薬局のルール

小児の粉薬の力価計算

更新日:

こんにちは。調剤薬局事務のジム子です。

今回は、調剤薬局事務のなかでも苦手な人がおおい「力価計算」を解説していきます。力価計算とは「成分量」と「製剤量」を相互に変換する計算のことです。この記事では、この計算について説明していきます。

うちで使っているレセコンは、度重なんバージョンアップで「力価」できた処方箋もボタンひとつで製剤量に変換してくれます。だから薬剤師が手動で計算したものをうちらの入力で確認するくらいです。

この環境なら力価計算なんてまったく必要ないので、ちょっとまえまで苦戦してたけど、いまとなっては勉強しなくてもパソコンがやってくれます。ほんとに苦手な方は一度レセコンで力価計算ができるかどうか確認してみるといいでしょう。

うちではもう必要ありませんが、まだまだ古いレセコンの方には必要なので解説を続けます。

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目次を用意したので計算方法だけ知りたい人は飛ばして下さい。

力価(読み方:りきか)とは何でしょうか?

力価とは

医薬品が一定の生物学的作用を示す量のこと。抗生物質や生物学的製剤では,同じ力価を示す重量が製造者により異なることがある。
三省堂大辞林より

力価は、医薬品の効き目が出る量のことです。研究者が使うときはこのような意味になるのですが、病院や薬局で力価という言葉を使ったときは薬の「成分量」のことをいいます。

力価 ≒ 成分量

ほとんどの医薬品は主成分100%のものを服用するわけではなく薄めたものを服用します。

たとえば「カロナール細粒20%」ですが、このカロナール細粒20%には主成分が20%しか入っておらず、残りの80%は添加剤といって乳糖、香料、甘味料などの効き目に直接影響しないもので薄めてあります。

なぜ薄めるのでしょうか?

100%主成分だと、量が少な過ぎて正確に薬がはかり取れなかったり、味がまずくて飲めたもんじゃなかったりするから、工夫した結果薄めて作ったんです。

薬局内で「力価」という言葉を使うときは成分量を指します。処方で確認してみましょう。

カロナール細粒20% 100mg

この場合は有効成分であるアセトアミノフェンの量が100mgで処方ってこと。

あくまでもアセトアミノフェンが100mgなのでカロナール細粒20%を100mgで量ってしまうと量が少ないことになってしまいます。

この場合は「カロナール細粒20%」の量に変換してあげないといけません。変換したカロナール細粒20%の量のことを製剤量といいます。

上記の例を製剤量にすると

カロナール細粒20% 0.5g

処方箋の書き方が違うだけで、どちらも同じ量の薬を処方していることになります。医師は、好きな方のパターンで処方箋を出すことができます。

目印はないので量が少なかったら成分量って判断します。

決められたルールと言うわけではないが目安として単位が「mg」だったら成分量であることが多いです。

ちょっとややこしいので、まとめます。

ポイント

カロナール細粒20% 100mg(成分量として)
カロナール細粒20% 0.5g(製剤量として)

比べてみると不思議ですよね。

記載量は違うのに、どちらも同じ0.5gを処方しなければなりません。

今回は親切に括弧して(成分量として)(製剤量として)って書いたけど普通こんなの書いてないから、

カロナール細粒20% 100mg
カロナール細粒20% 0.5g

この2つを同じものだとみなさないといけません。極端に量が少ない場合を成分量とみなすわけだけど、量が少ないかどうかは薬剤師じゃないと判断できない。

力価できたら薬剤師の指示を仰ぐようにしましょう。

さて、次からが本題です。

力価の計算方法

薬局でいう力価計算とは、

製剤量 → 成分量
成分量 → 製剤量

相互に変換する計算のことです。

早速、変換していきますが、これから例を出すときは「mg」で記載したら力価のことで、「g」で記載したら製剤量のことを意味することとします。

カロナール細粒20% 1g

これの成分量は?

簡単ですね。「1g」の「20%」なので0.2gです。

つまりアセトアミノフェン0.2gのことなのですが、成分量にするなら単位は「mg」にしときたいので「0.2g×1000」で「200mg」となります。

ポイント

計算式
1g × 20% ÷ 100 × 1000mg = 200mg

これは消費税の計算で「100円の8%はいくら?」ってのと同じことですね。

ただ、今みたいな「製剤量 → 成分量」にするような変換をすることはほとんどありません。というのも製剤量なら変換しないでそのまま入力すればいいだけですから変換作業自体が必要ありません。

変換しなければならないのは「成分量 → 製剤量こ」のパターンです。

さっきは、パーセントをかけました、こちらは逆なのでパーセントで割ればいいだけ。

処方例
カロナール細粒20% 100mg(主剤として)

「主剤として」とあるので、この場合はアセトアミノフェンが100mgのことです。

難しいこと言わずに20%で割ればいいだけ、といっても、20でそのまま割るわけではありません。

事前に小数に直します。20割る100して20%=0.2ですね。これで割るだけです。

100mg  ÷ 0.2 = 500mg

最後に単位を「g」に直すために1000で割って0.5gです。

計算式
100mg  ÷(20÷100)÷ 1000mg/g = 0.5g

今のを文字に直すと、

成分量(力価)÷(パーセントの数÷100)÷1000

もうちょっと簡単にすると公式になります。

公式①

公式

成分量 ÷ パーセントの数 ÷ 10 = 製剤量

ってことで、この公式だけ覚えとけばOKです。

どんどん練習していきましょう。

処方箋
アセトアミノフェン細粒 200mg

アセトアミノフェン細粒には、実は3種類あります。これは規格の指定が無いですね。

①カロナール細粒20%なら?
②カロナール細粒50%なら?
③カロナール原末100%なら?

それぞれ上記の公式に当てはめて計算してみて下さい。

①200÷20÷10
②200÷50÷10
③200÷100÷10

正解
①1g②0.4g③0.2gです。あってましか?

シロップはどうでしょう?

処方例
ムコダインシロップ5% 500mg

シロップの場合の5%ってのは正確に記載すると50mg/mLってこと

省略しないでちゃんと計算すると「500mg ÷ 50mg/mL = 10mL」ですね。

ですが、ここもさっきの公式を利用すれば「500mg ÷ 5 ÷ 10 = 10mL」です。よって10mLで、同じ答えですね。

練習問題

①アスベリンDS2% 20mg
②アスベリン散10% 20mg
③アスベリンシロップ0.5% 20mg

答え
①1g②0.2g③4mL

これで処方箋に「パーセント」が記載されているものの計算は完璧ですね。

ただ残念ながら必ずしもパーセントが書いてあるとは限らないので、そういうときは「公式2」が必要になります。

フロモックス小児用細粒100mg 150mg

この場合だとどうしましょう?

これは1g中に100mgのことで10%のことです。パーセントにしてしまえば計算は同じですね。

150 ÷ 10 ÷ 10 = 1.5g

ただ、いちいちパーセントに直さなくても計算できます。

150mg ÷ 100mg/g = 1.5g

そうなんです、つまり、規格だけで表示されている場合はそのまま割れば変換できるんです。

公式②

公式2

成分量 ÷ 規格 = 製剤量

超簡単でしょ。フロモックス小児用細粒100mgが「150mg」で処方されていたら「150÷100」で「1.5g」です。

他の医薬品でも計算してみます。

処方例
ホスミシンドライシロップ400 1000mg

1000mg ÷ 400mg/g = 2.5g

パーセントバージョンでやると400mg/gは40%のことだから、

1000 ÷ 40 ÷ 10 = 2.5g

同じ結果ですね。つまり、規格がパーセントじゃなければそのまま割ってあげればいいんです。

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