薬局新規開局

保険薬局の独立性の規制緩和でフェンスが除去できるかも

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保険薬局は保険医療機関から構造上、経済上、機能上の独立がなされてないと保険薬局の指定を受けることができません。

で、

この構造上の独立性が今度緩和しましょうって話になっています。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則

2条の2
保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行ってはならない。

医療機関と一体的な経営を禁止するだけでなく一体的な構造もダメってことを規定しています。

この一体的な構造というのがわかりにくいから別途通知が出て補足されています。

「保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正等に伴う実施上の留意事項について」(平成8年3月8日付け保険発第22
号厚生省保険局医療課長、歯科医療管理官発、都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長、国民健康保険主管課(部)長宛て通知)によると、次のとおりとされている。

保険医療機関と一体的な構造とは、保険薬局の土地又は建物が保健医療機関の土地又は建物と分離しておらず、公道又はこれに準ずる道路を介さずに専用通路等により患者が行き来するような形態のものをいう。

はい、長くなりましたが、今回緩和されるのはこの部分です。

一律公道を介さないといけないとするルールだと、医療機関と薬局が隣接している場合だとフェンス等で仕切らないといけないことになるから、身体が不自由な者、車いすを利用する者、子供連れ、高齢者にとっては不便です。

たとえば、

クリニックと薬局が一つの建物内に隣接しており駐車場を通れば薬局の入り口まで直ぐなのに、駐車場は公道でないからフェンスで仕切り無理やり公道を介するように仕向けます。
薬局のフェンス
杓子定規で必ず公道を介さなければならないとすると、このように患者に不利益をもたらすことがあるから、これを見直したほうがいいということになりました。

そして、無理に公道を通らなくてもいいよってことで規制緩和されたわけです。

見てわかると思いますが図の様にここに仕切りがあったら単なる嫌がらせですよね。

でも、規制緩和される前から公道通らない保険薬局はあります。たとえば、同じビルの3階がクリニックで、2階が薬局の場合。この場合は公道にでることはないけど、2階にある薬局ってありますよね。

これは4階や5階に人が出入りするようなテナントがあって、2階や3階の階段が不特定多数の人が行き来する状態であれば、認められることがある。でも、ちょっとグレーだからダメといわれたらそれまでです。

医療ビルの1階に薬局があることが多い理由としては1階であれば一度外にでてから薬局入り口に入るので公道を介すると言い切れるからです。あと、薬局は1回でないとクリニック以外からの処方箋がこないからね。

ちなみに1階の家賃はその他の階の家賃の倍くらいします。

そうそう、ショッピングモールにある薬局はクリニックは同じショッピングモール内の敷地内にあるから公道を介さないけど、これもさっきのパターンと同じです。不特定多数の人の出入りがあれば公道に準ずるものとみなされるのでOKなんです。

そして、さらにこの規制が緩和されるので2階の薬局の指定がよりとりやすくなります。

でも、あくまでも規制を緩和するだけであって一体となる構造を無条件に認めるわけではない。改正では次の様になります。こちらは平成28年10月1日から運用されます。

「保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正等に伴う実施上の留意事項について」の一部改正について
平成28年3月31日
保医発0331第6号

保険医療機関と一体的な構造とは、次のアからウまでに掲保険医療機関と一体的な構造とは、次のアからウまでに掲げるような構造を指すものであること。

  • ア 保険医療機関の建物内にあるものであって、当該保険医療機関の調剤所と同様とみられるもの
  • イ 保険医療機関の建物と専用通路等で接続されているもの
  • ウ ア又はイに該当しないが、保険医療機関と同一敷地内に存在するものであって、当該保険薬局の存在や出入口を公道等から容易に確認できないもの、当該保険医療機関の休診日に公道等から当該保険薬局に行き来できなくなるもの、実際には当該保険医療機関を受診した患者の来局しか想定できないもの等、患者を含む一般人が当該保険薬局に自由に行き来できるような構造を有しないもの

なお、ウへの該当の有無については、現地の実態を踏まえ、地方社会保険医療協議会に諮った上、個別に判断すること。また、保険薬局の独立性の確保の観点からは、いわゆる医療ビルのような形態は好ましくないが、このような場合にあっては、当該建物について、患者を含む一般人が自由に行き来できるような構造になっている旨を十分に確認すること。加えて、このような形態の場合には、患者誘導が行われるような実態のないよう、併せて留意すること。

あたりまえだけど、調剤所みたいに病院の建物内に薬局があったらダメだよね。医薬分業の趣旨に反してします。調剤所ってのはあれは病院の一部で薬局の許可は不要なんだけど、その病院以外の処方箋を応需することはできない。

専用通路とかは論外ですよね。専用通路があったら完全に患者誘導になるし、一体となる構造といわれても仕方ない。

でも、門内薬局つまり病院の敷地内に薬局があるのは大丈夫。駐車場の一角に薬局をたてるのは大丈夫。

従来は病院の敷地内に薬局を立ててしまったら公道を介することがないので、指定を受けられなかったが、今回の改定案ではこれが認められる。

敷地内薬局とか門外にある薬局と比べたらものすごくアドバンテージがある。処方箋枚数に応じてキックバックしているとしか思えない。

もしくは土地の使用料でべらぼうに取られているとかありそう。門内薬局を認めるなら経営主体が完全に独立しているのかよく調査しなければならない。

薬局の位置が病院が営業してない場合でも視認できるのが条件にあるのは当然です。病院がやってない場合に処方箋が見込めない薬局は、調剤所とあまり差がありません。医薬分業の意に反するのでダメです。

保険医療機関と一体的な経営とは

「保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正等に伴う実施上の留意事項について」の一部改正について
平成28年3月31日
保医発0331第6号

保険医療機関と一体的な経営を行う場合とは、(二)のまた以下に該当する場合等保険医療機関と保険薬局が一定の近接的な位置関係にあり、かつ、次のアからエまでに規定するような経営主体の実質的同一性が認められる場合又は機能上医療機関とのつながりが強いとみなされる場合を指すものであること。

  • ア 保険薬局の開設者(法人たる保険薬局の役員を含む。)が当該保険医療機関の開設者(特定保険医療機関の開設者が法人の場合にあっては、当該法人の役員を含む。)又は開設者と同居又は開設者と生計を一にする近親者であるもの。
  • イ 保険薬局の開設者と保険医療機関の開設者の間の資本関係が実質的に同一であるもの(法人の場合にあっては当該法人の役員が経営するものを含む。)
  • ウ 職員の勤務体制、医薬品の購入管理、調剤報酬の請求事務、患者の一部負担金の徴収に係る経理事務等が特定保険医療機関と明確に区分されていないもの
  • エ 特定の保険医療機関との間で、いわゆる約束処方、患者誘導等が行われているもの。

なお、保険薬局の指定の更新に当たっては、新規指定時と同様、不動産の賃貸借関連書類等の経営に関する書類等の提出を求め、一体的な経営に当たらないことを確認すること。

おまけ

薬局の独立性を求める関連法規

ちなみに、他の医療機関との関係で独立性が求められるのは保険薬局の指定を受けるときだけです。薬局の開設許可を受けるときは薬局の建物に関する基準はあれど他の医療機関との関係を規定するものはない。

薬局の許可と保険薬局の指定では対応する法律が異なります。

薬局の許可は、薬機法(旧薬事法)を補足した規則である薬局等構造設備規則に規定されています。
→建物内の設備の基準を規定します。

保険薬局の指定は、健康保険法を補足した規則である保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則に規定されています。
→他の保険医療機関との関係を規定しています。

保険薬局の指定は、薬局の許可をもらわなと取れません。薬局開業許可→保険薬局の指定の順番ですね。

だから、保険薬局の指定を受けるときには薬局内の設備はみません。もうすでに薬局等構造設備規則に適合することが認められて許可を受けているからです。

だから、保険薬局の指定をうけるときには他の医療機関との関係性だけが審査されます。ちなみに、審査するときには現場で審査官が立ち会うことはないので、写真や地図を多用して申告します。

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