うちの薬局は手指の消毒にウエルパス使ってるんだけど、あのポンプ付き容器って使い捨てにするのもったいなくないですか?
あの容器をもってかえって家で消毒用アルコールに詰め替えたらすごく使いやすいこと。
我が家のちびっ子たちは床やテーブルに縦横無尽にクレヨンで落書きするので、シューっと吹き付けるアルコールはとても重宝します。クレヨンは水では落ちませんがアルコールつかうとラクラク落とせます。
さて、
薬局内でも軟膏容器の消毒・軟膏板の清掃・分包機の清掃と様々な場面で、消毒用アルコールは使用していると思いますが、どのように使用していますか?
500mLのボトルなのでそのまま使うとドバドバでてきて使いづらいこの上ないですよね。これをそのまま使う薬局は少ないはずです。スプレーボトルとかに詰め替えてところが多いのではないでしょうか?
軟膏調剤が多いところだと、詰め替える頻度も多いので、詰替えも手間ですよね。ということでオススメの方法があります。
なんと使用済みウエルパスのポンプが消毒用エタノールの蓋のサイズとぴったりあうのです。だからアルコールの蓋をはずしてポンプをセットするだけでそのままスプレーボトルに大変身です。
わざわざ容器を詰め替える必要なんてないのです。
ただ、消毒用エタノールがどのメーカーの容器とも互換性があるというわけではなく、私が確認できたのは"丸石製薬の消毒用エタノール"だけです。ニプロの消毒用エタノールはダメでした。
ウエルパスが丸石製薬の商品なので、それと同じメーカーの消毒用エタノールが合うのはうなずけますよね。
ということで、消毒用エタノールの消費が多い薬局は丸石の消毒用エタノールにウエルパスのポンプつけたら使いやすいですよ。ただ、丸石の消毒用エタノールの薬価ってちょっと高い部類になるんですよ。
オススメは丸石だけどジェネリックの消毒用エタノール「消毒用エタプロコール」です。こちらは薬価は半額以下になります。あとで価格まとめます。
ウエルパスも意外と高いんですよねぇ。市販薬にもあるのでお家で使いたい方はこちらからどうぞ。
個人的な消毒用エタノールのオススメはこちらです。「IP」ってついてるやつはイソプロパノールを添加剤として配合しています。消毒用エタノールには、飲用される酒類と同様に酒税相当額が課税されていますが、消毒用エタノールIP「ケンエー」は、エタノールにイソプロパノールを3.7vol%添加することにより、飲用不可能となり免税された安価なエタノールです。消毒目的でエタノールを使うのであれば「IP」入りの方が安価ということになります。
ドラッグストアで山積みになってるのみますよね。このままだと使いづらいから100均のスプレー容器に入れるといいです。もしくは私みたいに使用済みウェルパスの容器に詰め替えてもいいですね。
外出用にはビーソフテンスプレーの容器もオススメです。あのスプレー容器の売りは逆さまにしても噴射できることです。100均のスプレーボトルよりも作りがしっかりしてますね。蓋は簡単に取り外すことができます。詰め替えた場合は中身間違えない用にパッケージは破って中身をわかるように外側に記載しておきましょう。
おまけ
消毒用エタノールのジェネリック医薬品
消毒用エタノールにもジェネリックの医薬品があるのはご存知でしょうか?軟膏調剤が多くて大量に消費するような薬局にはジェネリックがおすすめです。消毒用エタノールって逆ザヤだったけ?
有名なメーカー品はどれも先発あつかいです。丸石・ニプロ・ファイザー・ケンエーとかね。
先発的なやつの薬価は10mLで15.6円でジェネリックは6.3円です。
つまり、消毒用エタノールの1本(500mL)薬価は先発的なやつは780円で、後発品なら315円ですね。
ジェネリックでもメーカーが丸石やケンエーやヨシダがあるのでこれって先発と同じメーカーだから中身は先発品と同じものなのではないでしょうか?てか、消エタに先発だの後発だのこだわりは必要ないと思うから安いのでいいのではないでしょうか。
代表的な消毒用エタノールのジェネリック
消毒用エタノール液IP:健栄
エコ消エタ消毒液:吉田製薬
オー消エタ消毒液:日医工
ジェネリックは変な名前が多いですよね。ちなみに消毒用エタプロコールは丸石だから、上記で説明したウエルパスのポンプがつけられると思います(たぶん)。
無水エタノール、エタノール、消毒用エタノールの違いは?
それぞれ含有するエタノールの濃度が異なるだけです。
・無水エタノール:エタノール99.5vol%以上
・エタノール:エタノール95.1~96.9vol%
・消毒用エタノール:エタノール76.9~81.4vol%
エタノール濃度が80%前後のものが最も消毒効果が優れているので、消毒には消毒用エタノールが使用されます。純粋なエタノールは酒税がかかるから飲酒できないようにイソプロパノール配合した消毒用エタノールは酒税を免れてコスパがいいです。ただ精密機器の掃除には無水エタノールの方が適しています。
消毒用エタノールだと20%くらい水分だから蒸発するまでに時間がかかりサビの原因になります。分包機の清掃もほんとは消毒用エタノールよりは無水エタノールの方がいいんだと思います。
エタノールでもノロウイルスに効果あるんだからね
ちょっと前までの常識ではノロウイルスの消毒といえば次亜塩素酸ナトリウムでしたが、最近ではアルコール系の商品も多く販売されています。
アルコールはノロウイルスに効かないという考えはもう古いので要注意です。知識がアップデートされてないおばちゃん薬剤師とかアルコールは効かないからノロパンチはノロに効かないとか平気で客に言っちゃってるから要注意です。ノロパンチってネーミングでノロに効かなかったら詐欺だよね。
ただ、すべてのアルコールがノロウイルスに効果があるというわけではなく、特殊な配合により殺菌効果を高めたアルコールにのみノロを殺す効果があるのです。
ノロパンチが一番有名かな。
レビュー見ると荒れてますね。やっぱりアルコールにはノロに効かないというイメージが先行しています。
amazon商品説明より
・ルコールが効きにくいノンエンベロープウイルスをはじめ、各種ウイルスを除去。さらに、食中毒やカビの原因菌も除菌。
直接ノロウイルスとは書いていませんがノンエンベロープウイルスとはノロウイルス・ロタウイルスの総称のことなので、ノンエンベロープウイルスに効果があるのであればノロウイルス・ロタウイルスにも効果があります。
アルコールは弱酸性にすると殺菌力が高まることが知られていて、クエン酸で酸性に傾けることで殺菌力をUPしています。従来のアルコールが安価であることと、クエン酸も安価であることから、ノロにも効果があるにもかかわらず値段が安いのもうれしいですよね。
これからの手指の消毒用品はこのパワーアップアルコールにシフトしていくはずです。だって、クエン酸加えるだけですからね。原価にはほとんど影響しないでしょ。
手ピカジェルも「手ピカジェル プラス」っていうのがあって、クエン酸とカテキンでパワーアップさせたことでノロやロタに効果があります。
従来の手ピカジェルだとノロウイルスやロタウイルスに効かないから、手ピカジェル買うならプラスにしましょうね。
amazonの商品ページより
手ピカジェルの残念なのが、わざわざ新商品にしなくても従来のピンクの手ピカジェルにそっとリン酸を加えてノロウイルスに効くようにマイナーチェンジしてくれたらよかったのに。
そしたら知らずに買った人も利益を享受できる。ピンクの手ピカジェルが一番売れているのにノロに効かないとか残念すぎるでしょ。
次亜塩素酸ナトリウムのデメリットとアルコールのメリット
従来のノロウイルスの消毒といえば次亜塩素酸ナトリウムだったわけですが、この次亜塩素酸ナトリウムが使いづらいんですよ。
これで手を消毒したら手ガサガサになりますからね。原則、手指には使えません。
次亜塩素酸ナトリウムの有名な商品といえば「キッチンハイター」です。ノロの消毒薬ってキッチンハイターを薄めて作るんですよ。キッチンハイターを手にかけたらヤバイのは主婦ならわかりますよね?
次亜塩素酸って金属を腐食させたり、木を変色させたりします。嘔吐物の消毒で次亜塩素酸ナトリウムを床に噴霧して放置したら新築の床が変色させてしまったことがあります。
そうそう「キッチンブリーチ」も同じ次亜塩素酸ナトリウムでしたね。ブリーチですよ?脱色ですよ?如何にも変色させそうですよね。
ということで、次亜塩素酸ナトリウムは緊急時の消毒方法としてはいいのですが、日々使うにはリスクが高すぎるわけです。
その点で「エタノール+クエン酸」はとっても安心感があるわけです。エタノールなんてすぐに蒸発してなくなりますからね。木でもドアノブでも手も使えます。緊急的なそちではなくて普段の消毒でもつかえるんです。
グッと身近になりますよね。テーブル・まな板・包丁・冷蔵庫・子どものおもちゃなど毎日の掃除に取り入れることもできます。