乳酸菌サプリメントにどハマり調べまくっている登録販売者のジム子です。
過去記事読んでもらえばわかるけど家族全員で乳酸菌生活しています。うちの子どもたちは乳酸菌をのみはじめてから、全くといっていいほど風邪をひかなくなりました。
おかげで慢性中耳炎で1年以上服用してた「ムコダイン+ムコソルバン」もめでたく中止することができたので乳酸菌さまさまです。
免疫乳酸菌のみはじめてから耳鼻科に行かなくていいし、熱で保育園に呼び出されることもほとんどなくなり、もちろんお通じも良好。子供の病気にかける時間が短くなって親としては生活がすごく楽になります。
過去記事保育園では風邪を回避できないから免疫乳酸菌というアイテムで防御力UPして予防することにした
具体的な腸活の内容ですが、赤ちゃんの粉ミルク1缶に予め"1包7.5兆個"の超高容量乳酸菌をいれて混ぜて、ミルク缶1本まるまる乳酸菌入り粉ミルクにして毎日飲ませてます。
これでミルク100ccあたり1250億個の乳酸菌を飲ませることができるので1日4000億個くらいの乳酸菌を飲ませている計算になりますが、これって多いの?少ないの?と疑問に思ったので医療用の整腸剤と比較してみることにしました。
これで医療用の方が多ければわざわざバカ高いサプリ購入しなくても自費でかまわないから整腸剤をだしてもらえばいいわけです。
今回は薬局長協力のもと乳酸菌製剤について調べてみることにしました。
整腸剤は、うちの薬局にあるのだけでもビオフェルミン・ラックビー・ミヤBM・エンテロノン・ビオラクチスとこれだけの種類があります。
薬価は一律6.2円/gです。1日3gで30日分として90gを購入しても558円なので激安ですね。
それでは医薬品の乳酸菌製剤がいいのか、サプリメントがいいのか、はたまたどの乳酸菌製剤がいいのか、しらべてみます。
こんな方におすすめ
- ビオフェルミン配合散とビオフェルミン錠はまったくの別物
- ビオフェルミン配合散とビオスリー配合散を比較したら圧倒的にビオスリー
- ミヤBM錠は市販の強ミヤリサンの方が量が多い
- ビオラクチスは量が多いしヤクルトとおなじカゼイ菌
- タイプが違う整腸剤なら一緒に使うのはありかもしれない
- 乳酸菌の量ならサプリメントの方が圧倒的に多い
各製剤の概論に入るちょっと前に
基本的に医療用の乳酸菌製剤は生菌をベースにしているのでプロバイオティクスの考えです。生きた菌が腸まで届いてお腹の調子を整えますよってのプロバイオティクスです。
でも、最近は生きてるだの死んでるだのあんまり気にしなくてもいいようです。だって、加熱処理ずみの乳酸菌サプリメントたくさん販売されています。
あの有名なカルピスだって加熱処理されているのはご存知でしょうか?
Q10:パッケージに、“乳酸菌飲料(殺菌)”と表示されていますが、殺菌でも乳酸菌の働きはあるの?
答え: 「カルピス」は、できたてのおいしさを保つために、最後に加熱処理をし、密封しています。
このとき、乳酸菌自体は死んでしまいますが、乳酸菌がつくりだした乳酸の作用により、おなかの環境を整えたり、発酵によってつくられたカラダによい成分や牛乳の成分が、より消化吸収しやすいカタチになっているという特性には、変わりがありません。
すこやか乳酸菌「カルピス」:Q&A-成分や製品の特長について
乳酸菌は生きてても死んでても効果はかわりません。
参考までにこちらもどうぞ。
ちなみに、わたしのイチオシのサプリである女神フローラも殺菌加熱した乳酸菌です。
女神フローラは1日2包で1.7兆個もの乳酸菌が含まれています。このあと登場する整腸剤と数を比較してみるけど、ずば抜けて多いことがわかります。この先読み進めていくうえで1回1.7兆個という数字を念頭において読んでみてもらうと面白いと思います。
公式女神フローラ
素人的な考えですが、生菌でも死菌でもいいなら菌の組み合わせとやかく言わず量が多い方がいいんじゃないの?ってまずおもいます。
もっと突っ込むと抗生剤に耐性のある乳酸菌って必要なんですか?死菌でも効き目がかわらないなら別に抗生剤に耐性つけなくてもいいんじゃないですか。抗生剤で死んだとしても効くんでしょ?医薬品の乳酸菌製剤に関しては調べれば調べるほど謎は深まるばかりです。
それではここから各製剤の各論にうつります。
ビオフェルミン配合散・ビオフェルミン錠・新ビオフェルミンS細粒について
ビオフェルミン配合散:1g 中
ラクトミン:6mg
糖化菌:4mg
総生菌数として3×106~1×109個含有する。総生菌数の3×106~1×109個含有とありますが、もうちょっとわかりやすく書くと300万~10億個です。
あまりの少なさにビックリです。
サプリは1包7.5兆ですよ?一番多い10億で比較しても7500分の1の数しかはいってないではないですか。
ヨーグルトが100mLで100億なのでヨーグルトにも劣る量です。
乳酸飲料のヤクルト400なら1本80mLで400億個もはいってます。もちろん菌種が違うから効果は比較できませんが、それにしても少ない。あまりに少ない。
含有量にしても300万~10億と幅がありすぎやしませんか?少ない場合は300万しかないって、これって多い場合の何分の1なの?少なすぎて計算できません。これは生菌数の比較だから流通過程で死んじゃったりするから幅があるってことなのかな?とおもった。
そもそも1g中に10㎎しか菌はいってないところからしてめちゃくちゃ少ないですね。1%しか入ってないってことだから、ビオフェルミン配合散の99%はなんなのでしょう?もっと沢山いれてやればいいのに。
成分の解説ですが、整腸効果のメインはラクトミンで、糖化菌はラクトミンの補助をする働きがあります。ビオフェルミン配合散のラクトミンはフェーカリス菌のことです。乳酸菌の1種ですね。
いちおう、ラクトミンの定義をみておく。
ラクトミンwikipediaより
ラクトミンは、「Streptococcus faecalis、Streptococcus faecium、Lactobacillus acidophilus、またはLactobacillus bulgaricusの生菌菌体を集め、乾燥した後、殿粉、乳糖、白糖など適当な賦形剤またはそれらの混合物と混合したもの」と定められている。
現在日本で製造販売されている医療用医薬品ラクトミンは、Streptococcus faecalisのみを含むもの(大日本住友製薬のアタバニン散、ビオフェルミン製薬のビオスミン配合散およびビオフェルミン配合散、東亜薬品のビオスリーなど)と、Streptococcus faecalisおよびLactobacillus acidophilusの二つの菌が混合されたもの(わかもと製薬のレベニンS散など)の2種類がある。
医療用のビオフェルミン配合散の効能効果は"腸内菌叢の異常による諸症状の改善"です。
あくまでも、お腹の調子を整えるための薬なので、サプリメントのように免疫力UPまでは期待していません。この違いからサプリメントよりも量がすくないのかもしれません。
開発の経緯
メチニコフ博士は人間の老衰の原因が腸内細菌の毒素による慢性中毒であると考え、老衰を防ぐために腸内の有害細菌による腸内異常発酵を軽減する目的で、乳酸菌と糖化菌の製剤を創案した。
ビオフェルミン配合散は腸内でよく増殖するすぐれたラクトミン(乳酸菌)と、この乳酸菌の働きを助ける糖化菌を含有し、腸内菌叢の異常による諸症状の改善を目的として創られた製剤であり、1955年11月に乳酸菌整腸剤(ラクトミン製剤)ビオフェルミンとして承認された。
製品の治療学的・製剤学的特性
(1) ビオフェルミン配合散に含まれるラクトミン(乳酸菌)は腸内増殖性にすぐれ、乳酸をよく産生して腸内有害細菌の生育を抑制し、腸内菌叢の正常化をはかる。
(2) 腸内有用菌であるビフィズス菌優位の腸内菌叢に導くことにより、すぐれた整腸作用を発揮し、腹部症状の改善に効果をあらわす。
*ビオフェルミン配合散:インタビューフォームより引用
ビオフェルミン配合散と市販薬の新ビオフェルミンS細粒は同じものなのか?
医療用と市販薬が同じならいいなぁとおもって調べたら、びっくりすることに違うんです。ついでに、ビオフェルミン"錠"とビオフェルミン"配合散"も違います。もうわけわかんないですね。
並べてみます。
ビオフェルミン配合散:1g中
ラクトミン:6mg
糖化菌:4mg
新ビオフェルミンS細粒:1g中
コンク・ビフィズス菌末:6mg
コンク・フェーカリス菌末:6mg
コンク・アシドフィルス菌末:6mg
ビオフェルミン錠:1錠中
ビフィズス菌:12mg(生菌数として1×106~1×109個含有)
市販薬の新ビオフェルミンS細粒の方が3種類の乳酸菌が合計18㎎はいってるので乳酸菌の量は多いのですが糖化菌が入っていません。糖化菌は乳酸菌の増殖を助ける働きがあるので市販薬にもいれたらいいのにと思うのですが市販薬の新ビオフェルミンS細粒には入ってません。
ビオフェルミン配合"散"の場合はフェーカリス菌(ラクトミン)ですが、ビオフェルミン"錠"の場合はビフィズス菌です。どちらも乳酸菌ですが種類が違います。
ビオフェルミン配合散は"配合"となってるので合剤ですが、ビオフェルミン錠は配合となってないので単剤です。同じように見えてもよくみると名前からして別の薬であることがわかります。
素人的な考えですがビオフェルミン配合散とビオフェルミン錠はそれぞれ違う乳酸菌なので一緒にとれば相乗効果じゃない?とか思います。だって市販薬の方は、フェーカリス菌とビフィズス菌が一緒になってるわけだし、さらに糖化菌も加わればもっと良さそうですよね。
抗生剤と一緒ならビオフェルミンR散がいいの?
抗生剤の下痢予防で整腸剤を一緒に使うときにはビオフェルミンR散とうい別のものをつかいます。
ビオフェルミンR散:1g中
耐性乳酸菌 6.0mg(フェーカリス菌)を含有する。
ビオフェルミン配合散:1g中
ラクトミン 6mg
糖化菌 4mg
ビオフェルミンR散はフェーカリス菌だけの単剤なので糖化菌は配合されていません。せっかくだからビオフェルミンR散にも糖化菌いれたらいいのに。
糖化菌は芽胞製剤だから胃酸と抗生剤にわりと強い。抗生剤と一緒に使用されるビオスリー配合散には糖化菌が配合されています。糖化菌はアミラーゼを作ってデンプンを分解して糖にします。ビフィズス菌やフェーカリス菌は糖を消費して増殖するので、糖化菌と乳酸菌を一緒に混ぜとくと乳酸菌は10倍増殖するそうです。
この耐性乳酸菌というのはすべての抗生物質に万能に使えるわけではなく一部の抗生剤には使用できません。
ビオフェルミンR散の効能効果
下記抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善
ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸
上記の抗生物質と一緒に使えるそうですがクラビット錠(ニューキノロン系抗生物質)やファロム錠(ペネム系抗生物質)には使用できないようです。といっても、全然効果ないってことはないとおもいます。そもそも死菌でも効果あるので。
ビオスリー配合散とビオスリー錠とビオスリーH散の違い
ビオスリー配合散:1g 中
ラクトミン 10mg
酪酸菌 50mg
糖化菌 50mg
3種類の菌が割りとたくさん入ってます。合計で110㎎です。ビオフェルミン配合散の10㎎に比べたらモリモリです。
ビオスリーの名称由来は"「ビオ(BIO-)」は〔生命〕を意味する接頭語であり、ビオスリーの〔活性菌〕を表す。「スリー(THREE)」はその活性菌が〔三種〕含有されていることを意味する。"だそうです。
ビオスリーの"スリー"は"3"のことだったんですね。
せっかくなのでビオフェルミン配合散と並べて比較してみましょう。
ビオスリー配合散:1g 中
ラクトミン 10mg
酪酸菌 50mg
糖化菌 50mg
ビオフェルミン配合散:1g中
ラクトミン 6mg
糖化菌 4mg
ビオスリーとビオフェルミンの違いは一目瞭然、見るからにビオスリーの方がたくさん入ってます。ラクトミンも糖化菌も量が多いし、酪酸菌まで一緒に入ってる。ちなみに、ラクトミンはビオフェルミンとビオスリーともにフェーカリス菌(乳酸菌の一種)のことです。
これで同じ薬価なのだからびっくりです。
特徴ですが、三種類の菌のうち糖化菌と酪酸菌は芽胞といって殻のようなものを作っていて胃酸などの影響を受けづらくなっています。ラクトミンは芽胞を作りませんが酸性条件に強いので胃酸などの影響を受けにくいそうです。
ビオスリー配合散とビオスリー配合錠の比較
ビオスリー配合散:1g 中
ラクトミン 10mg
酪酸菌 50mg
糖化菌 50mg
ビオスリー配合OD錠:1錠中*
ラクトミン 2mg
酪酸菌 10mg
糖化菌 10mg
*ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠及びビオスリー配合OD錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している。
比較するともうわけわかんないです。注釈に 1g と 2錠 が同じような生菌数になるように調整していると書いてあるが2錠分にして計算してみても全く同じ数字にならない。なぜか5倍したら同じになります。
ホントに意味不明です。
ビオスリーは下痢症だけでなく便秘症にも効くの?
医薬品添付文書より
ビオスリー配合散 〔幼小児〕
総症例数285例、概要は以下のとおりであった。 疾患名と有効率(%) 胃腸炎:100% 下痢症:93.2% 便秘症:83.3%
ビオスリー配合散 〔成人〕
総症例数51例、概要は以下のとおりであった。 疾患名と有効率(%) 便秘症:100% 急性・慢性腸炎:97.8% 下痢便秘交代症:60.0%
便秘症100%ですと?と驚きましたが、よくみてみると症例数1/1でした。母数が小さいのであんまりあてにならない気もしますが・・・。まぁ、添付文書見てみて下さい。
1.開発の経緯
ビオスリーは1963年、東亜薬品工業株式会社によって開発された乳酸菌(Streptococcus faecalis T-110)、酪酸菌(Clostridium butyricum TO-A)、糖化菌(Bacillus mesentericus TO-A)の三種の活性菌を含有する整腸剤(活性生菌製剤)である。
ビオスリーの基礎的研究において、乳酸菌、酪酸菌、糖化菌各々の間で共生関係が成立し、
・乳酸菌、酪酸菌の混合培養による両菌の増殖の促進
・糖化菌による乳酸菌の増殖の促進
などの現象の確認がビオスリー及びビオスリー錠を開発する契機となり、ビオスリーは1963年、ビオスリー錠は1965年にそれぞれ承認を得て1984年再評価により、効能・効果は「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」となった。
2.製品の治療学的・製剤学的特性
(1) 本剤は、糖化菌(好気性菌)、乳酸菌(通性嫌気性菌)、酪酸菌(偏性嫌気性菌)という酸素感受性の異なる三種の活性菌を含有し、小腸から大腸まで作用する。
(2) 糖化菌は乳酸菌を、乳酸菌は酪酸菌を単独培養に比べて約10倍増殖を促進する(in vitro)。
(3) 糖化菌は、ビフィズス菌の増殖を促進させる(in vitro、ラット)。
(4) 乳酸菌および酪酸菌は、それぞれ各種腸管病原菌(大腸菌O157、腸炎ビブリオ、ボツリヌス、MRSA 等)の増殖を抑制し、乳酸菌、酪酸菌との混合培養ではその増殖抑制作用は更に増強す
る(in vitro)。
(5) 酪酸菌は、腸管上皮細胞のエネルギー源として利用される酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸を産生する(in vitro)。
(6) 散剤、錠剤に加え、水なしでも服用可能なOD錠(口腔内崩壊錠)の3種類の製剤から、剤形を選択することができる。
*ビオスリー配合散インタビューフォームより
ビオスリー配合錠と市販薬のビオスリーHは同じものなのか?
ビオスリー配合散:1g 中
ラクトミン 10mg
酪酸菌 50mg
糖化菌 50mg
ビオスリーH:1g中
ラクトミン 10mg
酪酸菌 50mg
糖化菌 50mg
同じ内容でよさそうですね。
ラックビー微粒Nとラックビー錠の比較
ラックビー微粒N:1g 中
ビフィズス菌 10mg
ラックビー錠:1錠
ビフィズス菌 10mg
ラックビーR散:1g 中
耐性ビフィズス菌 10mg
ラックビーに関しては粉でも錠剤でも同じですが、ラックビーRだけは牛乳アレルギー禁忌のようです。
ラックビーはビオフェルミン錠と同じビフィズス菌製剤ですが、ビオフェルミン配合散とは違います。ややこしいですね。
ラックビーとビオフェルミンを比較してみる。
ビオフェルミン配合散:1g中
ラクトミン 6mg
糖化菌 4mg
ビオフェルミン錠:1錠中
ビフィズス菌 12mg
ラックビー微粒N:1g 中
ビフィズス菌 10mg
ということで、ラックビーN微粒はビオフェルミン錠とおなじビフィズス菌製剤なのですが、ビオフェルミン錠の方が量が多いようです。
ラックビー微粒Nの名称の由来
発売時のビフィズス菌の菌名であったラクトバチルス ビフィダス(Lactobacillus bifidus)よりラックビー(LAC-B)と命名し、ラックビー微粒Nについては、形状(微粒)及び抗生物質に対する耐性を付与していない通常(normal)の生菌製剤のNを付した。ラックビー錠については、剤形の「錠」を付した。
"N"はノーマルの"N"です、抗生剤耐性であるラックビーRのResistant Microorganismと対になってます。
ビフィズス菌は乳酸や酢酸を産生して、腸内有害菌の増殖を抑制したり腸内有害菌によって産生される腐敗産物を抑制する働きをします。また、ビフィ
ズス菌優位の腸内菌叢に導くことにより、腸内菌叢の正常化をはかり、すぐれた整腸作用を発揮し、下痢や便秘等の腹部症状の改善に効果を発揮します。
エンテロノン-Rは抗生剤でみだれた腸内細菌叢を正常化
エンテロノン-R:1g 中
耐性乳酸菌 100mg(106~109個の生菌)
106~109個は100万~10億個のことなので相変わらずばらつきがハンパない。ビオフェルミンの乳酸菌6㎎に対してこちらは100㎎なのでたくさん入ってそうなのですが、生菌として比較してみると同じ10億なのでたいしてかわらない。死菌が多いってことなのかな。まぁ、どちらにせよヤクルト400が1本(80mL)で400億だから数は少ないですね。
このエンテロノン-Rの特徴はなんといっても"耐性"乳酸菌であることです。抗生剤でお腹の調子が悪くなってしまった時もしくはその予防で抗生剤と一緒に使うやつです。抗生剤は目的としている菌以外にもお腹のいい菌にも作用して腸内バランスを乱してしまうことがあります。その予防です。
牛乳アレルギーの方は使えないので注意。
開発の経緯
エンテロノン-R散は、株式会社目黒研究所で開発された耐性乳酸菌を用いた製剤である。
下痢、便秘などの症状は腸内細菌叢の乱れによって起こり、その原因には抗生物質・化学療法剤などの投与が大きく関与し、これらの薬剤により菌交代の現象を呈する。さらには、外的感染に対する抵抗力の低下から全身性の感染を引き起こすことも考えられる。腸内細菌叢の乱れは乳酸菌によって改善されるが、乳酸菌は抗生物質・化学療法剤との併用で減弱化される。そこで、これらの薬剤に耐性をもつ乳酸菌製剤が必要となる。
この腸内細菌叢の正常化を目的として、多くの抗生物質・化学療法剤に耐性を付与した乳酸菌が開発され、耐性乳酸菌製剤として、1967年8月11日に承認された。
*インタビューフォームより引用
製品の治療学的・製剤学的特性
1.エンテロノン-R散は種々の抗生物質に耐性を有している乳酸菌製剤である。
2.抗生物質、化学療法剤投与時の腸内細菌叢の乱れにより起こる下痢や腹痛などの諸症状を改善する。
3.本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用として、アナフィラキシー様症状を起すことがある。
*インタビューフォームより引用
要約するとエンテロノンRは抗生物質・化学療法剤等の投与により、菌叢バランスの乱れた腸管内において、増殖定着し菌交代現象を防止し、腸内菌叢の乱れを正常化します。
ビオフェルミンR散は耐性乳酸菌6.0mgに比べて、エンテロノンRは耐性乳酸菌100㎎も入ってるから個人的には期待している。やっぱり多い方がいいでしょ。どっちも耐性のフェーカリス菌ね。
ビオラクチス散はヤクルト㈱が製造販売する整腸剤
あのヤクルト社が手掛ける医薬品です。生きた菌にこだわってるので冷蔵庫に保存する必要がある整腸剤です。
ビオラクチス散:1g中
ビオラクチス原末:500mg(生菌数としてカゼイ菌を1.5×109~2.1×1010個)
1g中にカゼイ菌500㎎だから実に50%が有効成分です。ビオフェルミン配合が1%で、ビオスリー配合散が11%で、エンテロノンが10%であることから、ダントツで量が多い。
生菌数はというと1.5×109~2.1×1010個つまり15億~210億個です。これもダントツで多いです。
菌の種類はカゼイ菌です。カゼイ菌で有名な商品といえばやっぱりヤクルトですよね。あの有名な乳酸菌シロタ株はカゼイ菌のことです。ヤクルト400は1本(80ml)にカゼイ菌が400億個も含まれています。
ちなみに、ビオラクチス散とヤクルト400がどちらもカゼイ菌だからといって同じ菌であるとは限らないです。カゼイ菌の中にも種類はたくさんあるので種類まで一緒かは知りません。
ちょっとヤクルトの話です。
カゼイ菌は耐酸性であることから、胃液や胆汁中でもほとんど死滅することなく生きたまま腸に届き高いプロバイオティクス効果が期待できます。しかし、腸内に定着するわけではないので継続的に摂取が必要です。これを読んでもらえばわかりますがヤクルト社がハッキリと定着しないと言っているので定着しないのでしょう。定着しないということはヤクルトを辞めたら元に戻ってしまうので継続が大切ということです。継続するならヤクルトよりも粉で携帯に便利なビオラクチス散の方が現実的だとおもう。ヤクルトは激アマだから糖分の摂取もきになるところです。
製品の特徴および有用性
(1) 本剤はカゼイ菌(ビオラクチス原末)を、生菌数として1g中1.5×109~2.1×1010個含有している。
(2) カゼイ菌(ビオラクチス原末)は特に胃酸耐性、胆汁酸耐性等の消化液耐性が高い乳酸桿菌である。
(3) カゼイ菌(ビオラクチス原末)は腸内でよく生育し、腸内腐敗菌と有害菌の増殖を抑え、腸内菌叢を改善する。
(4) カゼイ菌(ビオラクチス原末)は腸内で増殖し、腸内異常発酵を防止するとともに腸管における分泌・吸収作用および蠕動運動を促進することで、腸内菌叢の異常による諸症状を改善する。
*ビオラクチス散インタビューフォームより
効能または効果は"腸内菌叢の異常による諸症状の改善"です。
ビオラクチス散の添付文書より
便秘、下痢を主訴とする患者(各々172例、153例)を対象とした本剤の主薬成分であるカゼイ菌(Lactobacillus casei )を用いた臨床試験における「有効以上」の有効率は次表のとおりであった。
疾患名:有効率%(有効以上/対象症例数)
便秘:53.5%( 92/172)
下痢:74.5%(114/153)
便秘に関してはいまひとつって感じですかね。
ミヤBM細粒と強力ミヤリサンの比較
ミヤBM
1g中:宮入菌末 40mg
1錠中:宮入菌末 20mg
宮入菌(読み方:みやいりきん)は宮入先生が発見した酪酸菌のことです。医薬品の場合はミヤBM細粒1gとミヤBM錠2錠で同じ量になるので注意。
この宮入菌の特徴はなんといっても芽胞を形成すること、芽胞という殻に閉じこもっているので強酸性の胃液でもほとんど影響を受けない。また抗生剤投与時の下痢にも有効とされている。
名前に"R"はついていないものの抗生剤による下痢にも使える。ビオスリーも酪酸菌が配合されているので同様のことがいえます。
開発の経緯
本剤の主成分である酪酸菌(宮入菌)(Clostridium butyricum MIYAIRI)は千葉医科大学(現:千葉大学医学部)において、宮入近治博士により人の糞便から抗腐敗性の強い新たな嫌気性の芽胞菌として1933年に発見され、1935年に報告されたものである。その後、本菌は各種腸管病原性細菌に対して著明な拮抗作用があることが示され、同時に臨床試験において食中毒や腸カタルなど消化器疾患に対して優れた治療効果のあることが明らかにされた。さらに、宮入らは本菌の培養研究、製剤研究を進め、1940年医薬品として製造を開始した。本菌は、酪酸を主に産生することから酪酸菌とよばれる。
*インタビューフォームより抜粋
製品の治療学的・製剤学的特性
ミヤBM細粒およびミヤBM錠の主成分である酪酸菌(宮入菌)は芽胞として配合されていることから、投与後、胃液や胆汁酸、腸液、消化酵素などの影響を受けずに腸に到達する。その後、芽胞が発芽し栄養体細胞となった酪酸菌(宮入菌)は腸管内で増殖し、有用菌優位の腸内菌叢を形成する。さらに、有害物質産生菌もしくは腸管病原性細菌の発育を阻止し、腸内菌叢のバランスを回復、保持させる。
*インタビューフォームより抜粋
類似薬のなかでは、一般的に乳酸菌類は強酸性下の胃液中において死滅するのに対して、本菌はほとんど影響を受けないこと、抗生物質投与時に起こる下痢などの諸症状に対して改善効果を示すこと、さらに、本菌自体の作用のみならず、本菌の主要代謝産物である酪酸による腸粘膜萎縮改善作用などの特徴を有する。
ミヤBMの名称由来は「“ミヤ”は宮入菌のカタカナ名より、“BM”はbutyricum MIYAIRI のイニシャルをとった。」だそうです。つまり、ミヤの要素が2つも入っているのです。重複していることに気づかなかったのか、それともわざとなのか。
添付文書の薬効薬理より抜粋・ 宮入
菌の培養ろ液を添加した液体培地において、ビフィズス菌の発育が促進された。
- 各種抗菌剤の投与を受けた成人において、偽膜性大腸炎の原因菌とされるClostridium difficile の糞便中検出率が著しく増加したが、宮入菌製剤を併用することにより、その出現頻度並びに菌数は減少した。
- 宮入菌はアミラーゼ、ビタミンB群(B1・B2・B12・ニコチン酸・葉酸)を産生した。
アミラーゼを産生するのでビフィズス菌やフェーカリス菌とかと一緒にとると良さそうです。アミラーゼはデンプンを糖に分解してビフィズス菌やフェーカリス菌の増殖を助けるのでビオフェルミンやラックビーと一緒にとるといいかもしれない。
ミヤBMはビオチン療法に使われることで有名な整腸剤です。ミヤBMとビオチンとビタミンCのセットで掌蹠膿疱症に使用されます。
ビオチン(ビタミンH)とビタミンCはコラーゲンを作るのに必要なビタミンです。ビオチンは腸内の悪玉菌によってパクパクと食べられて消費されてしまいます。これを補う目的で外から摂取するのと、腸内環境を整えてビオチンが不足しにくい環境を整えるということで整腸剤がセットになっています。ちなみに掌蹠膿疱症だけでなくニキビ予防や美肌効果を期待して使用する人もいるようです。
ビオチン療法は決まって整腸剤にミヤBMを使用しますが、他のではダメな理由がフェーカリス菌やビフィズス菌はビオチンを食べて消費してしまうからです。酪酸菌である入宮菌はそんなことしません。
芽胞を作って胃酸の影響を受けないので腸で生きて腸まで届いて定着しやすいというのも理由にあるかもしれません。
市販薬のミヤリサンとミヤBMとの違い
医療用と市販薬は1錠中の量が違うだけで、有効成分は同じ宮入菌です。ただし、1錠あたりの量が違います。
市販薬のミヤリサンには"強ミヤリサン"と普通の"ミヤリサン"がありますが"強"とついている方が1錠あたりの菌数が多い。違いはそれだけです。
強ミヤリサン錠:1錠中 宮入菌末 30㎎
ミヤリサン錠:1錠中 宮入菌末 10㎎
ミヤBM錠:1錠中 宮入菌末 20mg
なんと医療用のものよりも市販薬の方が多いのです。医療用の目安は1日6錠だから180㎎ですが、強ミヤリサンは1日9錠なので270㎎です。実に、1.5倍です。ちなみに医者は6錠よりも3錠で処方することの方が多いです。
強ミヤリサンは菌の量が多いだけでなく1箱にはいってる量も多いのでお得です。
amazonではミヤリサンを購入するとビタミンCとビオチンのサプリをオススメしてくるのは流石と言わざる負えない。
レベニン配合散って何?
レベニン配合散:1g中
ラクトミン(ストレプトコッカス・フェカリス菌散、ラクトバチルス・アシドフィルス菌散)2mg
ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム・ロンガム菌散)4mg
最近ではあんまり見かけなくなったレアキャラですね。
ラクトミンはビオフェルミン配合散やビオスリー配合散がフェカリス菌だけなのに対してこちらはアシドフィルス菌も一緒にはいってます。そして、さらにビフィズス菌も配合です。
合計6㎎なのでなんとなく心配になります。これ以上は特筆すべきことはない。
結局どの整腸剤がイイの?
あくまでも個人的な見解ですよ。芽胞作ったほうが効きそうだからミヤBMかビオスリーがいいとおもいます。さらにビオスリーはラクトミンと糖化菌もはいっていて相乗効果が期待できるからビオスリー配合散はよさそうです。
ただ、ビオラクチス散も捨てがたいですね。乳酸菌が死んでいても効果があるというのであれば1g中500㎎も原末が配合されているビオラクチス散は、さぞ菌量が多いことでしょう。冷所保存が残念ですが。
乳酸菌は医薬品よりもサプリメントの方が数は圧倒的に多い
乳酸菌を毎日しっかりとりたいなら医薬品よりもサプリの方が多くの種類をたくさん取ることができます。なかでも乳酸の数がおおいサプリを紹介しておきます。
私がオススメなのは「女神フローラ」ってサプリです。こちらは1日2包で、約1.7兆個もの乳酸菌を摂取することができます。
ビオフェルミンなんて1gで10億個しかいないのだから1.7兆とるには1.7kgも服用しなくてはならない。とても現実的ではありません。1.7兆個の乳酸菌てヨーグルトにするとこんな感じのイメージになります。1日ヨーグルト170個相当が2袋でとれてしまうのだから、いかにすごい量なのかがよくわかりますよね。
フェカリス菌、ガゼイ菌、ブルガリクスなど全17種類も入っていてるので幅広い層につかえます。水なしでそのまま飲める粉末タイプなので食後にデザート感覚で服用できるから、なんなく継続できます。amazonや楽天でも購入できますが初回であれば公式なら50%OFFなので、だんぜんお得です。詳細は公式ページで確認してみて下さい。
公式女神フローラ