H30年度の診療報酬改定では、どうやら「抗菌薬の適正使用」というのが隠れテーマとしてあるようですね。
薬局は関係ないようにも思えるんだけど、個別改定の資料にもしっかりと明記されています。
再診料の地域包括診療加算若しくは認知症地域包括診療加算、地域包括診療料若しくは認知症地域包括診療料、薬剤服用歴管理指導料又は小児科外来診療料若しくは小児かかりつけ診療料を算定する場合は、抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めていること及び「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した治療手順等、抗菌薬の適正使用に資する診療を行うことを要件として追加する。
赤字のとこだけをつなげて読んでみると「薬剤服用歴管理指導料を算定する場合は、抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めていること」つまり「薬歴料をとるなら抗生物質の適正使用を啓発しなさいよ」ということなんです。
ちなみに、病院の方はというと、なんと抗生剤を処方しないと点数を上げるよというびっくりするような加算が新設されました。これだけやらないと、抗生剤の適正使用が推進しないということなのでしょう。
新設された点数は「小児抗菌薬適正使用支援加算:80点」です。
算定要件
急性上気道感染症又は急性下痢症により受診した小児であって、初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しないものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合に算定する。
なお、基礎疾患のない学童期以降の患者については、「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した療養上必要な説明及び治療を行っていること。
ちびっ子に抗生剤をださないで、かつ、抗生剤をださなかった理由を説明したらとれる点数です。風邪に抗生剤ってやたら処方されるけど、じつは、風邪や下痢に抗生剤はほぼ必要ない。
患者は、風邪を引いたら抗生剤をもらいに病院へいくとおもっているから、欲しがるんですよね。医者は説得するよりは抗生剤だしといた方がラク、また症状が悪化したときになぜ抗生剤を使わなかったんだといわれないための保険。そんなもんです。
欲しがる患者を説得するには、労力が必要なので、抗生剤濫用がとまらない。どうにかしないといけないから抗生剤ださなければ80点という激甘な点数が新設されました。
より詳しくは別記事でまとめています。
これで割りを食うのが抗生剤の製薬会社です。抗生剤ださないとちょうど80点の薬剤料が節約になるので、その分が医者の懐にはいるわけです。
さて、薬局はと言うと、とくに加算される点数は新設されていません。かわった点と言えば「薬剤服用歴管理指導料」の算定をするのであれば「抗菌薬の適正使用に関して普及啓発に務めること」が要件になりました。
具体的に何するんでしょうかね?これ謎です。啓発ポスターとかはるんでしょうかね?よくわかりません。
ただ、医者が「抗生剤」は必要ないですって、患者に説明したとして、そのあと薬局にきてきくんです。「ホントに、抗生剤は必要ないの?」って。そのアフターフォローは必要ですよね。
そこで、抗生剤の勉強に必要な書籍をピックアップしてみます。
抗菌薬の知識をより深めるために必要な書籍
内容紹介
52の抗菌薬をすべてキャラクター化! 系統ごとに住む世界・職業をキャラ設定しているため、抗菌薬の特徴や使い方を直感的に記憶できます。抗菌薬に苦手意識をもつすべての医療従事者におすすめです!
内容紹介
経験豊かな感染症医が伝授する抗菌薬処方のエッセンス。基本的な17の心得をマスターし、敵(病原体)の性格を理解し、おもな抗菌薬の特徴をつかむ。ややこしいけど知っておかなければならない、明日から使える抗菌薬のキホン知識が100分でスラスラ読めて自然と体得できる!
内容紹介
なぜ感染症が起こるのか? 菌や個体の状況はどうなのか? どんな抗菌薬があってどのような特徴があるのか?
抗菌薬治療の基本的な考え方や実際がわかる!
内容紹介
“抗菌薬虎の巻”というタイトルどおり,感染制御専門薬剤師が臨床現場で経験する様々な疑問・質問について解説し,合理的な判断につながる情報を盛り込んでいます.
Q&A形式なので,知りたい内容の答えがすぐにわかり,抗菌薬に対し苦手意識を持っている方々にもおすすめの一冊です!!
ライトで読みやすそうなの選んどきました。私は、ためしに「キャラ勉」買って勉強してみようかと思っています。だって、抗生剤必要ないのに医者は出すんでしょ?医者が信用出来ないなら自衛するしかないので、いい機会なので1冊くらい読んでみます。
いまの自分のなかでのフローチャートは「風邪に抗生剤は要らない → 病院いく意味ない → 風邪は家で寝ているのがベスト」こんなかんじ。なにがいいのかよくわからにのでまずは勉強してみます。
関連記事「薬剤服用歴管理指導料」の変更点
薬局関連の勉強にオススメのサイト
薬局に勤めている人なら、すでにほとんどの方が登録ずみだとおもいます。薬局関連の情報が集約された最強サイトといえば「m3.com」です。
薬局関連情報のポータルサイトなので、国内外の最新医療ニュースが「まとめて」閲覧することができます。
「m3.com」では毎日新しい情報が更新されているので、このサイトさえチェックしていれば業界で取り残されることはありません。上記のリンクをみてもらうとわかりますが「旬」な話題がずらーっと並んでますよね。
薬局の人なら興味深い内容ばかりだとおもいます。ただ、記事を閲覧するためには会員登録が必要なのですが、登録は無料で1分ほどの簡単な入力ですんでしまいます。
薬局の人なら登録して「ソン」はないと言うか、むしろ登録しないと「ソン」な薬剤師に必須のサイトです。