排卵日検査薬が医療用医薬品から一般用医薬品(第1類医薬品)にカテゴリーチェンジします。医療用医薬品の場合は調剤薬局でしか販売できませんが、一般用医薬品になるとドラッグストアでも販売できるようになります。
参照(外部リンク:PDF)2016年9月21日「一般用医薬品の区分リストについて」の一部改正について 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知(薬生安発0921第1号)
用語解説
・一般用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット → 妊娠検査薬
第1類医薬品なのでネットでの販売も可能になり、ものがものだけにネット販売でのニーズは高いのではないでしょうか。
ちなみに、第1類医薬品のネット販売は大々的にOKしているわけではなくて、禁止してないからOKでしょ?ってスタンスです。楽天は第1類医薬品販売しているけどamazonは第1類医薬品は取り扱っていません。ネットショップによって販売スタンスがことなります。
*現在はamazonでも第1類医薬品の取扱されています。
ちなみにAmazonはこんな感じです。
ドゥーテストLHa12回分
チェックワンLH・Ⅱ5回分
ドゥーテストLHだけでなくハイテスターH、チェックワンLHなども排卵日検査薬です。
そもそも検査薬は飲み薬と違って、体内に摂取するわけではないので使用にあたってのリスクはありません。検査キットにおしっこをかけるだけで終了です。妊娠検査薬が2類なら排卵日検査薬も2類でいいのでは?と思うのですが、もともとが医療用医薬品だったのでいきなり2類にするのはどうなの?ということで1類スタートです。
それと排卵日検査薬を使用するにリスクはありませんが、避妊目的に使用するという誤った使用用途が問題視されて、そのリスクも含めての第1類医薬品というのもあります。
排卵日検査薬を使用する目的というのは正確な排卵日をしることで妊娠し易い日を探し当てることです。となると、逆にその日を避けることで避妊できるのではないか?という考えのもと避妊目的で使用するのが誤った使い方です。
避妊目的で使用され予定外に妊娠することによる健康上の問題を生ずる懸念などを踏まえ、発売当初は第1類医薬品へ分類することが適当とされました。
様子をみながらもしかしたら2類に落ちてくるかもしれません。
実は、改定になる前に、排卵日検査薬の勉強会をしたのでせっかくなので妊娠検査薬と排卵日検査薬の解説もしていきたいとおもう。
もしかしたら登録販売者でも売れるようになるかもしれないので要チェックです。
勉強会をした経緯というのがうちはレディースクリニックが近くにあるから排卵日検査薬と妊娠検査薬のどちらも販売しているのですが、勤務している薬剤師が男性しかいないということもあって売ることはできても商品を理解している人がいませんでした。
いままでナァナァで売っていたのが詳しく突っ込まれて右往左往。それで勉強会が急遽手配されることとなりました。
商品は"チェックワンファスト"と"チェックワンLHⅡ"いまのところどちらも医療用医薬品だから事務員(登録販売者)では販売することができません。薬剤師に説明義務があり説明したら書面に同意を頂きます。
チェックワンLH・Ⅱ(排卵日検査薬)とは
排卵日検査薬はどれも医療用医薬品のカテゴリーになるので調剤薬局にしか取扱がありません。
amazonや楽天でいくら探しても見つからないのは、カテゴリー的にそもそも販売できないからなんです。それでもネットで探せば販売しているところもあるのは個人輸入代行といって海外の製品を輸入して購入しているため日本の法律が適用されないからです。購入できるものはもちろん海外製のものだけになります。
ただ、今後は一般用医薬品にスイッチするのでネットでも購入できるようになります。使用する人も比較的若い女性が多いのでスマホを操作してポチッと購入することになるでしょう。
排卵日検査薬とは?
排卵日を調べるためのキットです。排卵日を知ることで最も妊娠しやすいタイミングを知ることができます。キットの仕組みは簡単で排卵直前になると尿中の黄体形成ホルモン(LH)が一気に増えるのでそれを検出します。このLHが一気に増えるタイミングをLHサージといいます。
LHサージがきて約24~36時間以内に排卵が起こります。女性の体内の卵子の寿命が約1日、精子の寿命が約3日間ということを考えると、もっとも妊娠しやすい時期はLHピークがあらわれた日とその翌日の2日間になります。
排卵が来るのは基礎体温を計っていればだいたい分かるのですがキットを使うとより正確にそしてちょっぴり早く予測が可能になります。
チェックワンLH・ⅡはLHの検出感度40IU/Lなので、尿中のLH濃度が40IU/Lを超えるとLHサージがきたと判定します。普段は尿中に40IU/LもないのでLHサージがきたときだけ40IU/Lを超えるからです。
LHサージの検出方法
この検出方法なのですが、排卵がきそうな日を予め予想して、そのちょっと前から1日1回(1本)つかってサージがきたかどうかを判定します。
毎日1本をHLサージがくるまで繰り返すので1箱5本入りです。もしも1箱全部つかっても陽性反応が出なかった場合は予想が大幅にずれてしまっていたか、今回の周期では排卵がおこらなかった事も考えられます。もしくは、LHサージが極端に短い人もいて1日1回ではピークを逃してしまう場合も稀にあります。
そういう方は次回から1日2回で試してみます。こういう場合は1箱10本入りというのを購入するといいかもしれない。
検査開始日の決定方法
LHピークが現れる日は、ひとによっても周期によっても様々です。まず、生理周期を知る必要があります。生理周期の求め方は、前回の生理開始日から今回の生理開始日まで日数を計算します。
計算した生理周期と付属の表を照らしあわせて、生理開始日から何日目にスタートすればいいのかわかる。 開始日がちょっと微妙な時は早い段階で開始日をセットしておけばピークを逃すことはない。
ただ、あんまり早すぎると無駄に本数を消費することになるのでコストがかかる。
価格の目安は5回で2200円(税抜き)、10回で3500円(税抜き)です。安いものではないけど、ケチケチ使うものでもない。使うと決めたら毎日欠かさず1本使おう。
チェックワンHL・Ⅱの判定方法
判定方法が意外とわかりづらい。ラインが出たらOKというわけではなくラインの色の濃さによって目視で判定しなければならない。
チェックワンHL・Ⅱの場合は尿をかけて3分待つと2本のラインが出てきます。一つがコントロールラインといい、もう一つがテストラインと言います。
テストラインの色の濃さが、コントロールラインの色の濃さと同じもしくはそれより濃い場合を陽性とします。
つまり、色の濃さを目視で判定しなければなりません。妊娠検査薬みたいに線がでたら陽性、なければ陰性とシンプルではないので、ちょっとだけ正確さに欠きます。
これを解決するのがデジタルバージョンです。デジタルの原理は通常のチェックワンとまったく同じなのだが、最終判断がデジタルディスプレイのニコちゃんマークに委ねられる。目視で判断せずに色の濃さを機械が判断してくれます。
デジタルの写真はこちらです。
5回分のメーカー希望小売価格が2800円だからアナログ版と比べるとプラス600円ですね。機械は一つでカートリッジを差し替えて5回使います。残念ながらカートリッジだけを購入することはできないので機械は5回測定ごとの使い捨てになります。
なんだかもったいない気がしますね。
より正確に判定したいという人にはプラス600円のデジタルがおすすめです。
生理予定日当日から検査ができる妊娠検査薬チャックワンファスト
妊娠検査薬ってドラッグストアで普通に購入できるけどチェックワンファストはドラッグストアの売り場では売っていません。これも医療用医薬品というカテゴリーなので排卵検査薬と同じで、調剤薬局でしか販売できません。
今回の通知では一般用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキットは第2類医薬品と明示されましたが、いままでも妊娠検査薬は2類であったなかでも一部の検査薬だけは医療用医薬品に該当していました。
この一部の検査薬も2類になったのかは不明です。
チェックワンファストも妊娠検査薬であることは間違いないのですが、通常ドラッグストアで取り扱っているものとの違いはなんでしょうか?
これは感度が違います。
妊娠検査薬の仕組みはいたってシンプルんで妊娠するとヒト絨毛性性腺刺激ホルモンが分泌されて尿中にでるのでそれを検出します。
この検出感度が違います。
ドラッグストアで市販されているものは50IU/Lなのに対して医療用のものは25IU/Lとより少ない量を検知します。
ということで、通常のものよりも早く妊娠の可否を判定することができます。
パッケージには"生理予定日当日から検査ができる"と記載されています。通常のものだと生理予定日の1週間後がスタートになるのですが、感度がよい分早期に検査ができます。
海外製のものだと生理予定日の4日前から使用可能というものも販売されているようですが、実はこれも感度が同じで25IU/Lだそうです。
日本では生理予定日当日以前の表記が禁止されているのでパッケージには表記できませんが、海外は同じようなものが4日前からということで販売されています。
ちなみに、一般の方への広告も禁止されているので空箱で陳列するなら商品名が入ってない空箱に"生理予定日当日から検査ができる妊娠検査薬販売しています薬剤師に相談ください。"的な文言で販売するしかない。