薬局ウラ事情

医療費控除するから明細書を発行してくださいへの違和感

医療費控除の調剤明細書こんにちはジム子です。

調剤報酬改定の時期が近づくとともに、確定申告の締め切りも近づいて参りました。

いっぱいいっぱいな時に限ってブログを更新したくなる不思議。

今回は、確定申告ネタにからめた薬局あるある「明細書(再)発行してください」についてです。

1、2月になると、なぜか患者さんに明細書発行をせがまれることありませんか?

それも、さかのぼって1年分とか、いったい何につかうのでしょうか?

明細書くらい快く無料で再発行してあげればいいんだけど、1年分ともなるとさあ大変です。

だって、年間領収証とかと違って、まとめてでないもん。

受付ごとに1枚ずつ印刷していたら途方もない時間がかかります。手間をかんがえるととてもじゃないけど快く受け入れられるものではありません。

ということで、そういう方がいらっしゃたら、まずは「明細書を何につかうか?」詳しくお話を聞いてみるといいです。

経験上かえってくる答えのほとんどが「確定申告(医療費控除)」でつかうです。

なるほど「医療費控除」ですね。

自己負担した医療費の一部が税金控除で返ってくるというアレです。

そうすると、申告するための自己負担金を知る必要がありそうです。

でも、ちょっとまって!!

調剤明細書には自己負担金は書いてありません。ただ点数が書いてあるだけなので、ほんとにソレでいいんでしょうか?

自己負担金が知りたいなら年間領収書のほうがずっと見やすいし使い勝手もよい。なにより発行の手間を考えるとこちらとして助かります。

そういうわけなので確定申告につかうならなら年間領収証を提案したいわけですが、そうは問屋が卸さないのです。

自己負担金の記載がない旨を一生懸命説明しても、かたくなに「明細書」がほしいという方が一定数いらっしゃいます。

いったいなぜでしょうか?

それは「役所で明細書が必要といわれた」からだそうです。

なるほど、私でも、お役所と薬局を天秤にかけたら役所を信じると思います。

このままでは平行線です。

では、お役所は明細書に何をもとめているのでしょうか?

それはズバリ「その人が負担した医療費の内訳うちわけ(明細)」です。

薬局の会計の明細が知りたいわけではなく、その人の医療費の内訳(明細)が知りたいだけなんです。

つまり、コレ(医療費控除の明細書)▼です。

国税庁医療費控除の明細書の書き方など:令和元年分 確定申告特集より

こちらは国税庁のHPよりPDFをダウンロードできます。

しっかりと「明細書」と記載されており、どこからどう見ても明細書です!!

つまり明細書違いだったのです。

ただ、これについては薬局がわたすものではない。患者自身で準備して記載するものです。

薬局が、患者に「明細書」を発行してくれといわて、まずコレはでてこないよね。

もちろん印刷してわたしてもいいし、求められるがまま調剤明細書をわたしてもいい。それは薬局しだい。

この「医療費控除の明細書」の提出が義務付けられたのは「H29年」からなので、つい最近のことなんですね。

理解していない人もすくなくないから、誤解を解いてあげるのもいいかもしれない。

ちなみに、

重要ポイント

平成29年分の確定申告から、「医療費控除の明細書」の添付が必要となり、医療費の領収書の添付又は提示は必要ありません。

ただし、明細書の記入内容の確認のため、確定申告期限等から5年間、税務署から領収書(医療費通知に係るものを除きます。)の提示又は提出を求める場合がありますので、領収書はご自宅等で保管してください。

なんと、申告するにあたって領収書すらもいらないのです。

一番シンプルに医療費控除を申請する方法は「医療費通知」の利用だと思います。「医療費通知」は健康保険組合から送られてくるあれです。

病院の受診履歴も、薬局の履歴も、家族の履歴も一枚の紙にまとめられている便利アイテムです。

これを添付することで明細書の記入さえ省略できます。

患者さんの求めに応じて調剤明細書をわたすのは簡単だけど、せっかくだから何につかうかまで確認すると、お互いの手間が減るのではないでしょうか。

さいごに

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