薬局でつかっている電子はかりと連動している散剤監査システムに限界がきたみたいで買い替えの話がでています。
うちの監査システムは「おしゃべりシステム」というのが特徴みたいで、薬品のビンをスキャンすると薬品名を読み上げてくれます。
この「おしゃべり」が調子悪くなってしまい薬品名の頭文字を高速で連呼するようになってしまいました。
たとえば、オラペネムをスキャンしたとします。すると、
「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ・・・」
おまえ承太郎かよ!!
つづいて、ムコダインをスキャンします。すると、
「ムダ、ムダ、ムダ、ムダ、ムダ、ムダ、ムダ、ムダ・・・」
こんどはディオか!!
「やれやれだぜ!!」
ということで、業務中に気が散るんです。温厚な薬局長も、あまりのおしゃべりに、電子天秤に向かってキレだす始末です。
あっ、ムコダインはうそだけど、オラペネムはホントです。
ちなみに買い替えの直接の原因は「おしゃべり」機能がポンコツになったというわけではなくって、すぐにPCがおちるんです。落ちたら再起動するまで数分使えないから、もう限界ですね。
ちなみに、OSはWindows95です。現役で動いている95なんていまどきなかなかお目にかかれません。もう十分働いてくれたと思うので、引退させてあげてもいいとおもいます。
そこで、
単純なシステムなので作れないのか考えてみたところ、意外と簡単にできるのではないか?とうのが今回の記事です。
ちなみに着想だけで実際には作ってはいません。どうせ新しいの買うので。
もし節約して自作してみたいという薬局に参考になればとおもい書いてみます。
まず、電子はかりと連動する監査システムは何を目的としているのか?
電子はかりの散剤監査システムの使い方と目的
薬局長に使い方と目的を一通り教えてもらいました。
使い方は思った以上に簡単でした。
これから秤量する医薬品のビンのバーコードをスキャンしてから粉薬を秤量して、確定を押すと「薬品名」と「秤量値」が記録された紙が印刷されます。
印刷された紙を他の薬剤師にわたすことで正しく粉薬が作成されたかをチェックすることができます。
チェックし終わった紙は処方箋もしくは調剤録のウラに貼り付けて保管することで、後日、問合せ(クレーム)などにより薬がちゃんと作成されていたかどうかチェックをするときに役立ちます。
監査機を導入する一番の理由はクレームに対する自衛手段です。なにもなければクレームきたときに水掛け論にしかならないですからね。最低限、量り取った薬の量は医師の処方通りということが証明できれば解決の糸口にはなります。
主な機能としては、
・秤量値の記録
・印刷
この3点です。ではちょっと頑張って作ってみましょうか。
散剤監査システムを作ってみる
必要なものは、
・バーコードリーダー
・サーマルプリンター
正直、わざわざこれら新しいの買いそろえて劣化版をつくるなら正規品買ったほうがいいとはおもうけどね。今回は、なるべく薬局にあるものを代用します。
バーコードリーダーはオンラインで医薬品を発注しているなら必須品だから薬局にありますよね。当方は、ジャストックって発注システムつかってるから、そのノートPCとバーコードリーダーがあるのでそれを使います。
サーマルプリンターというのは感熱紙に印刷できるプリンターのことです。インクを使わずに熱で印字するため印刷スピードがとても早いです。スーパーのレシートとかがそうですね。こちらはお薬手帳のラベルプリンターで代用します。
薬局にあるパソコンならラベルプリンターとつながっていますよね。シールで印刷されるから最終的にノリで貼ると手間が省けます。
エクセルで単純な表を作成します。
こんな感じです。
右に採用薬のJANコードと薬品名の表をつくっておきます。
左の表のJANコードの欄にカーソルをあててバーコードリーダーでスキャンすればJANコードが自動で入力されるはずです。すると右のセルに薬品名がでます。
この薬品名をいれるのは「VLOOKUP関数」で簡単にできますね。その横に秤量値をいれるのですが、こればかりは電子天秤と連動してないとできないので無理です。手動でいれることになります。
あとは、左側の表だけを範囲指定してラベルプリンターで印刷すれば完了ですね。
とまぁ、こんな感じなのですがこれでは完成度があまりにもお粗末です。いざ使うと手間が多すぎて全く使い物にならないので、もう少し昇華してみる。
ここからはマクロが組めないとちょっと厳しいです。解説は複雑なので省略して、着想だけを書いていきます。
これが初期画面です。スキャン用のポップアップがでてますね。
ポップアップに従ってスキャンしてenterで薬品名が入ります。次のポップアップ表示されます。
秤量した数字を入れてenterで秤量値がはいります。またJANコードのポップアップに戻るので2つ目の薬品をスキャンすることができます。
キャンセルを押すまで連続して「JANコード」→「秤量値」の入力が繰り返されます。全ての薬品の秤量が完了したらキャンセルを押すと印刷が実行されてお薬手帳のラベルプリンターから監査用ジャーナルが印刷されます。
そして、プログラムの方は全ての入力を削除してまたJANコード入力のポップアップが表示さるので次の処方箋の秤量を始めることができます。
どうでしょうか?
ここまでやれば数値を手動で入力する以外は今使っているシステムと手間はほとんど変わらないので代替案としては十分通用すると思います。
最後に、もうひとつ追加しとくなら一番上に「NOW関数」つけるといいと思う。そしたら作成した日付と時間まで自動で入力されます。
あっ、あと、数字入力が入るのでテンキーも別売りのが欲しいかもですね。テンキーがないノートPCだったら1000円もしないので追加したほうがいいとおもう。
繰り返しますが、今回は着想だけです。テスト運用も何もしてないので妄想の世界ですね。マクロも真面目に組んでないです。たぶんできるだろーなって想像ですよね(笑)
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