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加算

一包化加算よりも自家製剤加算を算定した方が得な場合

一包化加算と自家製剤加算のどちらも対象になる時にはどちらか一方しか算定できません。

たとえば、一包化の中に0.5錠が入っていた場合は、錠剤を半割するので自家製剤加算の対象になりますが、半割の手数料は一包化加算内に含まれるので一包化加算を算定する場合は自家製剤加算はとることはできません。

一包化加算を優先してとることが多いと思いますが、場合によっては自家製剤加算の方が点数が高くなることもあるので、そのケースを説明したいと思う。

一包化加算と自家製剤加算が逆転することがあるのは、どちらも処方日数に比例して高くなる点数なのですが、一包化加算は43日以上で220点と頭打ちになるのに対して、自家製剤加算は日数による頭打ちがないので青天井です。

ちなみに、自家製剤加算は7日につき20点です。
これをベースに計算してみると一包化の上限である220点の時にはこんな感じになります。

一包化加算:220点(43日分)
自家製剤加算:140点(43日分)

まだまだ一包化加算の方が点数が高いです。どこで分岐するのでしょうか?

それを計算すると71~77日で自家製剤加算は220点になります。

ということは78日以上を超えてくると逆転することになります。たとえば、90日なら260点、360日なら1040点です。

一覧表にしてみます。

自家製剤加算(7日につき20点)

日数 点数
1~7 20
8~14 40
15~21 60
22~28 80
29~35 100
36~42 120
43~49 140
50~56 160
57~63 180
64~70 200
71~77 220
78~84 240
85~91 260
92~98 280
99~105 300
106~112 320
113~119 340
120~126 360
127~133 380
134~140 400
141~147 420
148~154 440
155~161 460

つまり、78日以上の一包化で自家製剤加算対象薬剤が入っていれば一包化を取らずに自家製剤加算を算定したほうが、薬局にとっては得になります。

また、一包化加算は処方箋1枚につき1回しか算定できないけど、レアケースながら自家製剤加算に関しては複数算定することができる。

たとえば、

RP1

ザイザル錠 0.5錠
朝食後

ウブレチド錠 0.5錠
就寝前

この場合だと自家製剤加算をそれぞれ算定することができます。すると算定できる点数は倍になるので一包化加算と逆転するケースが多くなります。

ちなみに、複数回とれるのは別剤だったときに限ります。

服用時点が同じ場合は対象薬剤が2つあっても1剤分しとれません。自家製剤加算は「剤」ごとにみるからです。

RP2

ザイザル錠 0.5錠
ウブレチド錠 0.5錠
朝食後

この場合は1つしか算定できません。

ついでなので嚥下困難者用加算との損益分岐点もみてみる。

自家製剤加算・一包化加算・嚥下困難者用加算との損益分岐点

この3つの点数はそれぞれ同時算定不可なのでいずれか一つしか取れません。

嚥下困難者用加算は処方箋1枚につき1回だけとれて80点です。

算定要件がきびしいわりに点数はしょぼい。

つまり、

自家製
7日まで20点、8~14日までが40点、15~21日は60点、22~28日まで80点、29~35日まで100点。

一包化
7日まで32点、8~14日までが64点、15~21日は86点、22~28日まで128点、29~35日まで160点

嚥下困難
一律80点

嚥下困難と自家製で点数が同じなら要件が軽い方の自家製でとったほうがいいと思うので、22日以上なら嚥下困難よりも自家製を優先します。

一包化加算と比較した場合は15日以上なら一包化加算をとり14日以下なら嚥下困難者用加算をとればいいです。

嚥下困難をとるときはだいたい一包化加算や自家製剤加算も対象になるのでその都度どれを取るべきか検討してみるといいです。

嚥下困難は全部粉にして混合するので計量混合も対象になりますが計量混合は点数低いから今回の検討からはパスします。

おまけ資料

一包化加算

点数

1 内服薬(浸煎薬及び湯薬を除く。(1剤につき))
イ14日分以下の場合
( 1 ) 7日目以下の部分(1日分につき) 5点
( 2 ) 8日目以上の部分(1日分につき) 4点
ロ15日分以上21日分以下の場合70点
ハ22日分以上30日分以下の場合80点
ニ31日分以上の場合87点

1 服用時点が同一であるものについては、投与日数にかかわらず、1剤として算定する。なお、4剤分以上の部分については、算定しない。
2 嚥下困難者に係る調剤について、当該患者の心身の特性に応じた剤形に製剤してえん
調剤した場合は、嚥下困難者用製剤加算として、所定点数に80点を加算する。
3 2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ42日分以下の場合投与日数が7又はその端数を増すごとに32点を加算して得た点数
ロ43日分以上の場合220点

要件

ク一包化加算の取扱いは、以下のとおりとすること。
① 一包化加算は、処方せんの受付1回につき1回算定できるものであり、投与日数が42日分以下の場合には、一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに32点を加算した点数を、投与日数が43日分以上の場合には、投与日数にかかわらず220点を所定点数に加算する。
② 一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである。
③ 一包化は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、治療上の必要性が認められる場合に、医師の了解を得た上で行うものである。
④ 薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を調剤録等に記載する。
⑤ 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方せんの受付1回につき1回に限り算定する。
⑥ 同一薬局で同一処方せんに係る分割調剤(「区分番号00」の調剤基本料の「注6」又は「注7」に係る分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。
⑦ 一包化加算を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算(「区分番号01」の「注6」に規定する加算をいう。以下同じ。)及び計量混合調剤加算(「区分番号01」の「注7」に規定する加算をいう。以下同じ。)は算定できない。

自家製剤加算

点数

6 次の薬剤を自家製剤の上調剤した場合は、各区分の所定点数に1調剤につき(イの( 1
)に掲げる場合にあっては、投与日数が7又はその端数を増すごとに)それぞれ次の点数(予製剤による場合はそれぞれ次に掲げる点数の100分の20に相当
する点数)を加算する。ただし、別に厚生労働大臣が定める薬剤については、この限りでない。
イ内服薬及び屯服薬
( 1 ) 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬20点
( 2 ) 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の屯服薬90点
( 3 ) 液剤45点
ロ外用薬
( 1 ) 錠剤、トローチ剤、軟・硬膏剤、パップ剤、リニメント剤、坐剤90点
( 2 ) 点眼剤、点鼻・点耳剤、浣腸剤75点
( 3 ) 液剤45点

要件

自家製剤加算
ア「注6」の自家製剤加算は、イの(1)に掲げる場合以外の場合においては、投薬量、投薬日数等に関係なく、自家製剤による1調剤行為に対し算定し、イの(1)に掲げる錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬を自家製剤の上調剤した場合においては、自家製剤を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。
イ本加算に係る自家製剤とは、個々の患者に対し市販されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫(安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等必要と認められる添加剤の使用、ろ過、加温、滅菌等)を行った次のような場合であり、既製剤を単に小分けする場合は該当しない。
(イ) 錠剤を粉砕して散剤とすること。
(ロ) 主薬を溶解して点眼剤を無菌に製すること。
(ハ) 主薬に基剤を加えて坐剤とすること。
ウ「注6」のただし書に規定する「別に厚生労働大臣が定める薬剤」とは、薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形及び同一規格を有する薬剤をいう。
エ薬価基準に収載されている医薬品に溶媒、基剤等の賦形剤を加え、当該医薬品と異なる剤形の医薬品を自家製剤の上調剤した場合に、次の場合を除き自家製剤加算を算定できる。
(イ) 調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合
(ロ) 液剤を調剤する場合であって、薬事法上の承認事項において用時溶解して使用す
ることとされている医薬品を交付時に溶解した場合
オ割線のある錠剤を医師の指示に基づき分割した場合は、錠剤として算定する。ただし、分割した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できない。
カ自家製剤加算を算定した場合には、計量混合調剤加算は算定できない。
キ「予製剤」とは、あらかじめ想定される調剤のために、複数回分を製剤し、処方せん受付時に当該製剤を投与することをいう。
ク通常、成人又は6歳以上の小児に対して矯味剤等を加える必要がない薬剤を6歳未満の乳幼児(以下「乳幼児」という。)に対して調剤する場合において、薬剤師が必要性を認めて、処方医の了解を得た後で、単に矯味剤等を加えて製剤した場合であっても、「注6」の「イ」を算定できる。
ケ自家製剤を行った場合には、賦形剤の名称、分量等を含め製剤工程を調剤録等に記載すること。
コ自家製剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと。

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