当サイトはアフィリエイトサイトであるため広告を掲載しています。

法律

待合室でDVDや音楽を流すのは著作権法違反!?

薬局を営業するにあたって薬事法を破らないように気をつけていると思いますが、

著作権法についてはどうでしょうか?

気にしたことのない人の方が多いと思います。

先日、飲食店でのピアノの生演奏が著作権の侵害になったというニュースを見ました。

著作権法違反で莫大な損害賠償を請求されていましたが、おそらく著作権の中の演奏権を侵害したものだと思われます。

これと同じように薬局で音楽を流していたりDVDを流していたりしたらこれも著作権の侵害に該当するおそれは十分あります。

DVDはそんなにうるさくないにしろ、音楽の著作権はJASRACさんが厳しく取り締まっているので注意しなくてはならない。

薬局内で音楽を流すことについて

一口に著作権と言ってもいろいろあって「上演権、演奏権、上映権、口述権、公衆送信権、譲渡権、複製権、頒布権」などまだまだたくさんあります。

この中でも店内で音楽を流すという行為は楽曲を使用することになるので演奏権の使用に該当します。

演奏というと楽器で奏でるイメージですが、CDプレイヤーで音楽を流すことも演奏に該当します。

購入したCDを個人で音楽を楽しむことは著作権の使用には該当しないのいうまでもありません。個人で楽しめなければ買う意味がないですからね。

また特定の少人数で聞く場合も私的使用に該当するので問題ありません。だから、友達同士で聞くぶんには侵害しません。

しかし店舗で流すときは話は別です。不特定多数の人に音楽を聞かせることになるので、購入した音楽CDはそこまでの権利を許していないのです。つまり、演奏権の侵害ですね。

もし、店舗で音楽を流したいのであれば楽曲を管理しているJASRACさんに使用許諾をとらないとならない。

1曲ずつ申請しないといけないし年間(月間)で使用料を支払わなくてはならないので、個人の薬局として使用するには現実的ではありません。

だから、CDをかけるのは諦めて飲食店とかは有線放送を契約してたりします。

有線放送は著作権の契約を代行してくれており有線放送で流れる音楽は著作権を侵害することなく店内で流すことができます。

病院の待合室でDVDを流すことについて

購入したDVDやレンタルDVDも音楽と同様に店舗内で流したら上映権の侵害になるかもしれません。

購入したものは家庭内での視聴を許諾されているに過ぎず不特定多数が見れる状態にしておくと映画を上映しているのと同じ扱いになるので上映権の侵害になります。

つまり、薬局の待合室ではDVD流したらダメです。ちなみにテレビをリアルタイムで流すのであれば問題ない。

テレビについてはもうすこし詳しく説明します。

待合室でテレビを流すことについて

病院や薬局の待合室にテレビをおいているところは多いが、これは著作権に違反しないの?

これはまったくもって問題なしです。

テレビはもともと公に公開されているものなので、それを流すぶんには問題ない。

ただ、気をつけて欲しいのが、テレビ放送(ラジオ含む)をリアルタイムで流すぶんには問題ないが、録画した番組を流してはダメです。録画は複製に該当し、複製したものは家庭内での使用に限り視聴が認められています。

また、テレビのリアルタイム上映であっても映画劇場みたいに大型スクリーンに拡大して投影する場合も権利侵害が発生するのですが、待合室での視聴であればこれは問題ないだろう。

著作権とは別のはなしになりますが待合室にテレビを置くとNHKの集金がやってくるので、これは支払わないわけにはいかないですね。

おまけ

ブログと著作権法

このブログを記載していく上でも著作権については常に気を使っています。

著作権を侵害すると、場合によっては10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられることがある。

なので、

コピー&ペーストは極力しないようにしている。

でも、当サイトのポリシーとして根拠として厚生労働省の疑義解釈を引用したり、法的な根拠を例示している。

これの著作権はあるのだろうか?

著作権法
第13条(権利の目的とならない著作物)

次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
1.憲法その他の法令
2.国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
3.裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
4.前2号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

第13条には著作権法の保護の対象にならない著作物が列挙されている。

1項の1号、2号には、国が発行した憲法、法令、告示、訓令、通達は著作物にならないとされている。

法令のたぐいのものは国民に広く周知させることが目的なので保護されないのは当然である。

私がよく引用している厚生労働省が発表する疑義解釈はこの13条に該当するので保護対象にならない。

つまり誰でも自由に利用することができるのです。

疑義解釈は厚生労働省が発表する通知なので、2号で例示されていないけど2号には「・・・その他これらに類するもの」と規定されていて、

「その他これに類するもの」には、照会、回答、通知、疑義も2号に該当すると解釈されている。

よって、

いつも引用している疑義解釈は厚生労働省からの「通知」なので著作権フリーで掲示して問題ありません。

続いて、32条(引用)について説明する。

第32条(引用)

1.公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2.国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

引用はちゃんと引用元を掲示すれば著作者の同意なしに著作物を利用することができる。

ただ、法令・条文などの13条に該当するものはそもそも著作権がないので引用規定も適用することなく使用できる。

一般人が作成した文章は、作成と同時に著作権が発生して保護されるが、その文章の一部を拝借するのが引用です。

適正な引用は、著作権の持ち主から許可をとらなくてもすることができます。その代わり、必要以上に広い範囲を引用したらダメで、最低限にとどめる。

雑誌でいくつかの記事があったら記事ごとに著作権が発生しているで、その記事の一文を引用する事は構わないが短い記事であっても全文を引用することはできない。

全文コピーは引用の枠を超えてしまうので著作権侵害になります。

具体的な引用の仕方なんだけど、

最高裁で判例がでていて、

①他人の著作物を引用する必然性があること。
②かぎ括弧をつけるなどして自分の著作物と引用部分を区別する
③自分の著作物と引用する著作物との主従関係を明確にする
④出所を明示する

この4つの条件を守ることが必要です。

ようするに、引用するときは『』つけて出所を明示しろってこと。

あとは、自分の文章よりも、引用文の方がボリュームがあるとどっちがメインなのかわからないから、引用するときは自分の文章が「主」になるようなボリュームにする必要があります。

-法律

© 2024 調剤薬局事務の仕事 Powered by AFFINGER5