はやくもブラック薬局の寄稿記事の第二弾を公開します。今回は、ブログを見てメールをくださった薬剤師のvacation 様に書いてもらいました。
ちょっとかわった小太り薬局チェーンの社長の話です。
経営者だからって、みんながみんな尊敬できるようなスゴい人なわけではありません。とくに、事業を承継しただけにすぎない2代目ともなると・・・。
今回は2代目社長の実態がわかる記事になっています。それでは、以下お楽しみ下さい。
以下寄稿
はじめまして、vacationと申します。薬局の薬剤師として勤務をして15年目になりました。日頃からジム子さんのブログを拝見しておりまして、薬局事務の方のスペックの高さを感心しながら楽しみに見ていました。ジム子さんが記事の募集をされていることを知り、少しでも私の経験がお役に立てればと思い投稿しました。
1、社長の紹介
創業者の息子で何の苦労もなく30代で社長になる。
薬剤師免許あり。
口癖はマネージメント、効率化。
薬剤師の免許を持っているが、マネージメントを大切にする信念(?)があるため、薬のことはほとんど知らない。
マネージメントと言いながら、薬剤師や事務員さんに指示を出しているのは父親の会長。残念ながら、実権は会長が持っている。
会長が甘やかせて育てているため甘えた体型。
実権がないためか、仕事がないせいか、何かと地方の田舎から東京に出張に行く。厚労省の官僚と会議があると自慢げに従業員に話をする。名刺交換をしたと自慢げに名刺を見せてくるあたり小物だな。と思っている。
2、不正請求をして厚労省指導を受ける
当社は、不誠実な会社なため、計量混合加算の不正請求をしている。多い月で計量混合加算だけで1ヶ月あたり150万円は不正しているんじゃないかな。
年間にすると約1,000万円。
もうすでにバレバレのため、国保連合会や支払基金から「計量混合加算の件ですが予製されていないですか?」と疑いをかけられた電話が2ヶ月に1回のペースでかかってくる。
完全に目をつけられています。
数店舗しかない弱小チェーン店なのに、不正請求で目をつけられているためか、数年前に厚労省指導にあたる。
厚労省指導は、現場の薬局に指導官が2時間入り、根掘り葉掘り探ってくる。何のノウハウもない、当社は薬局としての未熟さを露呈する。
現場を見終わると場所を移して、開設者と薬局のマネージャー、管理薬剤師、事務が指導官から指導を受ける。ここで官僚と名刺交換をしている社長の出番かと思ったが、社長は登場せず。
まさかの遅刻。
この時点で、「有り得んわ」という話ですが、薬局のマネージャーが「すぐに来て欲しいこと」を伝えると1時間遅刻して登場。
悪びれた表情は微塵もなく、ふてくされた表情で登場。
指導官の印象は相当悪いようで、マネージャーが怒られる始末。厚労省との名刺交換の効果は何もなかった。
指導後に何で遅れて来たか聞くと、驚いた返答が。。。
社長「大手チェーンの社長は1店舗の指導のためにわざわざ出向くことは有り得ない」
数店舗しかない社長が何を言っているんだと思った。自主返還をくらい、それすら、不正するとてもブラックな会社。
3、社長の好きなこと
何もできない社長が好きなことがある。それは、電話。
電話が友達なので、従業員によく電話をする。この私にも頻繁に電話をしてくる。非常識な社長で朝5時から電話をしてくる。
その電話を取らないと激怒して、「もうお前の電話には出ないからな」という。
別の日に、「食事会が終わったら、報告を聞きたい。何時になってもいいから電話をくれ」報告のために21時ごろに電話すると、電話を取らない。
翌日電話があり、「昨日はもう寝てたよ」という有様。人を批判するくせに自分は見本を示すことができない。
4、5年後潰れる
先見の明がない社長のくせに、5年後、10年後の話が好きで、「あの会社は有り得ない。5年後潰れる」ということを平気で言う。
大ハズレした話で、ソフトバンクの孫社長がボーダフォンを買収した時の話。
「あんな買収は有り得ないよ。まあ、5年たったら潰れるだろうな。見ててよ」ということを平気で言っていた。
経営者の目線から見るとそんなものかなと思っていたが、とんでもない成長をして皆様ご存知の通り、利益が1兆円を超える企業になった。
5、ダイエットができない
薬剤師のリクルートで物事をはっきりと言う大学教授を訪問した時の話。
その大学教授がとても心配そうに「あなたはそんな体型で大丈夫なの?」と言われていた。
聞こえないふりをして、教授もそれを察知したのかその話はそれ以上なかった。体型のことを言われるのが嫌いなので、それ以降リクルートに行くことをやめた。プライドがあるのかな。そんなプライドがあるなら、ダイエットすればいいのにといつも思うけどもう無理なんだろうな。
6、車が好きなグルメ家
車を運転するのが大好きで、愛車は高級国産車と高級外車。
狭い道をものすごい加速で走り抜ける。高速道路でも180kmの超非常識な運転を平気でする。
いいところもあって憎めないところもある。あの体型だけあって、とてもグルメ。
美味しい店をよく知っている。美味しい店にメーカーさんを連れてよくいいているようだ。お金はもちろんメーカーもち。
7、一流も好き、イエスマンがもっと好き
一流が大好きで、「一流を知らないと一流のサービスを提供できない」と従業員にまともなことを言い出し、それを強要する。
1泊数万円のホテルなどに自費で泊まらせる。高いだけでサービスを知ることすらできないと言う声がちらほら。だが社長には、一部のイエスマンの声しか聞こえないため自分が正しいと思い込んでいる。
イエスマンが大好きな社長は、イエスマンではないものを寄せ付けない。
それどころか、辞めさせることもちらほら。
何度か聞いたことがあることばで、
「イエスマンしか残らないからな」その言葉が怖い従業員は、イエスマンの振りをしてできるだけ嫌われないようにしている。
8、10年後
そんな社長だが、10年後も生き残る会社を本気で作っている。(本人談)
調剤報酬に頼った収入をこのまま維持できるはずもなく、そんなに遠くない将来、大手の傘下に入ってしまうのではないかと思っている。その方が、従業員のためであり、サービスを提供する利用者のためだと思うけどね。
それを見届けるまで私はもうしばらくいるつもり。
これが意外と当たっていたりして。
こんなとんでも社長と出会って、もう15年目です。そんな社畜薬剤師の私ですが、いろんな意味でいい経験をしていると前向きに捉えています。人としてやってはいけない不正請求をしてまで利益を得ようとする姿勢を見て、底辺だなと小バカにしています。こういう不正は知らないところでまかり通っているかもしれません。現場の一薬剤師として提言等をしていますが、全く聞く耳なしです。
こんなとんでもない社長の話を最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
最後にこのような機会を得ることができたのはジム子さんのおかげです。ありがとうございました。
では。
・・・
以上です。
ご投稿いただいたvacation様 ありがとうございました。そして、お疲れ様です。
「イエスマンしか残らないからな」こういうことを平気で従業員へ言ってしまう経営者のもとに10年後どれだけの人が残っているのでしょうか。私にも、10年後は目先のお金に目がくらんでM&Aしそうな未来がみえます。
個別指導を恐れない物言いは無知からくるものなのでしょうか?個別指導は過去の薬局でも経験したことありますが、みんな慌てふためいて入念に準備して緊張していたものです。
ちなみに、個別「指導」は通知がきて呼ばれるもので、いきなりくるのは「監査」だったとおもいます。今回は、店舗に指導官が来ているので、より厳重な「監査」のパターンなのかもしれない。
通常は、個別指導なので、監査がくるパターンは度重なる不正請求の疑いを無視したことに起因しているのではないでしょうか。
行政指導で口答えしても得することなんて何一つありません。「口答えをしない」を合言葉に乗り切っていくものだとおもってました。行政指導で口答えしてもいいことなんてないですからね。そこはプライド捨ててでも理をとる経営者であって欲しい。
そんな社長にはこんな本はいかがでしょうか?
内容は、わかりませんがタイトル的には一致しているきがします。
これからの薬局経営はたびかさなる調剤報酬の減額にさらされて厳しくなっていくものだとおもいます。果たして、この社長がいかにして調剤報酬減額の荒波を乗り切っていくか、気になるところです。
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