公費医療

生活保護の処方箋を受けた時の薬局の流れ

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こんにちは。ベテラン調剤薬局事務のジム子です。

今回は、生活保護にかかわる処方箋をあずかったときの薬局の対応についてです。

生活保護を受けている人は基本的には医療費が免除されます。病院の診察代治療代だけでなく薬局でもらうお薬代もすべて無料です。

なので、普通の処方箋とちょっとだけ扱いが変わってきます。

生活保護法とは

生活保護法(法別番号:12)は、資産や能力など全てを活用しても生活に困窮する方に対して困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保証して、その自立を促す制度です。

保護の種類には8つの扶助があります。

8つの扶助

①生活扶助、②住宅扶助、③教育扶助、④医療扶助、⑤介護扶助、⑥出産扶助、⑦生業扶助、⑧葬祭扶助

薬局で使用される扶助には医療扶助介護扶助があります。

日本がほこる国民皆保険制度のもと、日本国民のほとんどが保険証と保険番号をもっているけど、その数少ない例外が生活保護者です。ほとんどの場合が保険証をもっていない。ただ、ややこしいことに保険証と併用する場合もあるので覚えておきましょう。

国民健康保険や後期高齢者医療と生活保護とは併用できないから、これらの被保険者が生活保護になったら自動的に国民健康保険の資格を失います。

社会保険(職域保険)は生活保護と併用することができます。併用しても会計がないことはかわらない。高齢者は国民健康保険や後期高齢者医療がおおいからほとんど生活保護法単独です。

生活保護のひとのほとんどが公費単独なので医療保険と併用されているのをみるとレアケースだなぁとおもってしまう。

生活保護が適用される処方箋のパターン

①生活保護単独の場合の医療費
公費100%

②医療保険と生活保護併用の場合
医療保険70% + 公費(生活保護)30%

③医療保険と他の公費と生活保護
医療保険70% + 感染症法25% + 生活保護5%

生活保護法の適用の優先順位は一番低いので併用するときは医療保険と他の公費が優先されて残りが生活保護法の医療扶助で充当される。

いずれにせよ自己負担はありません。

保険証と保険証番号がない人は公費番号欄に記載されている12(イチニー)からはじまる受給者番号にもとづいて単独で請求することができます。

生活保護の処方箋を受け付ける薬局側の要件

まず生活保護の処方箋を受けつける大前提として薬局が生活保護法の指定医療機関にならないといけません。

もし薬局が指定を取っていないのに処方箋を持ってきた場合は受け付けることができません。もしかしたら自費でうけてもいいのかもしれないけどわかりません。

生活保護法の指定医療機関になるのは簡単で、管轄の市役所(保健所)に申請書を提出するだけです。

要件は、保険薬局であることくらいです。

ほとんどの薬局は新規開局と同時に指定を取るので、指定をとってない薬局はほぼないと思います。無料でなれるので指定をとらないメリットがありません。指定をとってないとしたら申請忘れもしくは、生活保護法の処方箋が嫌で故意にとらないかですね。

患者側の要件

生活保護をうけている方が医療機関を受診する場合は、原則担当の市役所(福祉事務所)でこれから受診する病院や薬局を告げて、医療券・調剤券を発行してもらいそれをもって受診することになっている。

でも、

病院を受診する時は緊急であったり、夜間は福祉事務所がやっていないなどの理由もあり、ほとんどの生活保護患者さんは医療券・調剤券をもってくることはない。

①調剤券をもって薬局に来た場合

これは簡単。

処方箋に記載されている受給者番号と調剤券に記載されている受給者番号を照合して、あっていることを確認してレセコンに登録すれば会計0でお渡しすることができます。

ほとんど公費単独なので保険番号は入力せずに12の番号だけを入力してレセプト請求します。

余談だけど12から始まる公費番号は生活保護を意味しているので、生活保護医療のことを現場ではイチニーと呼びます。

②調剤券をもたずに薬局に来た場合

担当の福祉事務所に連絡して調剤券を発行してもらいます。

福祉事務所は患者が受診しているのかどうか把握してないので、それを伝える意味でも毎回連絡します。連絡は初回は電話で2回目以降はFAXで済ませることが多い。

また処方箋が来るたびに連絡するのは大変なので、月末に複数名分をまとめて請求します。そうすることで福祉事務所の手間も減らすことができます。

本来であれば、調剤券の発行を待ってから薬を渡すべきなのだが、時間がかかってしまうので、先に薬をわたして調剤券が郵送されるのを待つというケースがほとんどです。

受給者番号はあまりかわることはないのですが、毎月かわる可能性はあるので、毎回調剤券と照合する必要があります。レセプトを送るのはかならず調剤券が届いてからにしましょう。

注意点

調剤券をもってきたとしても、調剤券は、福祉事務所が使える調剤薬局を指定してから発券するので、自分の薬局名が記載されている調剤券でないと受け付けることができません。

もし、間違って調剤を済ませてしまった場合は直ぐに福祉事務所に連絡しよう。新しいものを発券してくれるかもしれない。

医療機関ではじめて生活保護の患者が来院された場合の対応

調剤薬局の場合は処方箋に番号が記載されているから、はじめての患者さんでも処方箋の記載どおりに調剤すればいいだけなので簡単です。

では、病院やクリニックは、はじめての患者さんが医療圏を持たずにきた場合はどう対応するのでしょうか?

まずクリニックは患者が生活保護を受けているという患者の自己申告だけでは無料で診察をすることはできません。これでできてしまうなら、誰だって窓口で申告すれば診察費が無料になってしまいます。

初回は、かならず確認が必要です。その確認によく使用されるのが「診療依頼書」です。「診療依頼書」は調剤券・医療券よりも簡易的なもので、患者が管轄の市役所で相談すればすぐに発行してくれる。

診療依頼券があれば、受給者番号はわからなくても生活保護を受けているということは確認できます。これで番号がなくても暫定無料で診察をおこなうことができます。

もし、この「診療依頼書」すらも持ってきてない場合は病院から役所に連絡して生活保護の有無を確認します。

生活保護の処方箋は原則ジェネリック医薬品でわたさなければならない

タイトル通りですね。

生活保護の処方箋は原則ジェネリックが生活保護法の条文に明記されています。

参考生活保護におけるジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進についてご協力のお願い

生保の処方箋で患者負担金がないのは国民の血税から支払われているからに他ならない。

だから国の医療費削減のため、金額をなるべく安くしてもらうためにジェネリック医薬品を推奨しています。

自己負担がある人は少しでも会計を安くしたいという理由でジェネリックを選ぶけど、会計がない人はそういったことには無頓着です。そこで国の方針として生保の処方箋は原則ジェネリック医薬品使用を義務付けています。

ただ、ジェネリックにしたくないという人も中にはいて、人権ってのがあって、それを無視することはできない。生保の人が先発品を希望したからと言って、とくにペナルティーがあるわけはない。

先発希望するならジェネリックとの差額を支払うよな制度にしないといけないとおもう。お金を支払って先発を希望するという選択肢があれば人権どうこうはクリアできるのではないでしょうか。医療保険のひとも金額が高くなるのを了承して先発を選択しているのだから同じことだと思います。

以前は、どうしても先発品を希望する人には、先発品を希望する理由をアンケートで書いてもらい、拒否した場合は拒否したアンケートを福祉事務所に提出することになっていました。

生活保護の給付元に状況を伝えることで、給付元から本人にジェネリックを使うように指導してもらうのですが、たぶん手間だったんでしょうね。この制度すぐになくなりました。

そのかわりに、以前からレセプト請求するときに一般名でかかれた処方箋が先発品で調剤された場合は理由を明記する仕組みがあるので、これを応用してアンケートのかわりにレセプトデータと一緒に福祉事務所につたわるシステムになりました。

でも、これほんと意味ないです。

あのレセプトにのせるコメントってめんどくさすぎて真面目に書いてる薬局はすくないとおもう。全部患者都合のためですませているところは多いのではないでしょうか?それでも指導が入らないのは・・・ほとんど指導しないのでしょう。

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