先日、薬局長が在宅からなにやら落ち込んだ様子で帰ってきたと思ったら、どうやら駐車禁止の罰則をもらってしまったようです。
これで2回目ということですごく落ち込んでいました。
業務中の駐車禁止の罰金ってだれがかぶるのでしょう?会社は言えばだしてくれるのかしら…。点数の罰則は本人がかぶる他ありませんが、罰金に関しては会社が補填してあげてもいいような気はします。
ちなみに点数と金額はこんな感じ。高いですよねぇ。これを自腹で払うとなるとお小遣いの半分くらいもってかれてしまいます。
点数 | 普通車 | 大型車 | |
放置駐車違反(駐停車禁止場所など) | 3 | 18,000円 | 25,000円 |
放置駐車違反(駐車禁止場所など) | 2 | 15,000円 | 21,000円 |
駐停車違反(駐停車禁止場所など) | 2 | 12,000円 | 15,000円 |
駐停車違反(駐車禁止場所など) | 1 | 10,000円 | 12,000円 |
医薬品卸の配送の人とかいつも路駐してるけど、大丈夫なのかしら?
さて、個人宅では必ずしも駐車場があるわけではないので、このようなケースが発生してしまいますが、どうにか回避する手段はないのでしょうか?ちょっと調べたら簡単にわかりました。
このような場合は、駐車禁止の除外の指定を受けることで、訪問薬剤管理指導の業務に支障が生じないようにすることが可能です。これを「駐車禁止除外指定」といいます。
ソース:平成28年 保険薬局Q&Aより
『駐車禁止の除外の指定を受けることにより、訪問薬剤管理指導の業務に支障が生じないようにすることが可能』(一部抜粋)
こちらの書籍は日本薬剤師会が監修しておりハッキリと取得可能と記載されていますが、インターネットで調べていくと取得への道のりはなかなか困難なようですね。
一昔前は、医師の往診は認められてたけど、薬剤師は認められていなかったようで、その名残がまだとれていないのかもしれません。
ちなみに、ちょっと前の警察庁の公式見解は「薬剤師の患者宅訪問のための車両は、駐車を認めなければ公共の安全に支障を来すなど、高度の公共性がある車両とは認められない」です。いまはどうなっているかわからない。
ベースにあるのが道路交通法施行細則なので都道府県ごとで判断基準が違っているのかもしれません。
道路交通法施行細則によると駐車禁止の除外指定を受けられる車両は、
- 緊急自動車その他の車両であって、公共性が極めて高く、緊急に、広域かつ不特定な場所に対応することが必要な用務に使用中のもの
- 緊急自動車その他の車両であって、前記アの用務に準ずる程度の公共性が高く、広域かつ不特定な場所に対応することが必要な用務に使用中のもの
- 身体障害者などで歩行が困難なものが現に仕様中のsh量および患者郵送社その他もっぱら歩行が困難なものを郵送するための車両であってその郵送に使用中のもの
この中で、訪問薬剤管理指導の業務についてはアまたはイに該当するらしいです。医者が往診して、そのあと緊急で薬が必要ですってなったら至急届けないと行けないから公共性は高くて緊急性ありと判断できるでしょう。
ただ、広域か不特定な場所かと言われるとそうでもないですよね。訪問薬剤管理指導は契約してから履行されるので、いきなり知らない人へ届けてくださいなんてことはない。
で、この高きハードル「駐車禁止除外指定」ですが、これよりももうちょっとハードルが低いのが「駐車許可」だそうです。
特定の場所に駐車してもいいですよという許可で、これは特定の場所に限られます。さっき説明した「不特定な場所」であるかどうかが問題であれば、特定な場所で「許可」を取ればいいのです。
でも、こちらの「駐車許可」は効力が狭くって、患家ごとに申請が必要なので、患者さんの新規契約が入る毎に申請する必要があります。
駐車許可や駐車禁止除外指定の窓口は薬局最寄りの警察署になります。本気で取りたい方は、うだうだ調べるよりは直接聴きに言ったほうが早いし確実です。
ネットだとほとんど情報出ません。
おまけ
医薬品卸の配送の人とかいつも路駐してるけど、大丈夫なのかしら?
道路交通法の中で、駐車禁止に関する記載があるのは第45条です。
その中に、このような但し書きがあります。
第45条(駐車を禁止する場所)
1(略)
2(略)ただし、貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき、又は傷病者の救護のためやむを得ないときは、この限りでない。
駐車禁止のとこで、駐車してはいけないのはもちろんのことですが、5分以内の荷物の積み下ろしはそもそも「停車」であって「駐車」ではないのです。
運転免許の試験でしっかりと勉強したはずですが、久々におさらいしてみます。
駐車と停車の違い
駐車とは
- 車が継続的に停止している状態
- 客待ち、荷待ちによる停止
- 5分を超える荷物の積みおろしのための停止など
- 運転者が車から離れて、すぐに運転できない状態での停止
停車とは
- 人の乗り降りのための停止
- 5分以内の荷物の積みおろしのための停止
- 運転者がすぐに運転できる状態での短時間の停止
ということで、卸の配送の人は車両を目視できるところで5分以内にテキパキと終わらせれば駐禁を切られずにすむのです。
停車ですむのであればわざわざパーキングに駐車する必要はありません。