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平成30年度診療報酬改定

後発医薬品調剤体制加算は3段階に細分化【2018年診療報酬改定】

2018年度の診療報酬改定による後発医薬品調剤体制加算について紹介していきます。

といっても、パーセンテージがかわるだけで他の要件や計算方法はほぼかわらず。パーセンテージ以外に追加になったことといえば、極端に置換率が低い薬局へのペナルティー措置です。普通に頑張ってるところは問題ないけど、どうせ加算とれないからと早々とサジを投げてしまった薬局はヤバイです。

置換率は普段からの積み上げが大事だから一朝一夕で上がるものではない。あれだけジェネリック進めろといわれてススメてなかったら、もうそれは自己責任。甘んじてペナルティー受けるしかないです。

さて、それでは今回改定まとめていきます。

後発医薬品調剤体制加算の要件

後発品の使用割合が規定値を超えたら厚生労働省に届出をだすことによって、調剤基本料に上乗せして点数をとることができます。

上乗せできる点数が「後発医薬品調剤体制加算」です。いままでは2区分しかなかったけど、今回からは3区分になりました。

要件

  • 後発医薬品調剤体制加算1:18点 → 置換率75%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算2:22点 → 置換率80%以上
  • 後発医薬品調剤体制加算3:26点 → 置換率85%以上
  • 置換率20%以下は2点を減点

ペナルティー

後発医薬品の調剤に関して、別に厚生労働大臣が定める薬局(▼下記参照)において調剤した場合には、所定点数から○点を減算する。ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局を除く

  • (1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が2割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
  • (2) (1)に係る報告を地方厚生局長等に報告していない保険薬局であること。

ペナルティーはH30年診療報酬改定で新設です。調剤基本料から減算なので、受付ける全ての処方箋で減額だから、これはヤバイです。この報告書を提出しなかったアホな薬局も減算ですが、これはしかたないですね。処方枚数が少ない薬局は救済措置で除外されます。

保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く」という規定もあるのでこちらは別の記事で詳しく書いています。

計算方法

後発品の数量シェア=

後発医薬品


後発医薬品のある先発医薬品 + 後発医薬品

こんな感じですね。計算式見てもらえばわかるけど、計算式に使われているのが「後発品」「後発品のある先発品」なので「先発品しかないもの」は式のなかにはいっていません。数量ベースから完全に除外されていることがわかります。

ちなみに、これ大雑把な計算なので、さらに正確にするには薬価まで考慮して「後発品よりも安い先発品」と「先発品よりも高い後発品」をさらに除外します。

まず、先発品と後発品を以下の用に分類します。

【1】後発医薬品がない先発医薬品
【2】後発医薬品がある先発医薬品(後発医薬品と同額又は薬価が低いものは「☆」印)
【3】後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高いものは「★」印)

で、計算式に当てはめるとこんな感じ。

後発医薬品の数量シェア(置換え率)
=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)
=〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)

「★」や「☆」は厚生労働省の薬価収載品目リストでで公開されていますので参照してみて下さい。

参照薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について

これまでの改定で減額されていく推移

もう忘れてしまった人も多いと思うので、改定される度に下がる後発医薬品調剤体制加算を復習しときます。骨太方針2017で厚労省は20年9月までに数量シェア80%の達成を掲げているので、がんばって80%まで食らいついていきましょう。

平成22年改定

20%以上 6点
25%以上 13点
30%以上 17点

平成24年改定

22%以上 5点
30%以上 15点
35%以上 19点

平成26年改定

55%以上 18点
65%以上 22点

平成28年改定

65%以上 18点
75%以上 22点

平成30年改定

75%以上  18点
80%以上  22点
85%以上  26点
20%以下  ▲2点

途中で計算の指標がかわってるから単純には比較できないんだけどこんな感じですね。基準は厳しくなってるけど、その分点数は伸びているので、期待されている部分です。目標80%を掲げているから、そこにもってくるまでは点数はあるていど保証されているけど、達成されてしまうと、あとは下がるばかりです。

必殺!!はしご外し!!

そして平成30年度からいよいよペナルティー措置が解禁です。ふるい落とされないように頑張りましょう!!

当薬局のジェネリック推進状況

後発置換率の縛りは、年々きびしくなってるので、脱落してジェネリック推進やってない薬局もたくさんあることだとおもいます。うちの薬局はと言うと、血の滲むような努力でなんとか78%をキープしています。それでも今回改定では「後発医薬品調剤体制加算1」の一番すくない点数しかとれません。

とれるだけまだいいのでしょうけど、流石にもう限界ですよね。

もうねぇ、うちの薬局なんかジェネリックあるものは、ほとんどジェネリックを採用して、すべての患者にジェネリックの希望を確認して、やっとこ78%です。一人しかでない薬も、そのひとの許可をとったら、その人のためにジェネリックをいれます。

もちろんオーソライズドジェネリックも採用しています。先発品希望の人でもオーソライズドジェネリックなら変更してもいいという人はたくさんいるので、先発希望の人にひとりずつ懇切丁寧に説明します。

実際、ジェネリックのせいで薬局の仕事はずいぶん増えましたよね。これは加算をもらってしかるべきです。できることならジェネリックのなかった時代にタイムスリップして戻ってみたいです。

ジェネリックがなかった時代

  • 患者に希望を確認しなくていい
  • 在庫品目がすくなくていい
  • 一般名を覚えなくていい
  • 処方箋に書かれたものをそのまま調剤すればいい

昔の調剤薬局めっちゃラクそう。しかもお薬手帳も浸透してないから、確認しなくてもいいらしい。この時代にドロップ・アウトした人がいま育児をおえて現場に復帰してくるんだけど、あまりの変化に対応できずに、去っていく人や退場させられていく人をたくさん見てきました。

それくら薬局の変化は激しい。ちょっと話がそれてしまいましたね。

さて、これだけジェネリックの使用割合を厳しくすると、完全にあきらめてしまう薬局がでてきます。諦めたらラクですよねー。ジェネリックがなかった時代にプチタイムスリップ状態です。

「ジェネリックにしますか?」ってきかなくていいし、処方箋に書いてあるものそもまま調剤すればいいから、タイムロスがすくない。諦めたらいろいろ楽になるんだけど、やっぱりそれじゃダメなのよね。

国はジェネリックすすめてほしいために加算を用意してるのに、それが逆効果になってしまったら大変です。ということで、設けたのが「足切り」ペナルティーです。

逆の発想で、もし使用割合が20%以下になるようなことがあれば調剤基本料を減額しますってペナルティーが2018年診療報酬改定で導入されました。

「アメ」でうごかないなら「ムチ」をうつしかないですね。さー、いままでサボってきた薬局はもうたいへんです。医療機関に土下座でもしてジェネリックにしてもらいましょう。

ちなみに、当薬局は、できることはやり尽くしたと思います。さらに、この上の点数を目指していくなら、あとは国手動でジェネリックをすすめてもらうしかないとおもう。ということで、薬局が努力する時代はもう終わりです。

あとは、国主導でなんとかしてください。

ジェネリックを推進するために国に導入してもらいたいこと

まず使用割合を計算する上で導入してほしいのが、負担金「0」の人を計算から除外です。これはマジでモチベーションさがるからやってもらいたい。

ジェネリックをすすめにいって一番こまるしイラッとするのが「会計ないから」先発のままでです。もう、これいわれるとなすすべない。国から補助がでて、どうせタダだから「高いの使っちゃおー」って、それは「ちがうだろー」。

ちなみに、生活保護のように公費単独は計算から除外されるから関係ない。「ひとり親」や「乳幼児」とか保険併用は計算式にはいってきます。これを計算式から除外してくれないとがんばるきがなくなるよね。ただ、除外しないということは、逆に言えば、こういう公費で無料の人にも薬局はジェネリック推進しろってことなんでしょうね。

どうせタダならよりいいものをって考えがいかんよね。ということで、制度として改善してほしいのは先発品と後発品の差額を実費で支払ってもらう制度です。

全て無料で、お金を払う選択肢がないからいけないのであって、先発をつかうなら支払いが発生するという制度をきっちりと作るべき。とくに、生活保護とかね。先発使ってもいいけど、その分はやっぱり支払うべきだと思う。会計ある人は支払うことを選択して先発にしてるわけだから。

もっとジェネリックを推進していくために必要な考え方はジェネリックにしたら安くなる制度ではなく、先発にすると高くなるという制度です。トータルでみたら同じなのかもしれないけど、この考え方を転換しないと、これより先にはすすめないとおもう。

これを実行するために、一番強力な措置が「差額実費徴収」です。これやれば、ほっといても90%以上置換できる。

実費徴収というのは、ジェネリックで治療するぶんは保険給付するけど、それをこえて高級品(先発品)を選びたいならそれは自費で払ってねという制度です。「差額ベッド代は自費」というのと同じ考えです。

こちらについては長くなるので他の記事で書いています。

関連記事ジェネリックと先発品の差額を実費徴収したらいくらになるの?

今回の改定では生活保護のひとは「原則ジェネリックの使用」が予定されていますが、実は、以前から「原則ジェネリック」なんだけど、強制力がなく先発を希望する人があとをたちません。そこで、今回からは強制力をもたせるために実費徴収なども考えられています。

上記で書いたけど、選択肢がやっぱり必要。先発使いたいひとはお金支払って使えばいいだけで、会計ある人はみんなそうやって選択してるのだから、負担金ないから高いものを使うという考えの方がおかしい。

処方箋の「変更不可」へのペナルティー

一律全部変更不可っておかしくない?この変更不可処方箋発行割合によってはペナルティーを設けるべきだと思う。

だって、世の中ジェネリックで治療できる医者もいるのに、先発でしか治療できない医者がいるっておかしいでしょ。せめて患者によって治療可能・不可能は判断してもらって然るべきだとおもう。

一律変更不可のハンコを事務員に押させている医者にはぜひペナルティーが必要。で、そのペナルティーを課す事前段階として「処方変更不可」の医師をレセプトに表記するべきよね。薬局のレセプトもそう、変更不可の処方箋であってもそれをレセプトに載せる箇所がない。

ということで「変更不可」かどうかって、国はどうやって把握してるわけ?とりあえず、薬局のレセプトには載せてあげるから、載せられるように整備して欲しい。

ペナルティーってわけではないけど、現行制度では「一般名処方加算」といって一般名称をつかって処方箋を書くと加算がとれる仕組みになっていますが、これを加算ではなく、やらないと減算にしてみたらどうでしょう?

基本料のベースを「一般名処方加算」分だけ多くしておいて、もし、商品名処方をした場合は「減算」するってシステムです。トータルで見たらおなじくらいになりますが、心理学的に、人間の感覚は、同じ金額であれば「得たときの喜び」よりも「損したときの不快感」の方が大きく感じてしまうそうです。

ということは、加算で「得する」といういまの考えを、このままだと減算「損する」という考えにすると、損するストレスの方が上回るので、現状よりも一般名処方がすすむことだとおもいます。

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