疑義照会資料って、3月の29~31日くらいに「その1」からはじまって1年以上かけて小出しに情報をだしてきます。前回の平成26年の改定では「その15」まで疑義解釈資料が発行されました。
この疑義解釈資料って調剤部分はほんの一部でほとんどが医科の内容で占められています。
薬局が読むべき部分はほんの一部分だけど「その15」まであるもんだから、チェックが大変です。ということで、平成28年度診療報酬改定の疑義解釈資料で調剤部分に関してはこちらにまとめて随時更新していきたいと思う。
平成28年診療報酬改定の疑義解釈資料(調剤部分抜粋)
【調剤基本料】
(問1)同一グループ内の処方せん受付回数の合計が1月に4万回を超えるグループが新規に開設した保険薬局については、新規指定時における調剤基本料の施設基準の届出時には同一グループ内の処方せん受付回数が1月に4万回を超えるグループに属しているものとして取り扱うことでよいか。
(答)貴見のとおり。
(問2)新規に指定された保険薬局(遡及指定が認められる場合を除く。)が、新規指定時に調剤基本料の施設基準を届出後、一定期間を経て、処方せん受付回数の実績の判定をした際に、算定している調剤基本料の区分が変わらない場合は、施設基準を改めて届け出る必要はないと考えてよいか。
(答)貴見のとおり。
なお、新規指定時に届け出た調剤基本料の区分から変更になった場合は速やかに届け出ること。
(問3)既に指定を受けている保険薬局がある薬局グループに新たに属することになり、その結果、調剤基本料3の施設基準の要件に該当することになった場合は、年度の途中であっても調剤基本料の区分を変更するための施設基準を改めて届け出る必要があるか。
(答)既に指定を受けている保険薬局としては、調剤基本料は4月1日から翌年3月末日まで適用されているので、同一グループに新たに所属したことをもって改めて届け出ることは不要であり、所属する前の調剤基本料が算定可能である。なお、次年度の調剤基本料の区分は、当年3月1日から翌年2月末日までの実績に基づき判断し、現在の区分を変更する必要がある場合は翌年3月中に調剤基本料の区分変更の届出を行うこと。
(問4)同一グループ内の処方せん受付回数を計算する際、2月末時点に所属する保険薬局のうち、前年3月1日以降に所属することになった保険薬局については、処方せん受付回数を計算する際に同一グループに所属する以前の期間も含めて計算することでよいか。
(答)貴見のとおり。前年3月1日から当年2月末の処方せん受付回数をもとに計算すること。
(問5)不動産の賃貸借取引関係について、同一グループの範囲の法人が所有する不動産を保険医療機関に対して賃貸している場合は対象となるという理解でよいか。
(答)貴見のとおり。
(問6)同一グループの確認はどのようにするのか。
(答)同一グループの範囲については、保険薬局の最終親会社等に確認を行い判断すること。また、当該最終親会社等にあっては、保険薬局が同一グループに属していることを確認できるよう、グループ内の各保険薬局に各グループに含まれる保険薬局の親会社、子会社等のグループ内の関係性がわかる資料を共有し、各保険薬局は当該資料を保管しておくこと。
(問7)不動産の賃貸借の取引を確認する際、名義人として対象となる開設者の近親者とはどの範囲を指すのか。
(答)直系2親等、傍系2親等を指す。
(問8)不動産の賃貸借取引関係を確認する範囲は「保険医療機関及び保険薬局の事業の用に供されるもの」とされているが、薬局の建物のほか、来局者のための駐車場(医療機関の駐車場と共有している場合も含む。)も含まれるのか。
(答)含まれる。
(問9)調剤基本料の注1ただし書きに規定する施設基準(特例対象からの除外要件)について、薬剤師1人当たり月100回以上の算定とあるが、100人という意味か、それとも患者が同一月に複数回来局して算定した場合には、複数回カウントしてよいか。
(答)患者数ではなく、実際に算定した回数として計算すること。
(問10)調剤基本料の注3におけるかかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務の算定回数について、処方せん受付1回につき複数項目を算定した場合は、算定項目ごとに回数をカウントしてよいか。
(答)貴見のとおり。
(問11)調剤基本料の注3におけるかかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務の算定回数について、「平成28年3月1日から3月末日においては、改定前の区分番号に相当する内容の算定回数で計算する」と規定されているが、改定前の区分番号に相当する点数については、それぞれ以下のとおりと理解してよいか。
・「重複投薬・相互作用等防止加算」→「重複投薬・相互作用防止加算」
・「服薬情報等提供料」→「長期投薬情報提供料1」、「長期投薬情報提供料2」又は「服薬情報等提供料」
(答)貴見のとおり。
(問12)調剤基本料の注3(所定点数の100分の50に相当する点数により算定)に該当する保険薬局は、基準調剤加算を算定することが可能か。また、当該保険薬局の薬剤服用歴管理指導料についてはどのように取り扱えばよいか。
(答)基準調剤加算は算定できない。薬剤服用歴管理指導料については、注1のただし書きに該当する保険薬局として取り扱うので50点を算定する。
(問13)特定の保険医療機関に係る処方せん受付回数及び特定の医療機関に係る処方せんによる調剤の割合(集中率)の計算について、調剤基本料の施設基準に規定されている処方せんの受付回数に従い、受付回数に数えない処方せんを除いた受付回数を用いることでよいか。
(答)貴見のとおり。
【分割調剤】
(問14)同一医療機関で複数の診療科から発行された処方せんを同時に受け付けた際に、ある診療科からの処方せんは分割指示があり、他の診療科の処方せんでは分割指示がない場合、調剤報酬の算定はどのように取り扱うべきか。
(答)通常、同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合は受付回数を1回とするが、分割指示の処方せんが含まれる場合に限っては、同時に受け付けた場合であっても、分割指示の処方せんとして1回、分割指示のない処方せんとして1回のように、処方せんごとに別で取り扱い、それぞれの受付ごとに調剤報酬を算定して差し支えない。
なお、このような事例については、特定の診療科の処方せんのみ分割調剤することが妥当かどうか確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うこと。
(問15)上記の際に、分割指示の処方せんが複数あり、分割指示の方法(分割回数や期間)が異なる場合、どのように取り扱うべきか。
(答)分割指示が異なる場合は、分割調剤の方法が異なることにより、患者が適切に服薬できるか等の妥当性を確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うべきである。
(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。
(答)貴見のとおり。
なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3分の1の点数を算定する。
(問17)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。
(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方せんについて分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。
【具体例】(90日分処方→ 30日×3回の分割指示、調剤時には一包化を行う)
※薬剤料は調剤した分を算定
〈1回目〉
※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料41点
・基準調剤加算32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算220点(90日分)
・時間外加算160点
・薬剤服用歴管理指導料50点
計590点× 1/3 = 196.66・・≑196点+薬剤料(30日分)
〈2回目〉
・調剤基本料41点
・基準調剤加算32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算220点(90日分)
・薬剤服用歴管理指導料38点
・服薬情報等提供料20点
計438点× 1/3 = 146点+薬剤料(30日分)
〈3回目〉
※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料41点
・基準調剤加算32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算220点(90日分)
・時間外加算160点
・薬剤服用歴管理指導料38点
・服薬情報等提供料20点
計598点× 1/3 = 199.33・・≑199点+薬剤料(30日分)
【基準調剤加算】
(問18)基準調剤加算の算定要件に「当該保険薬局の開局時間は、平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週45時間以上開局していること」とあるが、祝日を含む週(日曜始まり)については、「週45時間以上開局」の規定はどのように取り扱うのか。
(答)国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に規定する休日並びに1月2日、3日、12月29日、12月30日及び31日が含まれる週以外の週の開局時間で要件を満たすか否か判断すること。
(問19)基準調剤加算の算定要件について、「土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局」とあるが、「一定時間以上」は具体的に何時間必要か。
(答)基準調剤加算の開局時間の要件は、特定の医療機関の診療時間にあわせるのではなく、地域住民のため、必要なときに調剤応需や相談等に応じられる体制を評価するために定めたものである。平日は毎日1日8時間以上の開局が必要であるが、土曜日又は日曜日の開局時間に関しては、具体的な時間数は規定しない。ただし、算定要件を満たすためだけに開局するのではなく、地域の保険医療機関や患者の需要に対応できる開局時間を確保することが必要である。
(問20)基準調剤加算の算定要件について、在宅の実績は年間1回でも算定実績があれば要件を満たしていると理解してよいか。
(答)貴見のとおり。
(問21)基準調剤加算の算定要件について「患者のプライバシーに配慮していること」とされているが、具体的にはどのような対応が必要となるのか。
(答)患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないように配慮する必要がある。具体的には、複数のカウンターがある保険薬局はその両サイドをパーテーションで区切ることが考えられる。また、カウンターと待合室との距離が短い場合は十分な距離を確保することや、会話が他の患者に聞こえないような対策をとるなど、やりとりが漏れ聞こえないような対応が必要となる。
【調剤料】
(問22)自家製剤加算について「調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できないこと」とされているが、以下のような場合も同様に算定できないと理解してよいか。
RP A錠200mg 1回1.5錠疼痛時服用
(注A錠と同一有効成分の100mg規格は薬価基準に収載されていないが、300mg規格が収載されている。)
(答)この場合、200mg錠を1.5錠調剤したとしても、同量に相当する300mg錠があるので算定不可。
【薬剤服用歴管理指導料】
(問23)薬剤服用歴管理指導料「1」について、「原則過去6月内に処方せんを持参した患者」とあるが、「6月内」の判断については、診療報酬改定前である平成28年3月31日以前の来局についても対象となるか。
(答)貴見のとおり。
(問24)薬剤服用歴管理指導料「1」について、「原則過去6月内に処方せんを持参した患者」とあるが、6月を超えた処方せんであっても、当該指導料を算定するのはどのようなケースか。
(答)1回の投薬が6ヶ月を超える場合の次回来局時などが考えられる。
(問25)手帳を持参していない患者に対して、患者から求めがなければ手帳に関する説明をしなくても50点を算定可能か。
(答)そのような患者については、手帳を保有することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者が手帳を用いない場合はその旨を薬剤服用歴の記録に記載することとしているため、手帳に関する説明を全くしていない場合は薬剤服用歴管理指導料を算定してはならない。
(問26)乳幼児服薬指導加算について、「指導の内容等について、手帳に記載すること」とされているが、手帳を持参していない患者に対して、手帳を交付又は手帳に貼付するシール等を交付した場合であっても、当該加算を算定できると理解してよいか。
(答)乳幼児服薬指導加算については、手帳を利用しているが手帳を持参し忘れた患者にはシール等を交付することでよいが、手帳を利用していない患者に対しては手帳を交付した場合に算定できるものであること。
なお、シール等を交付した患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該シール等が貼付されていることを確認すること。
(問27) 薬剤情報提供料(医科)の手帳記載加算や、薬剤服用歴管理指導料(調剤)の算定に当たっては、薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳(経時的に薬剤の記録が記入でき、必要事項を記録する欄があるもの)を用いることとされているが、算定のために必須のこれらの欄に加えて、医療・介護サービスを提供する事業者等による情報共有及び連携のため、患者自らの健康管理に必要な情報の記録(患者の状況・治療内容・サービス提供の状況等)を含めて総合的に記載することができる手帳についても、当該手帳として用いても差し支えないか。
(答)差し支えない。
(問28)患者が電子版の手帳を持参してきたが、保険薬局が提携している電子版の手帳の運営事業者と患者が利用する電子版の手帳の運営事業者が異なる場合や運営事業者と提携していない保険薬局の場合など、薬剤師が薬局の電子機器等から患者の手帳の情報を閲覧できない場合はどのようになるのか。
(答)電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」
(平成27年11月27日薬生総発第1127第4号)の「第二提供薬局等が留意すべき事項」の4(2)に規定する一元的に情報閲覧できる仕組みが公益社団法人日本薬剤師会より提供されているので(平成28年4月1日より)、当該仕組みの活用により、患者から手帳の情報が含まれる電子機器の画面を直接閲覧することなく情報把握することを原則とする。このような仕組みが活用できない保険薬局においては、受付窓口等で患者の保有する手帳情報が含まれる電子機器の画面を閲覧し、薬剤服用歴に必要情報を転記した場合に限り、薬剤服用歴管理指導料を算定可能とする。この際、患者の保有する電子機器を直接受け取って閲覧等を行おうとすることは、患者が当該電子機器を渡すことを望まない場合もあるので、慎重に対応すること。なお、このような方法で情報を閲覧等できない場合は、患者が手帳を持参していない場合の点数(50点)を算定するのではなく、薬剤服用歴管理指導料自体が算定できないことに留意すること。
(問29)上記の保険薬局において、手帳に記載すべき情報はどのように提供すべきか。
(答)「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27年11月27日薬生総発第1127第4号)で示しているとおり、QRコード等により情報を提供すること。
【重複投薬・相互作用等防止加算】
(問30)重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定対象の範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。
(答)薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。
(問31)これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、同一医療機関の同一診療科の処方せんについて処方変更があったとしても算定できないとされていたが、平成28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、同一医療機関の同一診療科から発行された処方せんであっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。
(答)「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。
【特定薬剤管理指導加算】
(問32)薬効分類上の「腫瘍用薬」、「不整脈用剤」、「抗てんかん剤」に該当するが他の効能も有する薬剤については、それぞれ、「悪性腫瘍」、「不整脈」、「てんかん」の目的で処方され、必要な指導等を実施した場合に限り算定可能と理解してよいか。
(答)貴見のとおり。
なお、対象薬剤の一覧については、厚生労働省のホームページに掲載している。
http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/
【かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料】
(問33)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の患者の同意取得について、例えば、患者が最初に来局した際にアレルギー歴や後発医薬品を使用することの意向等を確認するアンケートの中でかかりつけ薬剤師についても意向を確認した場合、そのアンケートの署名をもって同意を取得したことになるのか。
(答)アンケートを行う際に、アンケートとは別に、かかりつけ薬剤師を選択することの意向確認を行うことは差し支えないが、同意の取得に当たっては、かかりつけ薬剤師の業務内容、かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等について、当該指導料を算定しようとする薬剤師が改めて説明した上で、かかりつけ薬剤師に対する患者の同意を取得する必要がある。また、アンケートへの署名ではかかりつけ薬剤師の同意を取得したことにならないので、別途、かかりつけ薬剤師への同意に係る署名であることが明確にわかるようにすること。
(問34)患者がかかりつけ薬剤師を別薬局の薬剤師に変更する場合はどのような対応が必要になるか。
(答)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料については、同一月内は同じ薬剤師により算定することが必要である。このため、患者の希望によりかかりつけ薬剤師を変更する場合、変更後のかかりつけ薬剤師は、変更前の算定状況を患者に確認して、算定可能となる時期(変更前のかかりつけ薬剤師が算定していた翌月以降)に留意して対応すること。この場合、変更前後の薬局においては、薬剤服用歴の記録に、かかりつけ薬剤師が変更された旨記載しておくこと。
なお、かかりつけ薬剤師は頻繁に変更されるものではないが、患者の引っ越し等の理由により、患者が別薬局で新たなかかりつけ薬剤師を選択する場合も想定されるため、かかりつけ薬剤師は患者に対して、かかりつけ薬剤師を変更する場合は、その旨を事前に伝えるよう説明しておくこと。
(問35)かかりつけ薬剤師が退職する等の理由で、当該薬局の別の薬剤師に引き継ぎを行う場合、新たなかかりつけ薬剤師として当該薬剤師が継続してかかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定することは可能か。
(答)同一薬局内であっても、かかりつけ薬剤師を変更する場合には、新たなかかりつけ薬剤師を選択することの患者の同意が必要である。また、同一月内は同じ薬剤師により算定することとしているため、患者の同意を取得する時期も含め、薬局内で円滑に引き継ぎを行うこと。なお、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料は、患者の同意を取得した後の次回処方せん受付時以降に算定可能となるので、患者の同意を得る時期によっては、継続して算定することができない場合があることにも留意すること。
(問36)薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料のいずれを算定するかは、薬局側が選択できるという理解でよいか。
(答)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料については、患者の同意を得た薬剤師が算定できるものであり、算定要件を満たす場合は患者の同意の下でいずれかの点数を算定する。それ以外の場合は、算定要件を満たせば薬剤服用歴管理指導料を算定することになる。
(問37)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定要件に「患者から24時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝える」とあるが、担当患者に伝える連絡先は、かかりつけ薬剤師が専有する携帯電話等でなければならないか。
(答)相談に応じる体制は、かかりつけ薬剤師が対応することを原則としているが、やむを得ない場合は当該薬局の別の薬剤師による対応でも可能である。したがって、かかりつけ薬剤師又はあらかじめ患者に伝えた当該薬局の別の薬剤師が対応できる連絡先であればよい。
(問38)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料を算定する際の患者の同意については、患者本人の同意取得が困難な場合は、介護を行っている家族等の同意でもよいか。
(答)貴見のとおり。
なお、施設の入所者等に対する患者本人の同意取得については、患者ごとの状況に応じて個別に判断すべきものであり、施設単位でまとめて同意取得すべきではない。
(問39)特別養護老人ホーム入所者に対して、患者の同意を得た場合、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料を算定することは可能か。
(答)特別養護老人ホームに入所している患者に対して、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料は算定できない。施設での適切な服薬管理等を支援するための評価として新設された、薬剤服用歴管理指導料「3」を算定すること。
(問40)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準について、「保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること」とされているが、病院薬剤師の勤務経験についても勤務実績の期間に含めることは可能か。
(答)制度が新設された経過的な取扱いとして、当面の間、病院薬剤師としての勤務経験が1年以上ある場合、1年を上限として薬局勤務経験の期間に含めることでよい。
なお、この考え方については、基準調剤加算の施設基準である、管理薬剤師の勤務経験の取扱いも同様である。
(問41)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準について、別薬局と併任して勤務を行っていた期間であっても、当該期間については在籍期間とみなしてよいか。
(答)施設基準として当該保険薬局に週32時間以上の勤務を求めていることを踏まえると、在籍期間に関しても勤務要件と同等の当該保険薬局における十分な勤務を前提とするものであり、当該保険薬局において施設基準と同等の十分な勤務時間が必要である。
なお、この考え方については、基準調剤加算の施設基準である、管理薬剤師の在籍期間の取扱いも同様である。
(問42)保険薬局の在籍・勤務期間に関しては、施設基準の届出時点における直近の連続した在籍・勤務期間になるのか。例えば、3年前に当該保険薬局に「半年間の在籍期間」又「3年間の勤務期間」があれば、それぞれ「当該保険薬局に6月以上の在籍」又は「3年以上の薬局勤務経験」を満たすのか。
(答)届出時点における直近の連続した在籍・勤務期間が必要となる。例示のような場合は、要件を満たさない。
なお、この考え方については、基準調剤加算の施設基準である、管理薬剤師の在籍・勤務期間の取扱いも同様である。
(問43)当該保険薬局の在籍・勤務期間中に、育児休暇を取得した場合、育児休暇から復帰して6月又は3年経過しないと「当該保険薬局に6月以上の在籍」「3年以上の薬局勤務経験」を満たさないのか。
(答)育児休暇の場合は、当該期間を除いた期間が6月又は3年あれば要件を満たすものとする。したがって、育児休暇前に6月以上在籍又は3年以上勤務していれば、育児休暇復帰時点でも要件を満たすことになる。
なお、この考え方については、基準調剤加算の施設基準である、管理薬剤師の在籍・勤務期間の取扱いも同様である。
(問44)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準について、M&Aで店舗を買収した場合、買収前の薬局における在籍期間を買収後の在籍期間に含めることは可能か。
(答)開設者の変更(親から子へ、個人形態から法人形態へ、有限会社から株式会社へ等)又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器法上の薬局の開設許可を取得し直し、保険薬局の指定について薬局の当該許可の日までの遡及指定が認められる場合は、当該期間を在籍期間に含めることは可能。
(問45)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準における研修要件について、平成29年3月31日までは要件を満たしているものとして取り扱うこととされているが、施設基準の届出時に研修要件に係る内容の添付は不要と理解してよいか。
(答)貴見のとおり。
平成29年3月31日以前に当該施設基準の届出をした保険薬局のうち、研修要件に係る内容の添付をしていない保険薬局については、平成29年4月1日以降に継続して当該指導料等を算定する場合は、研修要件に係る内容を添付して改めて施設基準を届け出る必要がある。
なお、平成29年3月31日までの期間であっても、研修要件に係る内容を添付して届出をした保険薬局については、平成29年4月1日以降も継続して当該要件を満たしている場合は新たに届け出る必要はない。
(問46)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料に関する施設基準の研修要件について、「薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること」とされているが、「等」には日本学術会議協力学術研究団体である一般社団法人日本医療薬学会の認定制度は含まれるか。
(答)含まれる。
(問47)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準として、「医療に係る地域活動の取組に参画していること」とあるが、具体的にはどのような取組が該当するか。
(答)地域の行政機関や医療関係団体等が主催する住民への説明会、相談会、研修会等への参加や講演等の実績に加え、学校薬剤師として委嘱を受け、実際に児童・生徒に対する医薬品の適正使用等の講演等の業務を行っている場合が該当する。
なお、企業が主催する講演会等は、通常、地域活動の取組には含まれないと考えられる。
(問48)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料については、「患者の同意を得た後の次回の処方せん受付時以降に算定できる」とされているが、午前中に処方せんを持参した患者の同意を取得し、午後に当該患者が別の処方せんを持参した場合、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料を算定することは可能か。
(答)同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合、同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方せん又は同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方せんについては算定できない。それ以外の場合は、別の受付となるので、午後の処方せん受付時に算定できる。
(問49)平成28年3月31日以前にかかりつけ薬剤師として患者の同意を得て同意書が作成されていれば、同年4月1日以降の調剤時から当該患者に対して、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料が算定可能と理解してよいか。
(答)患者の同意取得及び同意書の作成は平成28年3月31日以前に行ったものについても有効である。なお、4月1日から算定するためには、施設基準の届出を4月14日までに行うことが必要であるので留意すること。
(問50)患者の同意を得ていても、来局時に患者が手帳を持参し忘れた場合、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定できないのか。
(答)手帳を持参し忘れたことのみをもって、当該指導料及び管理料が算定できないものではないが、患者や処方医等から確認すること等により、必要な情報を収集した上で指導等を行う必要がある。
【服薬情報等提供料】
(問51)服薬情報等提供料について、患者、その家族等へ必要な情報提供、指導等を行った場合は月1回の算定制限がないと考えてよいか。
(答)貴見のとおり。
(問52)服薬情報等提供料について、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している場合には算定できないこととされているが、同一月内でこれらの指導料等を算定していれば、服薬情報等提供料は算定できないのか。
(答)かかりつけ薬剤師指導料等を算定している月であれば、服薬情報等提供料に相当する業務も当該指導料等の中で行うことになるので、服薬情報等提供料は算定できない。
その2
【かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料】
(問1)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の同意取得のために患者へ説明する際に、かかりつけ薬剤師を変更する際の対応についても説明が必要か。
(答)貴見のとおり。
なお、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料は、患者が薬剤師を選択するものであり、患者の意向によって変更することも可能であることから、患者が本制度の取扱いを理解できるよう、同意取得時にはその旨を併せて説明すること。
【調剤料】
(問2)内服薬と外用薬の調剤料の取扱いについて、同一の有効成分であって同一剤形の薬剤が複数ある場合は、その数にかかわらず1剤(1調剤)とされているが、「同一剤形」の範囲はどのように考えたらよいか。
(答)下記の剤形については、それぞれ別剤形として取り扱う。
○内用薬
錠剤、口腔内崩壊錠、分散錠、粒状錠、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、経口ゼリー剤、チュアブル、バッカル、舌下錠
○外用薬
軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、液剤、スプレー剤、ゼリー、パウダー剤、ゲル剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤、点眼剤、眼軟膏、点鼻剤、点耳剤、耳鼻科用吸入剤・噴霧剤、パップ剤、貼付剤、テープ剤、硬膏剤、坐剤、膣剤、注腸剤、口嗽剤、トローチ剤
(参考:「薬価算定の基準について」(平成28年2月10日保発0210第1号)の別表1)
なお、本取扱いは、内服薬と外用薬に係る調剤料における考え方であり、例えば、調剤時の後発医薬品への変更に関する剤形の範囲の取扱いとは異なることに留意すること。
(問3)上記の問に関連して、例のように濃度を変更するなどの目的で、2種類以上の薬剤の比率を変えて混合した処方が複数ある場合は、それぞれの処方を別調剤として取り扱った上で、計量混合調剤加算を算定できるか。
例)
Rp.1
A剤10g
B剤20g
Rp.2
A剤20g
B剤20g
(答)2種類の薬剤を計量し、かつ、混合した処方が複数ある場合は、それぞれについて計量混合調剤加算を算定できる。(例の場合は、Rp.1とRp.2のそれぞれについて、調剤料と計量混合調剤加算を算定できる)
疑義解釈資料(その3)全文
【かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料】
(問1)かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準である、「医療に係る地域活動の取組に参画していること」について、どのように考えればよいか。
(答)「医療に係る地域活動の取組に参画していること」の要件についての考え方は、次のような活動に主体的・継続的に参画していることである。
・地域包括ケアシステムの構築に向けた、地域住民を含む、地域における総合的なチーム医療・介護の活動であること。
・地域において人のつながりがあり、顔の見える関係が築けるような活動であること。
具体的には、地域における医療・介護等に関する研修会等へ主体的・継続的に参加する事例として以下のようなことが考えられる。
①地域ケア会議など地域で多職種が連携し、定期的に継続して行われている医療
・介護に関する会議への主体的・継続的な参加
②地域の行政機関や医療・介護関係団体等(都道府県や郡市町村の医師会、歯科医師会及び薬剤師会並びに地域住民に対して研修会等サービスを提供しているその他の団体等)が主催する住民への研修会等への主体的・継続的な参加
(問2)上記の活動のほかに、「医療に係る地域活動の取組に参画していること」に該当するものはあるのか。
(答)本来の地域活動の取組としては、上記のような考え方に基づく活動に薬局の薬剤師として積極的に参画することが求められるが、以下のような事例も当面の間は要件に該当すると考えられる。
なお、薬局として対応している場合は、届出に係る薬剤師が関与していることが必要である。
・行政機関や学校等の依頼に基づく医療に係る地域活動(薬と健康の週間、薬物乱用防止活動、注射針の回収など)への主体的・継続的な参画(ただし、薬局内でのポスター掲示や啓発資材の設置のみでは要件を満たしているとはいえない。)
・行政機関や地域医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力のもとで実施している休日夜間薬局としての対応、休日夜間診療所への派遣
・委嘱を受けて行う学校薬剤師の業務等
(問3)上記の考え方を受けて、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準に適合していたが、本年4月には施設基準の届出を受理されていない又は届け出ていなかった保険薬局について、本年5月以降のかかりつけ薬剤師指導料等の算定の取扱いはどのようになるのか。
(答)今回示した考え方により、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準に適合する場合には、施設基準を届け出ることで、かかりつけ薬剤師指導料等の算定は可能である(それに伴い、基準調剤加算の施設基準に適合する場合も同じ)。また、本年5月に届出を行った場合は、届出受理日から算定することは差し支えない(ただし、6月以降に届出を行った場合については、通常どおり、届出日の属する月の翌月1日から算定する取扱いとなる)。
【分割調剤】
(問1)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、処方せんに分割指示がある薬剤と分割指示のない薬剤の両方が含まれている場合、調剤料はどのように算定したらよいか。
(答)分割指示の有無にかかわらず、処方された薬剤について、「1剤」又は「1調剤」として扱われるものは、それぞれ調剤料を算定できる。この際、分割指示がある薬剤に係る調剤料は、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法にしたがって算定すること。なお、医師の指示に伴う分割指示がある処方せんの場合は、調剤基本料、薬学管理料等は、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法にしたがって算定すること。
【具体例1】
A剤とB剤が別剤であり、A剤のみが分割指示されている場合
Rp2 B剤5日分(分割指示なし)→別剤
(初回の調剤時の調剤料)
Rp1については、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法で算定
Rp2については、内服薬の5日分の調剤料を算定
(分割調剤2回目以降の調剤料)
Rp1の調剤料として、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法で算定
【具体例2】
A剤とB剤が「1剤」の範囲であり、A剤のみが分割指示されている場合
Rp2 B剤5日分(分割指示なし)→AとBは同じ剤
Rp3 C剤5日分(分割指示なし)→別剤
(初回の調剤時の調剤料)
Rp1とRp2については、医師の指示に伴う分割調剤に規定する方法で算定
Rp3については、内服薬の5日分の調剤料を算定
(分割調剤2回目以降の調剤料)
Rp1の調剤料として、医師の指示に伴う分割調剤に規定する算定方法で算定
メモ:医療保険関係通知一覧(平成28年)
原文:疑義解釈資料の送付について(その1)
原文:疑義解釈資料の送付について(その2)
平成26年診療報酬改定の疑義解釈資料(調剤部分抜粋)
(問1)処方せんの受付回数が月平均4,000回を超え、かつ特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が90%を超える薬局においては、調剤基本料の特例に関する施設基準(24時間開局)を満たした場合であっても、調剤基本料は41点を算定できないと理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問2)特例の除外規定である「24時間開局」とは、特定の曜日のみ等ではなく、いわゆる365日無休で開局していることを意味すると理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問3)特例の除外規定(24時間開局)に該当しない場合にも、該当する調剤基本料の点数の区分について地方厚生局への報告が必要か。
(答) 平成26年4月中、全ての保険薬局に対して一律に報告を求めるものである。また、平成25年12月1日以降に新規で保険薬局の指定を受けた薬局については、指定日の翌月から起算して、4ヶ月目の月に報告することで差し支えない。なお、その後については、変更が生じた都度、報告が必要である。
(問4)基準調剤加算については、平成26年3月31日において現に当該加算を算定していた保険薬局であっても改めて届出を行うこととされているが、その際、今回改正されなかった事項についても関係資料を添付することは必要か。
(答) 平成26年3月31日において現に基準調剤加算を算定している保険薬局であっても、4月14日までに改めて届出を行うことは必要だが、改正前の届出時の添付書類と内容に変更が生じていないものについては、改めて同じ資料を添付しなくても差し支えない。
(問5)近隣の複数薬局で連携体制を構築して基準調剤加算1を算定している場合において、連携体制にある薬局のうちある特定の薬局が主として夜間休日等の対応を行うことは認められるか。
(答) 当該加算の趣旨としては、自局のみで24時間体制を構築することが難しい場合において、近隣の複数薬局の連携を行うことを評価するものであり、当該例は適切でない。
(問6)連携する保険薬局の要件である「近隣」の定義はあるか。
(答) 地域における患者の需要に対応できること等が必要である。
(問7)在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績として、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の各算定要件を満たしているが算定はしていない場合を実施回数に合算できるが、その際も、在宅患者訪問薬剤管理指導料で規定される薬学的管理指導計画書の策定及び薬剤服用歴の記載は必要であると理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。算定したもの以外に実施回数として認められるのは、算定要件を満たすものだけである。
(問8)在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績として、医師からの指示はなく、自主的に実施した場合については、認められないと理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。算定したもの以外に実施回数として認められるのは、算定要件を満たすものだけである。
(問9)24時間開局薬局においては、時間外加算は算定できるか。
(答) 調剤技術料の時間外加算については算定できない。ただし、24時間開局薬局で、専ら夜間における救急医療の確保のために設けられている保険薬局については、調剤技術料の時間外加算を算定できる。また、客観的に休日又は深夜における救急医療の確保のために調剤を行っていると認められる保険薬局においては、開局時間内に調剤した場合であっても、調剤技術料の休日加算又は深夜加算についても算定できる。さらに、調剤技術料の時間外加算等が算定できない場合には、調剤料の夜間・休日等加算は算定可能である。
(問10)施設基準に適合した薬局において麻薬を無菌製剤処理した場合、無菌製剤処理加算と併せて麻薬加算も算定可能と理解して良いか。さらに、当該麻薬の服用及び保管状況等について説明の上で必要な薬学管理等を行った場合は、無菌製剤処理加算及び麻薬加算と併せて麻薬管理指導加算についても算定可能と理解して良いか。
(答) いずれも貴見のとおり。
(問11)中心静脈栄養法用輸液及び抗悪性腫瘍剤のうち1以上に加えて麻薬を合わせて一つの注射剤として無菌製剤処理を行い、主たるものとして、中心静脈栄養法用輸液又は抗悪性腫瘍剤の所定点数のみを算定した場合であっても、無菌製剤処理加算と併せて麻薬加算も算定可能と理解して良いか。さらに、当該麻薬の服用及び保管状況等について説明の上で必要な薬学管理等を行った場合は、無菌製剤処理加算及び麻薬加算と併せて麻薬管理指導加算についても算定可能と理解して良いか。
(答) いずれも貴見のとおり。
(問12)中心静脈栄養法用輸液、抗悪性腫瘍剤又は麻薬のうち2以上を合わせて一つの注射剤として無菌製剤処理を行った場合、無菌製剤処理加算については、主たるものの所定点数のみを算定すると理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問13)無菌調剤室を有しない薬局が他の薬局の無菌調剤室を利用して無菌製剤処理を行った場合(薬事法施行規則第15条の9第1項のただし書における無菌調剤室の共同利用)、予め無菌調剤室提供薬局の名称・所在地について地方厚生局に届け出ていれば、無菌製剤処理加算を算定できると理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問14)以下について、無菌製剤処理料を算定できると理解して良いか。
① 無菌製剤処理を行うにつき十分な施設又は設備を有しない薬局の薬剤師が、他局の無菌調剤室を利用して無菌製剤処理を行う
② 無菌製剤処理を行うにつき十分な施設又は設備を有しない薬局の薬剤師が、他局のクリーンベンチを利用して無菌製剤処理を行う
(答)
①については、薬事法施行規則第15条の9第1項のただし書に該当するケースであり、届出を行った上で算定可能である。
②の設備(クリーンベンチ、安全キャビネット)の共同利用については、薬事法において認められていない。
(問15)在宅患者訪問薬剤管理指導料は、保険薬剤師1人につき「1」と「2」を合わせて1日につき5回に限り算定できるとされたが、当該回数には、介護保険の居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定回数は含まれないと理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問16)1つの患家に同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合であって、同一日に当該同居している患者を2人以上、在宅患者訪問薬剤管理指導を行った場合は、患者ごとに同一建物居住者の場合の点数を算定することと理解して良いか。また、その場合、在宅患者訪問薬剤管理指導を算定した人数は、薬剤師1人当たり5回の上限規定にいずれも算定されると理解して良いか。
(答) いずれも貴見のとおり。
(問17)平成26年1月から同年3月までの後発医薬品の調剤数量割合を求めるに当たっては、具体的にどのようにしたらよいか。
(答) 平成26年度より後発医薬品の調剤数量割合の計算方法が変更されたことに鑑み、これが計算できるように平成24年度薬価基準収載医薬品について、平成26年1~3月現在の各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報を、厚生労働省ホームページにおいて平成26年3月20日付けで公開しているところである(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/tp0305-01.html 5.その他【過去情報はこちら】におけるエクセル表を参照)。具体的な計算はこのリストに基づいて算出すること。
(問18)患者がお薬手帳を持参しなかったため、手帳に貼付するシール等を交付した場合であっても、他の要件を満たしていれば、薬剤服用歴管理指導料は算定できると理解して良いか。
(答) 34点を算定すること。なお、薬剤の記録を記入する欄が著しく少なく手帳とはいえないもの(例えば、紙1枚を折って作っただけの簡易型のもの)では、薬剤服用歴を経時的に管理することができないため、34点を算定すること。
(問19)患者がお薬手帳を持参し忘れたため、新しい手帳を交付した場合には、他の要件を満たしていれば、薬剤服用歴管理指導料は41点を算定できると理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。ただし、次回来局時に従前のお薬手帳を持参するように患者に説明するとともに、次回患者が複数のお薬手帳を持参して来局した際には1冊にまとめること。
(問20)薬局において患者からお薬手帳を預かることは認められるか。また、調剤の際に、当該薬局において保管しているお薬手帳により情報提供を行い、薬剤服用歴管理指導料を算定することは認められるか。
(答) お薬手帳については、記載した薬局以外の医療機関等との情報共有を行うこと等を目的とするものであることから、患者が保管し活用することを前提としている。複数のお薬手帳を1つに集約化するために一時的に預かったような場合を除いて、患者にお薬手帳を渡していない状態が持続することは想定していない。なお、薬局において保管しているお薬手帳に記入等を行った場合は、薬剤服用歴管理指導の要件に係る業務を行ったとは認められない。
(問21)主治医が、在宅医療に必要な衛生材料の提供を指示できる薬局については、当該患者に健康保険に基づく「在宅患者訪問薬剤管理指導」を行っている薬局とされているが、介護保険法に基づく「居宅療養管理指導」又は「居宅予防療養管理指導」を行っている場合についても、同様と理解して良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問1)在宅訪問薬剤管理指導を行っている患者については、医療機関からの指示に基づき、薬局から当該患者に衛生材料を供給した場合、指示があった医療機関に当該材料に係る費用を請求でき、その価格については、薬局における購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねているところであるが、特定保険医療材料となっていない保険医療材料(例えば注射針)についても衛生材料と同様の取扱いと考えてよいか。
(答)貴見のとおり。
(問2)外来患者については、疑義解釈資料の送付について(その1)(平成24年3月30日事務連絡)において、自己注射に用いる針が特定保険医療材料として設定されていない場合には、医療機関において針を支給することとされており、衛生材料や特定保険医療材料以外の保険医療材料を用いる場合も、原則として医療機関から必要な量の当該材料が提供されるものと考えられるが、自己注射に用いる針等を在宅自己注射に用いる薬剤と一緒に交付するよう処方せんに記載されていた場合においては、自己注射に用いる針等の費用の取扱いについては、在宅患者における取扱いと同様と考えてよいか。
(答)貴見のとおり。
(問1)妥結率に規定する「当該保険医療機関又は保険薬局において購入された使用薬剤の薬価(薬価基準)(平成20年厚生労働省告示第495号)に収載されている医療用医薬品の薬価総額」の購入元の対象については、そもそも妥結率の報告が、薬価調査において障害となる妥結率が低い保険医療機関や保険薬局の評価の適正化を目的としたものであり、薬価調査において対象としていない、卸売販売業者(薬事法(昭和35年法律第145号)第34条第3項に規定する卸売販売業者をいう。)以外との取引価格の妥結状況の報告を求めることは想定されていないことから、卸売販売業者のみと理解してよいか。
(答)貴見のとおり。なお、医薬品メーカー等から直接医薬品を購入する場合も想定されるが、その場合においても、当該メーカー等が卸売販売業の許可を取得している場合は購入元の対象となることに留意されたい。
(問1)処方された薬剤を一包化する際に、吸湿性が強い等の理由で直接の被包(PTPシート)から取り出すことができない薬剤をPTPシートで交付するなど一包化とは別にした場合であっても、その薬剤を除いて一包化した部分が算定要件を満たしていれば一包化加算を算定できるか。
(答)算定して差し支えない。この場合、一包化をしなかった薬剤及びその理由を調剤録等に記録しておくことが望ましい。
(問2)一包化加算の算定に当たっては、同一銘柄の同一剤形で規格のみが異なる薬剤が同時に調剤された場合(例えば0.5mg錠と1mg錠)は1種類として取り扱うことでよいか。
(答)貴見のとおり。
平成24年診療報酬改定の疑義解釈資料(調剤部分抜粋)
(問1) 基準調剤加算の施設基準の要件に「地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた開局時間となっていること」とあるが、例えば、以下のような事例はどう判断すべきか。
<処方せんを応需している主たる保険医療機関の診療時間>
9:00~12:00、14:00~18:00
<当該保険薬局の開局時間>
① 9:00~12:00、14:00~18:00
② 9:00~13:00、14:00~18:00
③ 9:00~12:00、14:00~18:30
④ 9:00~13:00、14:00~18:30
(答) 保険薬局の開局時間は、地域の保険医療機関や患者の需要に対応できるよう、特定の保険医療機関からの処方せん応需にのみ対応したものであってはならず、具体的には、特定の保険医療機関の休憩時間に応じた一時閉局となっていないことが求められる。したがって、いずれの事例の場合も当該要件を満たしていないと考えられる。ただし、一時閉局することがある場合であっても、その時間帯を活用して在宅薬剤管理指導を実施しているケースなどについては、当該要件を満たしていると解釈して差し支えない。
(問2) 基準調剤加算については、平成24年3月31日において現に当該加算を算定していた保険薬局であっても改めて届出を行うこととされているが、その際、今回改正されなかった事項についても関係資料を添付することは必要か。
(答)平成24年3月31日において現に基準調剤加算を算定している保険薬局であっても、4月16日までに改めて届出を行うことは必要だが、改正前の届出時の添付書類と内容に変更が生じていないもの(今回改正となった備蓄品目数及び開局時間に係る事項を除く)については、改めて同じ資料を添付しなくて差し支えない。
(問3) 基準調剤加算の施設基準については、平成24年4月16日までに届出を行うことになるが、7月1日以降の算定にあたり、開局時間に係る事項について改めて届出を行う予定である場合には、当該届出様式の「地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた調剤応需体制の整備状況」に関する記載は不要であると理解して良いか。また、4月の届出の際に当該欄の記載をしており、かつ、既に地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じたものとなっている場合には、7月1日以降に算定するにあたり再度届出を行う必要はないという理解で良いか。
(答) いずれも貴見のとおり。
(問1) 平成24年1月から同年3月までの後発医薬品の調剤数量割合を求めるに当たっては、「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品から除外する品目」(「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品について」平成24年3月5日保医発0305第14号の別紙2)を含めて計算するが、当該品目のうち、改定前から引き続き除外する品目(同、平成22年3月5日保医発0305第14号)については、これに含めないという理解で良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問1) サポート薬局が訪問薬剤管理指導を実施し、在宅基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した場合、在宅患者調剤加算の届出に係る算定回数については、どちらの薬局のものとして計上するのか。
(答) 在宅基幹薬局の算定回数として計上する。
(問2) 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者について、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合にも、在宅患者調剤加算は算定できるのか。
(答) 算定できる。
(問1) 患者がお薬手帳を持参しなかったため、手帳に貼付するシール等を交付した場合であっても、薬剤服用歴管理指導料は算定できると理解して良いか。
(答) 差し支えない。なお、シール等を交付した患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該シール等が貼付されていることを確認すること。
(問2) 患者から、薬剤情報提供文書の「後発医薬品に関する情報」として記載していること以上の内容について情報提供の求めがあった場合、後発医薬品情報提供料(平成24年3月31日をもって廃止)における「保険薬剤師が作成した文書又はこれに準ずるもの」を備え対応することで良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問3) 薬剤情報提供文書による「後発医薬品に関する情報」の提供にあたり、後発医薬品の有無については、含量違い又は類似した別剤形も含めて判断しなければならないのか。
(答) 同一規格・同一剤形で判断する。ただし、異なる規格単位を含めた後発医薬品の有無等の情報を提供することは差し支えない。
(問4) 調剤した先発医薬品に対応する後発医薬品の有無の解釈については、該当する後発医薬品の薬価収載日を基準に判断するのか。それとも、販売の有無で判断すればよいのか
。
(答) 後発医薬品の販売の時までに適切に対応できれば良い。
(問5) 調剤した先発医薬品に対して、自局において支給可能又は備蓄している後発医薬品が複数品目ある場合、全品目の後発医薬品の情報提供をしなければならないのか。
(答) いずれか1つの品目に関する情報で差し支えない。
(問6) 調剤した薬剤が全て先発医薬品しか存在しない場合又は全て後発医薬品である場合は、「後発医薬品に関する情報」として、薬価収載の有無又は既に後発医薬品であることを患者に提供する事で足りると理解して良いか。また、薬価が先発医薬品より高額又は同額の後発医薬品については、診療報酬上の加算等の算定対象から除外されているが、これらについても後発医薬品であることを薬剤情報提供文書で提供するものと理解して良いか。
(答) いずれも貴見のとおり。
(問7) 調剤した先発医薬品について、薬価基準に後発医薬品は収載されているが、自局の備蓄医薬品の中に該当する後発医薬品が1つもない場合は、「後発医薬品に関する情報」として、薬価収載の有無及び自局では該当する後発医薬品の備蓄がない旨を患者に提供することで足りると理解してよいか。
(答) 貴見のとおり。
(問8) 調剤した先発医薬品に対する後発医薬品の情報提供にあたっては、当該品目の「名称及びその価格」を含むこととされているが、この価格とは、規格・単位当たりの薬価であることが必要か。それとも、たとえば投与日数に応じた患者負担分の金額等でも構わないのか。
(答) 調剤した先発医薬品との価格差が比較できる内容になっていれば、いずれの方法でも差し支えない。
(問1) 通常、同一医療機関・同一診療科の処方せんによる場合は重複投薬・相互作用防止加算を算定出来ないが、薬剤服用歴管理指導料の新たな要件として追加された「残薬の状況の確認」に伴い、残薬が相当程度認められて処方医への照会により処方変更(投与日数の短縮)が行われた場合に限り、同加算の「処方に変更が行われた場合」を算定できるものと解釈して差し支えないか。
(答) 差し支えない。ただし、残薬の状況確認に伴う処方変更は、頻回に発生するものではないことに留意する必要がある。
(問1) これまで薬効分類上「腫瘍用薬」、「不整脈用剤」及び「抗てんかん剤」以外の薬効分類に属する医薬品であって、悪性腫瘍、不整脈及びてんかんに対応する効能を有するものについて、当該目的で処方された場合は「特に安全管理が必要な医薬品」に含まれるとされてきたが、この取扱いに変更はないか。また、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要としないとあるが、前述に該当する場合、当該目的で処方された場合か否かの確認をする必要はあるか。
(答) 処方内容等から「特に安全管理が必要な医薬品」に該当するか否かが不明である場合には、これまで通り、当該目的で処方されたものであるかの情報収集及び確認を行った上で、当該加算の算定可否を判断する必要がある。
(問1) サポート薬局が訪問薬剤管理指導を実施する場合にも、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生(支)局長へ届出を行う必要があるという理解で良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問2) 既に在宅基幹薬局として訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局が、サポート薬局となることはできるのか。
(答) できる。ただし、同一の患者において、在宅基幹薬局とサポート薬局との位置付けが頻繁に変わることは認められない。
(問3) サポート薬局についても、在宅基幹薬局と同様に、患家からの距離が16km以内でなければならないのか。
(答) 貴見のとおり。ただし、特殊の事情のあった場合を除く。
(問4) サポート薬局として1つの保険薬局が、複数の在宅基幹薬局と連携することは可能か。
(答) 可能。ただし、サポート薬局として在宅業務に支障がない範囲で対応する必要がある。
(問5) サポート薬局が在宅基幹薬局に代わり医療用麻薬を使用している患者の訪問薬剤管理指導を実施する場合は、在宅基幹薬局及びサポート薬局のいずれの保険薬局も麻薬小売業の免許を取得していなければならないという理解で良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問1) 入院中の患者が他医療機関を受診して処方せんが交付された場合、出来高入院料を算定する病床の入院患者であれば、これまでは調剤情報提供料を算定できたが、平成24年4月からは、調剤情報提供料及び服薬情報提供料を統合して新設された服薬情報等提供料を算定できるものと理解して差し良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問1) 在宅基幹薬局に代わってサポート薬局が処方せん調剤及び訪問薬剤管理指導を実施し、在宅基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した場合、在宅基幹薬局及びサポート薬局がレセプト請求できる項目は何か。
(答) 次のとおりである。
在宅基幹薬局 サポート薬局
調剤技術料(調剤基本料、調剤料)及びその加算× ○
薬学管理料(在宅患者訪問薬剤管理指導料等)及びその加算※○ ×
薬剤料及び特定保険医療材料料× ○
※ 医療用麻薬が処方され、麻薬管理指導加算を算定する場合には、在宅基幹薬局及びサポート薬局の双方が麻薬小売業の免許を取得していなければならない。
(問2) 処方せんの交付にあたり、後発医薬品のある医薬品を一般名処方で行った場合、保険医療機関では「該当する医薬品の薬価のうち最も低いものの薬価とみなす」とされているが、保険薬局において当該処方せんを調剤する際にも、最も低い薬価の後発医薬品を調剤しなければならないのか。
(答) 患者と相談の上、当該薬局で備蓄している後発医薬品の中から選択することで差し支えない。
(問3) 一般名処方による処方せんを受け付け、先発医薬品もしくは後発医薬品のいずれを調剤した場合であっても、実際に調剤した医薬品の名称等に関する処方せん発行医療機関への情報提供は必要か。
(答) 必要となる。ただし、当該医療機関との間であらかじめ合意が得られている場合には、当該合意に基づく方法で情報提供することで差し支えない。
(問1) 在宅患者調剤加算の届出に係る管理・指導の実績は、届出時の直近1年間の在宅薬剤管理指導(在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費)の合計算定回数により判断するが、同加算は届出からどの程度適用することができると解釈するのか。また、届出を行った以降も、直近1年間の状況を毎月計算する必要があるのか。
(答) 在宅患者調剤加算は、届出時の直近1年間の実績で判断し、届出が受理された日の属する月の翌月1日(月の最初の開庁日に届出が受理された場合は、当月1日)から1年間適用することができる。したがって、その間は毎月直近の算定実績を計算する必要はない。
(問2) 在宅患者調剤加算の届出に係る在宅薬剤管理指導の実績(直近1年間の合計算定回数)については、①在宅患者訪問薬剤管理指導料、②居宅療養管理指導費、③介護予防居宅療養管理指導費が対象とされているが、それ以外(在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料)は、算定実績の対象には含まれないのか。
(答) そのとおり。
(問1) 自家製剤加算および計量混合調剤加算のうち、「特別の乳幼児用製剤を行った場合」の点数は廃止されたが、乳幼児の調剤のために、矯味剤等を加えて製剤した場合や微量のために賦形剤・矯味矯臭剤等を混合した場合には、自家製剤加算又は計量混合調剤加算を算定できるという理解で良いか。
(答) 貴見のとおり。
(問1) 薬剤服用歴管理指導料の新たな算定要件に追加された「後発医薬品に関する情報」は、薬剤情報提供文書により提供することとされているが、当該情報は必ず同一の用紙でなければ認められないのか。
(答) 患者にとってわかりやすいものであれば、別紙であっても差し支えない。
(問2) 薬剤服用歴管理指導料の算定要件である「後発医薬品に関する情報」は、処方せんに後発医薬品への変更不可の指示があるか否かに関わらず、提供する必要があるのか。
(答) そのとおり。
(問3) 薬剤服用歴管理指導料の算定要件である「後発医薬品に関する情報」について、調剤した医薬品が先発医薬品に該当しない場合には、どのように取り扱うべきか。
(答) 医薬品の品名別の分類(先発医薬品/後発医薬品の別など)については、厚生労働省より「使用薬剤の薬価(薬価基準)に収載されている医薬品について(平成24年6月1日現在)」※が公表されている。この整理の中で、①「先発医薬品」であり、それに対する同一剤形・同一規格の後発医薬品が薬価収載されている場合は、1) 該当する後発医薬品が薬価収載されていること、2) うち、自局で支給可能又は備蓄(以下「備蓄等」という。)している後発医薬品の名称とその価格(ただし、いずれの後発医薬品も備蓄等していなければ、後発医薬品の備蓄等がない旨でも可)、②「先発医薬品」であるが、それに対する同一剤形・同一規格の後発医薬品が薬価収載されていない場合は、1)調剤した医薬品は先発医薬品であること、2) これに対する後発医薬品は存在しないこと(含量規格が異なる後発医薬品または類似する別剤形の後発医薬品がある場合に、その情報を提供することは差し支えない)、③「後発医薬品」である場合は、調剤した医薬品は既に後発医薬品であること、④上記①から③のいずれにも該当しない場合が「先発医薬品に準じたもの」(昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品のうち、価格差のある後発医薬品があるもの)である場合には、①の1)及び2)に係る事項、⑤上記①から④までのいずれにも該当しない場合は、長年に亘り使用されている医薬品であることや、漢方製剤や生薬であり後発医薬品は存在しないことなど-を「後発医薬品に関する情報」として患者へ提供することが求められる。ただし、④の場合の情報については、レセプトコンピュータが整備されるまでの当分の間、⑤の取り扱いに準じることとして差し支えない。また、「後発医薬品に関する情報」に関しては、「可能であれば一般的名称も併せて記載することが望ましい」とされていることにも留意されたい。
(問1) 在宅訪問薬剤管理指導業務のうち、在宅基幹薬局に代わってサポート薬局が実施することができるものはどれか。
(答) サポート薬局による実施(在宅基幹薬局で算定)が認められているのは、①在宅患者訪問薬剤管理指導料、②在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、③居宅療養管理指導費、④介護予防居宅療養管理指導費に限られる。在宅患者緊急時等共同指導料および退院時共同指導料は認められていない。
(問2) どのような場合に、在宅基幹薬局に代わってサポート薬局が在宅訪問薬剤管理指導業務を実施することができるのか。
(答) 在宅薬剤管理指導は、1人の患者に対して1つの保険薬局(在宅基幹薬局)が担当することが基本であることから、連携している他の保険薬局(サポート薬局)に代わりの対応を求めることができるのは、在宅基幹薬局において「緊急その他やむを得ない事由がある場合」に限られている。したがって、1人の患者に対して、サポート薬局による在宅薬剤管理指導が頻繁に実施されることは認められない。
(問1) 点数表の簡素化の観点から、調剤情報提供料と服薬情報提供料が廃止され、服薬情報等提供料に統合された。平成24年3月までは、①吸湿性等の理由により長期保存の困難性等から分割調剤する必要がある場合や、②粉砕等の特殊な技術工夫により薬剤の体内動態への影響を認める場合には、調剤情報提供料を算定できたが、平成24年4月以降については、これに代わり服薬情報等提供料を算定するという理解で良い
か。
(答) そのとおり。
(問1) 後発医薬品への変更調剤において、処方医から含量規格や剤形に関する変更不可の指示がなく、かつ、変更調剤後の薬剤料が変更前と同額以下である場合に限り、含量規格が異なる後発医薬品または類似する別剤形の後発医薬品に変更できるが、一般名で記載された処方せんにより、先発医薬品を調剤する場合にも、含量規格や剤形の変更は可能か。
(答) 含量規格が異なる医薬品または類似する別剤形の医薬品への変更については、後発医薬品へ変更調剤する場合に限り認められる。変更調剤は、後発医薬品の使用促進のための一環として導入されている措置であることから、一般名処方に基づき、先発医薬品を調剤する場合は対象とされていない。
(問2) 処方せんに含量規格や剤形に関する変更不可の指示がなく、変更調剤後の薬剤料が変更前と同額以下であれば「含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品」に変更できるが、一般名処方に基づいて後発医薬品を調剤する際に、該当する先発医薬品が複数存在し、それぞれ薬価が異なる場合には、変更前の薬剤料についてどのように考えるべきか。
(答) 一般名で記載された先発医薬品に該当していれば、いずれの先発医薬品の薬剤料と比較するものであっても差し支えない。ただし、患者が当該一般名に該当する先発医薬品を既に使用している場合は、当該医薬品の薬剤料と比較すること。
(問1) 一般名処方の場合、当該調剤に係る処方せんを発行した保険医療機関に、情報提供することとされているが、すべてのケースで実施される必要はなく、例えば医療機関との合意に基づき、保険薬局で調剤した薬剤が前回の来局時に調剤した薬剤と同一である場合には、保険薬局から保険医療機関へ改めて情報提供する必要はないものとしてよいか。
(答) よい。
(問1) 基準調剤加算を算定する保険薬局は、特定の保険医療機関の休憩時間に応じた一時閉局となっていないことが求められるとあるが、平日の日中に閉局日を設定している場合についてはどのように解釈すべきか。
(答) 基準調剤加算における開局時間に関する基準要件は、地域の保険医療機関や患者の需要に対応できるよう、特定の保険医療機関からの処方せん応需のみに対応したものとなっていないことを求めているものである。
したがって、平日(土曜日を含む。)の日中の時間帯(時間外加算の対象となる時間以外)については、特定の保険医療機関の休憩時間に応じた一時閉局とはなっていないとしても、診療時間外や休診日(半日もしくは全日)と完全に合わせて閉局している場合には、基準調剤加算の開局時間に係る要件は満たさないものとして取り扱う。
ただし、①当該保険薬局における特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が70%以下である場合、②当該閉局時間もしくは当該閉局日を活用して在宅薬剤管理指導を恒常的に実施している場合、③特定の保険医療機関は休診しているにもかかわらず日曜日も開局している場合、または、④当該薬局における1週間の総開局時間が特定の保険医療機関の1週間の総診療時間(休憩時間を含む。)を超えている場合は、この限りでない。
(問2) 6歳未満の乳幼児(以下単に「乳幼児」という。)の調剤のために、矯味剤等を加えて製剤した場合や微量のために賦形剤・矯味矯臭剤等を混合した場合には、自家製剤加算又は計量混合調剤加算を算定することができるとされているが、当該加算は、乳幼児ごとにその必要性を適切に判断した上で行われるものであって、すべての乳幼児に対して一律に算定できるものではないという理解で良いか。
(答)貴見のとおり。
(問1) 同一又は異なる保険医療機関の複数診療科から処方日数の異なる処方せんを保険薬局が受け付けた場合、薬剤等を整理し、日々の服薬管理が容易になるように支援すれば、その都度、外来服薬支援料を算定できるのか。
(答)算定できない。外来服薬支援料は、患者または家族が持参した「服薬中の薬剤」に関する服薬支援を評価しているものである。
(問2) 自家製剤加算又は計量混合調剤加算については、「疑義解釈資料の送付について(その2)」(平成24年4月20日)において、6歳未満の乳幼児に対する特別な製剤を行った場合には算定できることが示されたが、従来どおり、成人又は6歳以上の小児のために矯味剤等を加えて製剤した場合や微量のために賦形剤・矯味矯臭剤等を混合した場合にも算定できるという理解でよいか。
(答)そのとおり。
【保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント提供】
(問)保険薬局における調剤一部負担金に対するポイント付与に関して、平成24年10月1日より、専らポイントの付与及びその還元を目的とするポイントカードについては、ポイント付与を認めないことが原則とされているが、現在においても従前と同様に1%程度のポイント付与を行っている事例について、どのように指導すれば良いか。(「保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成24年9月14日保医発0914第1号)、「保険調剤等に係る一部負担金の支払いにおけるポイント提供についての留意事項」(平成24年9月14日事務連絡)関係)
(答)当該事例については、保険薬局に対し、今般の調剤一部負担金に対するポイント付与の原則禁止の趣旨について理解を得るよう努めていただきたい。また、平成24年9月14日付け事務連絡で示しているとおり、クレジットカードや、一定の汎用性のある電子マネーによる調剤一部負担金の支払いに生じるポイントの付与の取扱いの検討を行うまでの間は、経済上の利益の提供による誘引につながっていると思われる事例等への指導を中心に行っていただきたい。具体的には、例えば、
・ポイント付与を行っている旨の宣伝、広告を行っている事例
・特定の曜日などに限りポイント付与率を上げている事例
などへの指導を中心としていただきたい。