平成28年調剤報酬改定について追記しました。
残念ながら長期投薬情報提供料は廃止になってしまったようなので下記記載は古い点数の説明です。平成28年4月からは「存在しません」。
長期投薬情報提供料1と2は算定する時に患者からの同意が必要です。同意を得たらその患者にたいして責任をもって指導を行う義務が発生します。実は28年度の調剤報酬改定で、患者の同意をえて患者にたいしてマンツーマン指導をおこなうというあらたな点数が新設されました。それが「かかりつけ薬剤師指導料:70点」です。この新設にともなって、似たような点数であった長期投薬情報提供料1と2は廃止されたのです。
長期投薬情報提供料は同意が必要ということもあって該当するひとがいてもいままで一度も算定したことがなかった点数なので廃止になってもさほどダメージはありません。「かかりつけ薬剤師指導料」と統合されたことでより身近な点数になったとおもいます。
かかりつけ薬剤師指導料になって要件は厳しくなりましたがその分、点数も70点と高額なので取り組みがいのある点数です。
~以前に書いた記事内容(現行は廃止)~
長期投薬情報提供料には①と②の2種類があります。
名前は似ているけど、これはそれぞれ独立していて全くの別の加算なので、要件が揃えば、長期投薬情報提供料1と長期投薬情報提供料2を同時に算定することもできる。
長期投薬情報提供料1:情報提供1回につき18点
長期投薬情報提供料2:服薬指導1回につき28点
当該長期投薬に係る処方せんにおける薬剤の服用期間中に、患者又はその家族等が保険薬局を訪れた際又は電話等により、当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合に、本情報提供料の算定について患者の同意を得た上で、薬剤師が患者の服薬状況等を確認すること。
長期投薬情報提供料1
患者にお渡し済みの薬について、あとから製薬会社などから重大な発表があった場合に、そのことを患者に連絡することで算定できる点数だ。
もし、この点数を算定したいと思ったら事前に患者の同意が必要なので、患者と薬局で約束をします。
その約束というのは「薬局が渡した薬について重要な情報を入手した場合は直ぐに知らせるけど18点を請求します」って約束です。
同意が必要な理由としては、
一方的に情報を提供して勝手にお金とったら怒りますよね?
だから、
いざって時には電話するけど、その時は料金が発生しますって同意が必要なのです。
新しい情報というのは、新しく発表された副作用情報や禁忌情報や相互作用禁忌などの情報で、
訪問または電話で内容を伝えることが算定要件だ。
その場でお会計を請求することはできないから、実際に点数を算定するのは次回に処方箋を持ってきてくれたときになります。
情報提供した内容をもう一度確認して、内容を踏まえて服薬指導をしたら長期投薬情報提供料①:18点を算定することができる。
同意をえて、情報提供しても、次回分の処方箋をもってこなかったら算定することはできません。
積極的にとりに行かないと取れない点数なんだけど、
同意をえるための説明だけでも面倒だし、同意をえても新しい情報を提供しない限り算定できません。正直割にあわない点数といえる。
よってこの点数を算定することはほとんどありません。
長期投薬情報提供料2
患者から訪問または電話で渡した薬の問い合わせがあった時に、それに回答することで算定できる点数だ。
電話での質問に対する回答料なんだけど、これも勝手に請求できないので患者の同意が必要です。
同意は、問い合わせを受けた時にとります。
具体的には、
「問い合わせ内容に答えますが、次回の来局時に料金を請求してもいいですか?」って感じの内容。
この点数も回答時に算定することができず、次回に処方箋を持ってきてくれた時に、
回答した内容を踏まえて服薬指導をしたら算定できる。
薬に疑問を持った時は患者さんは気軽に薬局に電話をして欲しいわけですが、この点数を算定するということは、電話対応の見返りとしてお金を要求することになりますね。
患者さんから見たらとんでもない薬局と思われても仕方ありません。
よってこの点数を算定することはほとんどありません。
関連記事薬局の勉強に超オススメのサイト