キプレスとシングレアって世間ではどちらの方が多数派なのかご存知でしょうか?
この質問、意外と自信をもって回答できる人は少ないのではとおもいます。
自身の薬局内で使用割合が高いものが必ずしも世間一般の常識であるとは限りません。薬局でよく使用する薬は近くの医療機関に依存します。
だから、その医師の好みで薬局の使用量がかわってしまいます。狭いエリアでの比較だと担当MRさんの実力が大きく影響して偏りが出ているかもしれません。何が全国のスタンダードか意外とわからないのです。
医薬品の売上高みればいいだけなんだけど公開してないのがほとんど、てか、調べ方よくわかりません。
そこでもっと簡単に世間の認知度を調べる方法を思いついたので気になった併売品や準先発品なんかを比較してみたいとおもいます。
比較ツールとしてグーグルのキーワードプランナーを利用します。
グーグルのキーワードプランナーはブロガーやホームページ作成するひとがよく使用するツールです。これで月間の検索ボリュームを比較してみればいいのでは?と気付きました。
検索ボリュームとは月に何回そのワードがグーグル検索で検索されたのかを数値化したものです。
医療従事者か患者どちらが検索したのかわかりませんが、どちらにせよ使用頻度が高い薬は検索される回数が多くなります。
月間平均検索ボリューム(2014年11月~2015年10月)
商品名① | 商品名② | 検索ボリューム① | 検索ボリューム② |
---|---|---|---|
クラリス | クラリシッド | 60500 | 12100 |
マグミット | マグラックス | 22200 | 14800 |
ムコソルバン | ムコサール | 18100 | 3600 |
シングレア | キプレス | 14800 | 14800 |
サイレース | ロヒプノール | 8100 | 18100 |
コンスタン | ソラナックス | 8100 | 27100 |
ジャヌビア | グラクティブ | 8100 | 3600 |
アムロジン | ノルバスク | 8100 | 9900 |
デプロメール | ルボックス | 6600 | 5400 |
ランドセン | リボトリール | 4400 | 12100 |
ボナロン | フォサマック | 4400 | 1900 |
コロネル | ポリフル | 3600 | 2400 |
リピディル | トライコア | 2400 | 1000 |
リカルボン | ボノテオ | 1900 | 1900 |
ウリトス | ステーブラ | 1600 | 1000 |
どうでしょう?参考になったのありましたか?
クラリシッドよりもクラリスのほうが圧倒的に検索されていますね。当薬局では主にクラリシッドを使用しているので、それは少数派だったことがわかりました。
キプレスとシングレアは拮抗していますね。見事に同じくらい検索されています。たしかにうちの薬局でもちょうど同じくらい使用されています。
ボノテオとかリカルボンは検索の絶対数が少ないです。骨粗しょう症の薬は使用者の多くが高齢であるためインターネットで検索しないのでしょう。
マグミットとマグラックスなら絶対にマグラックスが多数はだと思っていたのに、マグラックスは少数派であることがわかりました。どちらもジェネリックなので併売とはまた違います。マグミットは口に入れるとすぐ溶ける特徴があるがマグラックスはしばらくは溶けない。必ずしも全てが同じってわけではないようですね。
他にもある先発でブランド名が違う併売品
セルシンとホリゾン
レボトミンとヒルナミン
コントミンとウィンタミン
デジレルとレスリン
ヒベルナとピレチア
イルベタンとアバプロ
リフレックスとレメロン
バランスとコントール
サワシリンとパセトシン
オステラックとハイペン
まだまだたくさんあると思うけど私がわかるのはこれくらいです。比較するの疲れたので、もし気になるならキーワードプランナーつかって調べてみてください。
先発医薬品を併売する理由
先発医薬品の併売というと2パターンあります。1つは同じ薬を別の商標名で販売するパターン、もう1つは商標名は同じで違う企業で販売するパターンです。
前者はコマーケティング「別商標2社併売型」の業務提携
これの例が、クラリスとクラリシッド、シングレアとキプレスです。中身は同じなのに商標名だけが違います。
後者はコプロモーション「1商標2社共同販促型」の業務提携
こちらの例が、リボスチンで参天製薬と日点製薬とか、モーラスの祐徳薬品と久光製薬とかね。
併売の理由はコマーケティングやコプロモーションとかで検索すると詳しく書いてあるサイトに飛べます。読んでみたもののなんだかむずかしくてよくわかりません。要するに大人の事情ということです。
別商標で併売する場合(コマーケティング)は、主にその一般名を世間に浸透させたいからだそうです。せっかくいい製品でも販売力の弱い製薬企業だと世間で使ってもらうことが出来ません。だから、販売力の高い企業に売ってもらうのです。そうすると、その成分が市場でシェアを獲得すれば同じ成分の自社製品も販売しやすくなるからとかなんとか。
同商標で併売する場合(コプロモーション)は、これも薬を作った企業の販売力が弱いから他の企業に協力してもらうんだけど、こちは同じ商標名で売ってもらうから、ホントに宣伝だけ協力してもらう感じ。コマーケティングと比較してのメリット、デメリットはよくわからない。
薬局ではクソ迷惑でしかない併売
薬局の人はみんな迷惑していると思います。というのも、効き目が全く同じにもかかわらず、両方とも在庫しないといけないからです。
シングレアやキプレスとか開局当初は近隣でよく使用する方だけ在庫していても、いずれは必ず他の医療機関からもう片方が飛んできて2種類必要になる。
同じものだからジェネリック見たいに相互に変更できればいいんだけど、この変更できないんです。ジェネリックに変更は薬局判断で変えられるけど先発品同士は薬局判断では変えられない。
だから、一般名処方とかしてくれるとありがたいんだけど、病院って後発品が発売されていない品目を一般名処方することってほとんどないんです。
というのも、後発品が発売されているものを一般名にすると加算2点もらえる特典があるけど、先発品しかないものを一般名処方しても特典はついてこないからです。
そして、さらに厄介なのが先発品はジェネリックであれば可能な剤形変更ができない。
シングレア錠をシングレアOD錠に変更することができないのです。ジェネリックであればアンブロキソール錠→アンブロキソールカプセル→アンブロキソールOD錠と相互に可能なのにです。
すると、全ての剤形を在庫して対応しないといけなくなり、併売すればするほど薬局の在庫が増えていきます。
シングレアとキプレスの在庫をみてみると、
シングレア10
シングレア5
シングレアOD10
シングレアチュアブル5
シングレア細粒4
キプレス10
キプレス5
キプレスOD10
キプレスチュアブル5
キプレス細粒4
こんなにあると流石に在庫するとこもなくなるし、在庫金額も無駄にかさむ。OD錠とチュアブル錠と普通錠を全てまとめてOD錠にでもしとけばいいのに。
キーワードプランナーって何に使うの?
今回使用したキーワードプランナーってブロガーはよく使用するようなツールなんだけど、なにに使うか分かりますか?
記事を書き始める前のキーワードのスクリーニングにつかいます。
記事書くときには検索からの流入を狙って、ある程度検索ボリュームのあるワードに絞って記事を書きます。たとえば、クラリスとクラリシッド関係の記事を書こうと思ったらクラリスに焦点をしぼって書いたほうが検索される頻度が高いのでPV数が伸びると考えられます。
あんまり検索されないマイナーワードは記事を書いても読まれる頻度がすくなくなるのであんまり書きません。たとえば、上記の表で言うとステーブラとかです。
と、こんなことを考えながら日々記事を書いているわけです。
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