で買うことないですよね?
だって、無料でたくさんくれるんだもの。
でもね、それもいまだけかもしれない。近い将来、ボールペンやメモ張を自分で購入しないといけない日がくるかもしれない。
というのも、どうやら来月(平成27年10月)から製薬会社がくれるボールペンや付箋(ポストイット)などの販促品に医薬品名(製品名)が入れられなくなってしまうそうです。
ちなみに、薬品名はダメだけど会社名ならいれてもいいよってことなんだけど、会社名いれても宣伝効果はあまり期待できなさそうだから、そうなると製薬会社は販促品をだすの辞めちゃうかもって話。
すべてなくなるわけじゃないと思うけど、確実に減りますよね。
なんでこんな風になったのかは詳しくは知らないけど関係ありそうなことを書いてみる。
医療用医薬品の広告について
まず大原則なんだけど、医療用医薬品(処方箋薬)って一般の方に広告してはいけないことになってる。
だから、一般の雑誌に病院の薬の広告でてるのみたことないでしょ?テレビCMでも処方薬のCMはみたことないでしょ?
つまり、そういうこと。
勘違いしないでほしいのが、医薬品のCMがダメなわけではないですよ。
OTC薬みたいなそもそも大衆向けの薬は広告して大丈夫です。ルル、パブロン、ベンザブロック、プレコーワとかの風邪薬のCMみたことあるんじゃないでしょうか?
あれは市販薬だからいいんです。今回は処ほう薬のお話ね。
医療従事者には医療用医薬品の広告してもいいから、薬局に届く医療従事者向けの雑誌には新薬が発売されるたびに多くの広告が掲載されます。
で、ボールペンの話なんだけど、あれって広告目的なわけ。
でも、医療従事者にしかわたしてないから医療従事者あての広告は許されるはずなんだけど、よくよく考えたら、あれって一般の人の目にも入るでしょ?
診察室内に置いてあるカレンダーやマグネットや付箋って嫌でも目に入ると思うんだ。薬局でも患者の前でボールペン取り出したら患者の目に入るでしょ。
そういう意図もあって、ボールペンに薬品名を印字して配ってるんだろうけど、やっぱりこれが一般の方への広告とみなされたらそれまでなわけで、いままではグレーゾンだったけど今回はそれが引っかかって差止められたのかなと思ってる。
余談なんだけど、
これと同じような感じで、製薬会社のホームページって医療従事者と一般の方向けと2パターンでサイト構成されているところがほとんどだと思うんだ。
医療従事者のページを閲覧するときには、あなたが医療従事者かどうかを確認するポップアップがでてくるはずです。
医療用医薬品についてのページは広告に該当しかねないから一般の方のアクセスを排除しないといけないからなんだと思う。
ちなみに、製薬会社の一般の方向けのページは病気について詳しく書いてあることが多い。病気についての説明なら医薬品の広告に該当しないけど、病気についての知識を深めてもらって受診してもらうことでその関連する医薬品を使用してもらえるかもしれないというわけ。いわゆるDTC広告ですね。
テレビCMでも似たようなのありますね。
例えば、
「それは逆流性食道炎かもしれません?受診してみては?」とか、「にきびの治療は皮膚科へ」とかね。
こんなの会社名がわかれば何の医薬品名を示唆しれているか見る人が見れば一発でわかります。
DTC広告っていうんだけど、一定の症状を挙げて、それが病気であるということを示すことによって病識を持たせ、それを治療できる医薬品があるということを示す広告ですね。
医薬品名に直接言及してないからセーフなわけ。最近、流行りですよね。
なんか大幅に横道にそれてしまったけど次のテーマに入ります。
医療用医薬品の製品名の広告規制って何の法律が根拠になるのかな?
医薬品といえば薬事法だと思うんだけど、実は、今回の件は薬事法で規制しているわけではないんです。
一部は、薬事法で規制しているけど、すべてではないって微妙なあれね。
薬事法
第六十七条(特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限)
第六十八条 (承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
薬事法の広告関連はこの3条文なんだけど、内容を引用すると長くなるからタイトルだけね。詳しくはググってみて。
つまり、薬事法で処方薬の広告規制は「がんその他の特定疾病に使用される医薬品」だけってこと。
これってホントに一部だけでしょ?
では、なんの法律で医療用医薬品(処方箋薬)の一般消費者への広告を規制しているのか?
実はね、規制する法律はないんです。
その代わり、行政通知が出てますね。
医薬品等適正広告基準(昭和55年10月9日薬発第1339号厚生省薬務局長通知)
医療用医薬品等の広告の制限
(1)医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用することを目的として供給される医薬品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないものとする。
つまり、一般消費者に対する医薬品の広告は、行政指導によって制限されているのだ。
おまけ
販促品っていろいろあるよね
まず、薬局の人って文房具を買うことはほとんどないと思う。なぜならメーカーからもらう販促品でほぼすべてがまかなえてしまうから。
ボールペン、メモ帳、付箋、テープのり、修正テープ、ハサミ、電卓、定規、ホチキス、鏡、時計、温度計、S字フック、メモ帳などなど
ティッシュペーパーとかも買わずに販促品だけでまかなう薬局もあるとかないとか。
薬局オープンするときはここぞとばかりにもらったりします。例えば、壁掛け時計とかレジのお金を受け取るトレーとかね。
どうやら、開局セット一式みたいのがあるとかないとか。
ボールペンと付箋に関してはもうそれはそれは膨大な数の頂き物がストックされています。
また、ボールペンも3色、4色ペンとけっこー豪華なものだったりします。
ちなみに、わたしは学生のころからジェットストリームのボールペンの大ファンなので自分用に数本確保しています。
なんかまとまりがないけど今回はこれで以上です。
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