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変更調剤

先発品よりも価格が高いジェネリック医薬品に変更してもいいの?

なぜか先発品よりも価格が高いジェネリック医薬品というのが存在します。この場合に変更調剤していいのでしょうか?

ジェネリック医薬品を推進する制度趣旨を考えると変更するべきではないことは自明なことですが、これを禁止とするルールはあるのでしょうか?

と、いろいろ調べたけど、特に禁止する文言はないようだから変えても大丈夫そうだけど、いやちょっとまてよ、やっぱりダメかもしれない。

と、いろいろ考察したので考察内容を書いてみますね。

ちなみに結論は可能です。

今回注目したい厚生労働省通知はこちらです。

外部リンク(PDF):処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について

ここに後発医薬品への代替調剤の全てが書いてあります。で、変更後の価格について書いてある部分を抜粋する。

変更調剤を行う際の留意点について

含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤は、変更調剤後の薬剤料が変更前のものと比較して同額以下であるものに限り、対象となるものであること。また、含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤は、規格又は剤形の違いにより効能・効果や用法・用量が異なる場合には対象外とするものであること。

変更前後の価格について言及している箇所はここだけです。つまり「規格や剤形を変更する変更調剤」のときは価格が安くなる変更しかできないのです。

逆に言えば、規格変更や剤形変更をともなわない変更に関しては価格が高くなってもできると考えるのが打倒ですよね。

後発シェアの計算をするときには先発品と同額もしくは高いものに関しては除外されるのでこれと混同しがちですが、

先発:テオドール錠 → 後発:テオロング錠 みたな変更は可能なのです。

先発品よりも薬価が高いジェネリックって何?

厚生労働省が毎回薬価を発表するページの下の方にひっそりと「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報」 というのを載せてくれています。

薬価収載されている医薬品の先発後発が分類された一覧表で、PDFまたはEXCELの形式でDL出来るようになっています。

このリストが後発の数量シェアを計算するベースになります。

まずこちらの計算式をみてください。

後発医薬品の数量シェア(置換え率)=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕

=〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)

1~3の分類表

★先発医薬品と同額又は薬価が高いもの
☆後発医薬品と同額又は薬価が低いもの

これは厚生労働省のホームページにある後発品の置換率の計算式です。この式が薬局の後発医薬品調剤体制加算の後発品使用割合の計算のベースになる計算式です。

で、★のリストはページの下部に載せときます。

計算式から★が除外されていることからわかるように、先発よりも薬価が高い後発は数量シェアの計算式から除外されるんです。

★のリスト:先発品よりも薬価が高いジェネリック一覧(2016年6月17日)

品名 成分名
アセトアミノフェン坐剤小児用100mg「JG」 アセトアミノフェン
アセトアミノフェン坐剤小児用100mg「TYK」 アセトアミノフェン
アセトアミノフェン坐剤小児用100mg「日新」 アセトアミノフェン
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「JG」 アセトアミノフェン
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「TYK」 アセトアミノフェン
アセトアミノフェン坐剤小児用50mg「日新」 アセトアミノフェン
パラセタ坐剤100 アセトアミノフェン
パラセタ坐剤小児用50 アセトアミノフェン
アモリンカプセル250 アモキシシリン水和物
イソソルビド内用液70%分包30mL「CEO」 イソソルビド
メニレット70%ゼリー20g イソソルビド
メニレット70%ゼリー30g イソソルビド
ジキリオンシロップ0.02% ケトチフェンフマル酸塩
ジメモルファンリン酸塩錠10mg「TCK」 ジメモルファンリン酸塩
スロービッドカプセル100mg テオフィリン
スロービッドカプセル200mg テオフィリン
テオロング錠100mg テオフィリン
テオロング錠200mg テオフィリン
アフタシール25μg トリアムシノロンアセトニド
ワプロン口腔用貼付剤25μg トリアムシノロンアセトニド
セニラン錠1mg ブロマゼパム
トスパリール注15 ペンタゾシン
メダゼパム錠2(ツルハラ) メダゼパム
メダゼパム錠5(ツルハラ) メダゼパム
メチルジゴキシン錠0.05mg「タイヨー」 メチルジゴキシン
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「DSEP」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「JG」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「TCK」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「TE」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「トーワ」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「ニプロ」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「ファイザー」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「三和」 メトホルミン塩酸塩
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「日医工」 メトホルミン塩酸塩

こうしてみると後発品に変更して金額が増えるものってほとんどないから薬価が高くなるGEのに関しては実務上は困ることはほとんどありません。

★には「高くなるもの」「同額」もあるので実際はもっと少ないです。メトホルミンとかは同額ですね。

最近、ジェネリックについて調べているのですが、なんでおれがGEで、これがGEじゃないの?というのがよくあり、もう何が何やらわかりません。

たとえば、セファクロルカプセル「サワイ」は表をみるとGEではありません。以前はGEカテゴリーでしたが、薬価が先発ケフラールと一緒になってしまったのでGEカテゴリーから外れました。だからケフラールカプセルから変更できません。

でも、ですよ。メトホルミンMT「トーワ」とか薬価同じなのにGEカテゴリーなんですよ?意味分かんないですよね。GEだから変更調剤可能ということになります。

この違いはなに?

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