意外と知られていないけど、ハチミツやオリーブオイル、ゴマ油、ハッカ油、チンク油、ウイキョウ油、ラッカセイ油、ツバキ油、ヒマシ油は薬価収載されているので、健康保険を利用して処方することができます。
医療用ハチミツ
様々メーカーが出していてメーカーによって薬価が異なります。
一部の薬価を紹介
ハチミツ(健栄):10gで薬価12.8円
ハチミツを保険診療で処方するときの効果効能はどうなるのか?
<用途>医薬品添付文書より
へー、これだとよくわからないけど、
風邪の時に小児科医が処方することがあります。
ハチミツ 3g
喉がいたい時 10回分
ハチミツは喉の痛みや軽い咳などに効果があると言われていて、子供に舐めさせたり、お湯で飲ませたりして使います。
家にあるハチミツでも構わないのですが、医師が処方した方がなんだか効きそうというプラシーボ効果が発生しますよね。あと医師の処方だとコンプライアンスが格段に上がります。
病院側は栄養剤ってことで出すのかな?よく分かりません。
いちおう注意しときたいのがハチミツは1歳未満の幼児にはボツリヌス菌の毒素に耐えられず、中毒を起こすことがあるから1歳未満の乳幼児には禁忌になります。
ちなみに外用剤としても使えます。
ハチミツ 10g
口角に塗布
ハチミツは炎症を和らげ傷の治りを良くすると言われており「皮膚の保護剤」としても使用できるので、塗り薬として処方することも可能です。
ちなみに、単シロップのみを単独で処方したときは調剤料はとれないので薬剤料だけを算定します。
これは単シロップの効能効果は「矯味のため」しかないので、あくまでも他の薬剤の味を良くするためにしようします。単体での使用を前提としていないためです。
ハチミツはというと栄養剤としての用途や皮膚の保護剤の用途があるので、単独でも通常の医薬品と同じような扱いで処方&調剤できるのです。
内服薬としても外用剤としても使用することができ当然調剤料を算定できます。
ただし、矯味の目的で処方されたときは調剤料取れないので注意。
ハチミツなら医薬品でも家庭用でも大差ないので、自分で使うときにはスーパーで売っているハチミツをたっぷり使います。オススメの使い方で、もし喉が喉が痛い風邪で葛根湯をもらったらたっぷりのハチミツと一緒にお湯にといて飲んでみて下さい。葛根湯の構成生薬には「生姜」がたっぷりはいっているので即席のハチミツしょうがの味わいで美味しくいただけます。
風邪の栄養補給にもなり一石二鳥。
もう一つ、口内炎にぬるという使い方もあります。ハチミツには消炎作用と殺菌作用があるので民間療法の一種ではあるがなかなか効果的です。最初はシミますがすぐに痛みが引いてくるのが実感できます。もともと食品なので安心して使えますよね。
ちなみに、口内炎といえばステロイドですが、ステロイドぬったからといって早くな治るわけではない。
医療用オリーブオイル
オリーブオイルという商品名ではないのですが、オリーブオイル製剤としてオリブ油というものがあります。
一部の薬価を紹介
オリブ油(東豊):10mLで薬価23.9円
さて、オリーブオイルの医学的な用途はなんでしょう?
オリブ油(丸石)医薬品添付文書より
<効能効果・用法用量>
皮膚・粘膜の保護剤として用いる。
ちなみに欧文商標名は「Olive Oil」やっぱりオリーブオイルですね。
似たような用途のものでワセリンがありますが、ワセリンも基材、保護剤が添付文書の用途です。
つまり説明書での用途はワセリンと同じなので、ワセリンと同じように処方箋で交付できるわけです。
オリブ油 100mL
保湿剤
ワセリンと同じように処方できるので、調剤料も普通に算定して構いません。外用調剤料1剤で10点ですね。
お次は用途ですね。
外部記事:オリブ油とオリーブオイルの違いとは?製薬メーカーに聞いてみた!
こちらのサイトでオリーブオイルとの違いを説明してくれています。
どうやら、オリブ油は医薬品なので、食用のものよりも精製され色が薄く、臭いも薄いです。用途は、やはり保湿剤が多いですね。
オイル塗ったら、保湿されるイメージはありますよね?
液体のオイルなのでワセリンと比べるとあまりべたつく感じはありません。さらっとした使用感になります。
プロペトやプラスチベースなどの保護剤は石油を精製して人工的に作ったものです。安全性は確かなものですが、それでも世の中にはオーガニックを好む層が存在するので、そういった方の保湿剤希望には、オリブ油はいいんじゃないかとおもいます。
私もクレンジング剤として普段から愛用しています。あと門前の皮膚科さんはサトウザルベ軟膏を剥がすのに処方しています。これも広義クレンジングにってことでいいのかな。
ゴマ油の保険調剤
オリーブオイル同様にゴマ油も薬価収載されています。ゴマ油の用途は「軟膏剤、硬膏剤、リニメント剤の基剤として調剤に用いる。」なので基剤として用いられます。
皮膚の保護剤としての用途はないので単独で用いることはできません。
ゴマ油を含有する有名な商品には「紫雲膏」があります。火傷によく使用されます。
ツムラの紫雲膏をみてみると、
日局ゴマ油 100.0g
日局シコン 10.0g
日局トウキ 10.0g
上記の割合で得た油製エキス71.2gと
日局サラシミツロウ 27.0g
日局豚脂 1.8g
を含有する。
実に60%がゴマ油ですね。純粋なごま油は常温で固体になります。紫雲膏は軟膏だからもちろん固体ですね。
チンク油・ダイズ油
効能又は効果
小範囲の擦傷、小範囲の第一度熱傷
小範囲の湿疹・皮膚炎
こちらは収斂薬になります。擦過傷とかに。
ヒマシ油
下剤ですね。割りと強力で、服用するとすぐに我慢できないほどの便意を催します。古典的な薬で昔はよく処方されていたけど、いまはほとんど使われることない。処方されたところをみたことないです。
強力なので単回で服用して連用しないように注意が必要です。市販でも売っていますが、成人の場合は1回1本ですね。
1本使い切りになります。