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平成28年度診療報酬改定

薬剤服用歴管理指導料の変更でお薬手帳がない人は会計が高くなる?

平成28年度調剤報酬改定で大きく変わる薬剤服用歴管理指導料(通称、薬歴管理料)についてまとめていきたいと思う。

薬剤服用歴管理指導料について、初回来局時の点数より2回目以降の来局時の点数を低くする。ただし、手帳を持参していない患者又は調剤基本料の特例の対象となる保険薬局に処方せんを持参した患者については、来局回数にかかわらず、初回来局時の点数と同一の点数を算定することとする。

現行制度との比較表がこちらです。

改定前 改定後
10 薬剤服用歴管理指導料 10 薬剤服用歴管理指導料
処方せんの受付1回につき 41点 1 原則6月以内に処方せんを持参した患者に対して行った場合 38点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 50点
3 特別養護老人ホーム入所者に対して行った場合 38点
注1 患者に対して、次に掲げる指導等のすべてを行った場合に算定する。ただし、ハを除くすべての指導等を行った場合は、所定点数にかかわらず、処方せんの受付1回につき34点を算定する。 注1 1及び2については、患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方せん受付1回につき所定点数を算定する。
ただし、手帳を持参していない患者又は区分番号00の1に掲げる調剤基本料1又は区分番号00の4に掲げる調剤基本料4以外の調剤基本料を算定する保険薬局に処方せんを持参した患者に対して、次に掲げる指導等の全てを行った場合は、50点を算定する。
イ・ロ(略) イ・ロ(略)
ハ 調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。 ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ・ホ(略) ニ・ホ(略)
(追加) 注2 3については、保険薬剤師が老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホームを訪問し、服薬状況等を把握した上で、必要に応じて当該施設職員と協力し、次に掲げる指導等の全てを行った場合に、処方せん受付1回につき所定点数を算定する。
イ 患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、薬剤情報提供文書により患者又は現に薬剤を管理している者(以下この区分番号において「患者等」という。)に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと。
ロ 処方された薬剤について、患者等から服薬状況等の情報を収集して薬剤服用歴に記録し、これに基づき薬剤の服用等に関して必要な指導を行うこと。
ハ 手帳を用いる場合は、調剤日、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量その他服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること。
ニ 患者ごとに作成された薬剤服用歴や、患者等からの情報により、これまでに投薬された薬剤のうち服薬していないものの有無の確認を行うこと。
ホ 必要に応じて薬剤情報提供文書により、投薬に係る薬剤に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無及び価格に関する情報を含む。)を患者に提供すること。

*イの薬剤情報提供文書については、処力内容が前回と同様の場合等においては必ずしも毎回患者に交付する必要性はないことを通知において明確にする。
*ハの手帳については、必要性を確認した上で、手帳を提供しなかった場合又は複数の手帳をl冊にまとめなかった場合には、その理由を薬剤服周歴に記載することを通知において明確にする。

一番のポイントは薬剤服用歴管理指導料が2段階制になったということです。つまり、患者が1回目と2回目で管理料がかわるのです。

病院の初診料と再診料と同じような考え方だと思います。

基本的な考え方

1.薬剤服周歴管理指導料は、業務の実態も考慮しつつ、服薬状況の一元的な把握のために患者が同一の保険薬局に繰り返し来局することを進めるため、初回来局時の点数より、2回目以降の来局時の点数を低くする。

ただし、手帳を持参していない患者又は調剤基本料の特例の対象となる保険薬局は除く。

2.お葉手帳については、電子版の手帳であっても、紙媒体と同等の機能を有する場合には、算定上、紙媒体の手帳と同様の取扱いを可能とする。

3.医師と連携して服用薬の減薬等に取り組んだことを評価するため、重複投薬・相互作用防止加算については、算定可能な範囲を見直す。見直しに伴い、疑義照会により処方内容に変更がなかった場合の評価は廃止する。

4.調剤後における継続的な薬学的管理を推進するため、以下のような見直しを行う。
(l)患者宅にある服用薬を保険薬局に持参させた上で管理・指導を行うことで残薬削減等に取り組むことを評価する。
(2)現行の対象に加え、やむを得ない事情がある場合等に、分割調剤を活用することを可能とする。これに伴い、分割調剤を行う場合の調剤基本料等の評価を見直す。

5.継続的な薬学的管理を評価した胴薬情報等提供料及び長期投薬情報提供料については、類似の業務内容を評価するものであることから、統合する。

6.対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料や一包化加算の評価を見直すとともに、対人業務に係る1.の薬剤服用歴管理指導料等の薬学管理料を充実する。

7.在宅薬剤管理指導業務の推進

個人的感想

とりあえず、初回来局時の場合は41点→50点にプラス改定です。しかし、リピーターになると41点→38点のマイナス改定です。

今回の改定の面白いのが、おくすり手帳を持参しないと2回目以降の点数が高くなってしまうという、いままでとは真逆パターンです。

現行は、おくすり手帳なしの場合は41点→34点と低い点数になるのであえて持って来ないで薬代を安くする方法がある。

今度は逆ですね。初回時の来局は手帳に関わらず50点です。2回目の来局のときは、手帳ありなら38点で、手帳なしなら50点です。お薬手帳持参にたいしてかなり強制力のある改定となったようです。

また持参を強化すべく電子お薬手帳も紙の手帳と同等の効力があるものと認められました。

電子版お薬手帳について

電子版の手帳(電子版お薬手帳)についても、紙媒体と同等の機能を有する場合には、算定上、紙媒体の手帳と同様の取扱いとするが、電子版の手帳については、以下の要件を満たすこと。

(1) 電子版の手帳は、提供した保険薬局以外の保険薬局や保険医療機関及び患者等が容易に手帳の内容を閲覧し、手帳へ記入し、その内容を紙媒体へ出力(以下、「閲覧等」という。)できること。

(2) 電子版の手帳は、医療従事者が患者の保有する機器(スマートフォン等)を直接受け取ることなく手帳情報の閲覧等ができる仕組みを有していること。なお、当該仕組みを利用できない保険医療機関等においては、診察等の場合に、患者の保有するスマートフォン等の機器により手帳の内容を閲覧することも想定されるため、電子版の手帳を提供する保険薬局は、保有する手帳の内容が記録された機器を直接当該医師等に見せることが必要な場合があることについて患者に対して事前に説明し、同意を得ておくこと。

(3) 複数の運営事業者等が提供している電子版の手帳を一元的に情報閲覧等ができること。

(4) 算定する施設は、セキュリティに関して、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(平成25年10月)、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成 27 年 11 月 27 日薬生総発112 第4号)の「第三運営事業者等が留意すべき事項」の「6 個人情報保護」に掲げる事項等、各種関係法令等を遵守すること。

(5) 過去の服薬情報などを適切に把握するため、電子版の手帳は、少なくとも過去1年分の服薬情報等を一覧的に閲覧できること。

(6) 電子版の手帳を利用している患者が、運営事業者が別の電子版の手帳を利用することを希望した場合に、データ移行が円滑にできるよう、電子版の手帳には関連情報の出力機能等を有していること。

*患者が用いる手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供にあたっては、患者に対して個人情報の取扱等の必要事項を説明した上で患者の意向を踏まえて媒体を判断することを通知において明確にする。
*紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供することになった場合は、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を入力するなど、紙媒体と電子媒体の情報が一元的に管理されるよう取り組むことを通知において明確にする。

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